NFLがいかに成功しているかは、所属するチームの資産からも見てとることができる。
 経済誌フォーブスが昨年発表した全32チームの資産価値ランキングによれば、平均資産価値は11億7000万ドル(約1170億円)に達した。
 実際、2012年にはアメリカ中西部の中規模都市であるクリーブランドを本拠とするブラウンズが9億8700万ドルで買収された例がある。


 この11億7000万ドルという平均資産価値は、大リーグの7億4400万ドル、プロバスケットボールNBAの5億900万ドル、プロアイスホッケーNHLの2億8200万ドルを大きく上回るものだ。
 また、世界のトップ20サッカー・チームの平均ですら9億6800万ドルである。まさにアメリカ、さらには世界のトッププロリーグなのだ。


 チームごとで見た場合、最も資産価値が高いと判定されたのはカウボーイズで、実に23億ドル(約2300億円)となっている。カウボーイズはアメリカ西部の大都市、テキサス州ダラスを本拠地とする強豪チームだ。
 約10万人を収容できる巨大ドームスタジアムを持ち、そのスタジアムの命名権、ネーミングライツについて通信会社AT&Tと25年間で5億ドル(約500億円)にのぼる契約を結んだことが収益の大幅アップにつながったと見られている。
 それほど高額な契約を結べるのは、それに見合うだけの人気があるということでもあるのだ。

 また23億ドルという資産価値はMLBのニューヨーク・ヤンキースと同額である。ヤンキースの圧倒的な人気を考えれば、カウボーイズの存在感が際立っていることが分かる。
 またサッカーの世界的ビッグクラブと比べてみても、カウボーイズを上回るのはサッカーのレアル・マドリード(34億4000万ドル、約3440億円)、FCバルセロナ(32億ドル、約3200億円)、マンチェスター・ユナイテッド(28億1000万ドル、2810億円)の3チームしかない。


 さらに特筆すべきは最も低いと判定されたレイダーズですら、8億2500万ドルの資産価値があるという点だ。これはサッカーで比べるとACミランやユベントスとほぼ同じ数字である。
 これはビッグクラブと中小チームが混在するサッカーのヨーロッパ・リーグやチーム間の経済格差の差が激しいMLBなどと大きく違う点だ。NFLは全てのチームが高い収益、資産価値を持つ、全体として成功しているリーグなのである。(NFL JAPAN 渡辺 史敏)


渡辺 史敏 (わたなべ・ふみとし)のプロフィル

1964年生まれ。明治大卒。雑誌編集者を経て1995年に渡米。ニューヨークを拠点にNFLやサッカーなどスポーツ、ITの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国。フリーランス・ジャーナリスト活動を行う他、NFLの日本窓口、NFL ジャパン リエゾン オフィスのPRディレクターに就任。

【写真】NFLの中でも最もチームの資産価値が高いダラス・カウボーイズ=写真提供:NFL JAPAN