社会人の東日本王者を決める「パールボウル」が6月23日に東京ドームで行われる。昨年の社会人選手権と同じオービック―富士通の対戦について、日頃からXリーグを取材するマスコミ関係者が試合展開を予想する。


【河合香(日刊スポーツ):優勝予想=オービック】
 一番の注目は富士通のQBコービー・キャメロンであり、ランにもいい影響を与えている。守備にも相乗効果が出ているが、リクシルに終盤4TDを奪われたのは気になる。ビックプレーメーカーという点でも王者にやや劣る。オービックは新人、若手の成長で層の厚みを増した感がある。この春はいつになく気合も感じさせ、強い相手にはより燃える勝負強いチーム。経験値からもオービックにやや分があると見る。


【小座野容斉(毎日新聞):優勝予想=富士通】
 2010年以降の4年半で国内公式戦55試合を53勝2敗という最強王者オービック、そのオービックに唯一2勝した富士通。現在、社会人のみならず日本のアメフット界全体で見ても抜きんでた力を持つ2チームの戦いだ。従来、春のボウルゲームは、真剣勝負と言いながらどこかのんびりしたムードがあった。しかし、今回のパールボウルにはそういう余裕や遊びが消え、両チームとも目の色が違うように思う。
 競った展開での経験、勝負強さでは、オービックは富士通より1枚も2枚も上手だが富士通オフェンスの潜在能力は、オービックの想像を超える可能性がある。
 僅差でオービック、3ポゼッション以上の差なら富士通ではないか。一応、QBコービー・キャメロンと富士通オフェンスのケミストリーが生じて、富士通がオービックをアウトスコアして破ると予想した。
 しかし、率直に言うと、予想はつかないという方が正しい。


【生沢浩(ジャパンタイムズ):優勝予想=オービック】
 富士通はキャメロンの入団でオフェンス力が格段に上がり、得点力もアップした。さらに、ジーノ・ゴードン、高野橋慶大の両RBによるグラウンドアタックも強い。富士通オフェンス対オービックディフェンスでは富士通に軍配が上がる。
 その反面で、オービックの多彩なオフェンスは富士通ディフェンスを凌駕すると予想される。WR木下典明、萩山竜馬へのパスはビッグプレーになりやすいし、古谷拓也をはじめとする豊富なRB陣はスタミナを温存しながら試合を展開できる。こちらはオービックに分がある。 試合は点の取り合いで長時間の展開になると予想。こうなると、スタミナ、精神力、大舞台での場数でオービック有利とみる。
 オービックが誰を先発させるかには興味がある。今春は菅原俊を一度もスターター起用せず、新人の畑卓志郎やベテランの龍村学の出場機会も多い。
 過去の実績からは菅原先発がセオリーだが、彼が再びリリーフに回るようであればオービックのQB層の厚さを示す試合となる。ただし、先発QBが序盤でつまずく事態になれば富士通に先行されて追いかける試合展開を強いられるかもしれない。


【松元竜太郎(共同通信):優勝予想=富士通】
 ここ数年レベルアップし続けてきた両チームの力は拮抗している。WR木下典明、DLビーティー・ジュニア、DB藤本将司などトップ選手の実力はオービックが上。一方でローテーションでの出場選手を含めた選手層の厚み、総合力は富士通が勝る。
 昨年の社会人選手権は序盤からターンオーバーの応酬が続き、オービックがモメンタムをつかんだ展開だったが、今回はある程度膠着しながら試合は進むだろう。両チームともドライブはするものの、TDを取りきれないのではないか。FG勝負になった場合、長距離を安定して決められる富士通のK西村豪哲の存在が大きい。
 試合が終盤までもつれた場合は、オービックの試合巧者ぶりが上回るだろう。一方でターンオーバーバトルが互角、キッキングでのビッグプレーを許さないという条件付きで、地力に勝る富士通が勝つと予想する。

【写真】パールボウル記者発表で健闘を誓ったオービックのLB古庄主将(左)と富士通のDL岡本副将=10日、都内