今年のハイズマン賞が、フロリダ州立大のQBジェーミス・ウィンストンに決まった。ウィンストンは1年生。昨年のテキサス農工大のQBジョニー・マンゼルに続く1年生への栄冠で、歴代2人目となる。またフロリダ州立大としては1993年のQBチャーリー・ワード、2000年のクリス・ウィンキーに次いで3人目。QBの選出は4年連続31人目である。


 ポジション別ではRBが41人(無資格となった2005年の南加大レジー・ブッシュを除く)、レシーバーが5人、DBが1人、計78人となった。回数で言えば今年は79回目。一人足りないのはオハイオ州立大RBアーチー・グリフィンが74、75年と2年連続受賞しているからである。


 この賞は全米大学フットボール最優秀選手賞で、個人賞として最も伝統があり、歴史も一番古く、最大のものとされている。1935年にニューヨークのダウンタウン体育協会(DAC)が制定。栄えある第1回の受賞者はシカゴ大学のRBジェイ・バーワンジャーに輝いた。ちょうどこの年にプロフットボールNFLの最初のドラフト会議が開かれ、バーワンジャーはフィラデルフィア・イーグルスが指名した。だが本人は誕生して日も浅いプロには食指が動かなかったようで、プロ入りを蹴っている。


 8大学のチームの監督を歴任、大学フットボールで185勝をマークし、このころはDACでディレクターを務めていた名将ジョン・ハイズマンさんが、36年に死去。このDAC賞はハイズマン賞と改められ、今日に至っている。
 ウィンストンはこれまでに暴行事件を起こし、決して評判はよくなかったが、裁判沙汰一歩手前で救われ、この賞の候補に残った。モラル的に見て問題はあったが、フロリダ州立大のハイパワーオフェンスの原動力として活躍、チームを全勝に導いた力量が買われた。


 なお1年生とはいえ、昨年のマンゼル同様、まったくの新人ではなく、今年初めてチームの正規のメンバーに加えられた「レッドシャツ」と呼ばれるクラスで、年間の予想を載せる雑誌の各イヤーブックには、「期待の1年生」として大きく取り上げられている。
 なお授賞式はDACが今世紀初めに破産し、その後スポンサーなどの交代もあって、ニューヨークのノキア劇場で行われている。
 このほか個人賞としては、ハイズマン賞と同じような性格で37年に誕生した「マクスウェル賞」。インテリアラインマンを対象に、46年に誕生した「アウトランド賞」など、多くの個人賞がある。(丹生恭治)

【写真】1年生でハイズマン賞に選ばれたフロリダ州立大のQBウィンストン(AP=共同)