新潟県内で唯一「アメリカンフットボール部」がある開志国際高校にうれしい知らせがあった。今秋の関東大会へ出場する資格を得たのだ。
 「準加盟」という扱いだが、北海道地区に組み込まれ「公式戦」への参加が、先ごろ開かれた関東高等学校アメリカンフットボール連盟の理事会で承認され、7月4日、学校に書面で通知が届いた。


 ただ、北海道地区は部員不足で秋の大会に参加できないチームが多く、その場合は神奈川県3位のチームとプレーオフ(10月15日の予定)を行い、勝てば関東大会に出場となる可能性が高い。
 地区の再編成が予定される来年度には「正式加盟」となることも、理事会で併せて確認されたという。


 開志国際高校は、「志を持って未来を切り開き、地域・国家・国際社会のリーダーとなる人間を育成する」という教育理念を掲げ、2014年4月に開校した。
 国内では珍しい「医学」「国際」「アスリート」の3コースに特化し、アスリートコースは二つ以上のスポーツを同時に経験する「マルチスポーツ」を実践している。


 アメリカンフットボール部はラグビー部と兼任する生徒が多く、留学生も積極的に受け入れている。
 開志国際高校の入試広報課長で、アメリカンフットボール部「レッドタイガース」の部長も務める植木潤さんは、新潟県内の長岡高校出身。高校時代は、父親が単身赴任していた東京のクラブチームなどでプレー。大学は米国の南イリノイ大へ進んだが、トライアウトに合格できず、本場でのプレーはかなわなかった。


 大学を卒業後、縁あって開志国際高校に就職した植木さんの熱意が実り、新潟県では初めてとなる高校のチームが誕生した。


 当初は、今年度からの正式加盟を目指していたが、ラグビー経験者のオーストラリア人留学生と、日本の高校生の「体力差」を懸念した連盟が、競技としての安全性の確保という観点などを理由に、慎重な対応になった。


 最終的な「テスト」として実施されたのが、6月12日に東京・駒沢第二球技場で行われた日体荏原高校との練習試合だ。
 春の関東大会準決勝の後に行われたこの練習試合で、開志国際高校は7―13で敗れた。初めての対外試合で、選手交代でまごつくなど初々しさが目についたが、実戦の緊張感と充実感は、普段の仲間内の「スクリメージ」とは大違いだったようだ。


 「レッドタイガース」は、日本社会人Xリーグ1部の強豪「ノジマ相模原ライズ」と提携し、競技力の向上を目指しているという点でも注目されている。
 ノジマ相模原の須永恭通ヘッドコーチが、月に何度か東京から車で往復8時間をかけて胎内市まで指導にやって来る。須永コーチは日体荏原高校との試合でも、ノジマ相模原の石井光暢代表と一緒にベンチ入りし、熱心に指導していた。


 練習試合とはいえ、やっぱり勝ちたい。残り12秒での悔しい逆転負けに涙を浮かべる仲間を前に、DLとして好タックルを連発したオーストラリア人留学生のダニエル・リーディさんは、精いっぱいの日本語でこう言った。
 「今日はもう泣かない。みんな百パーセントやった。笑って(新潟へ)帰ろう」。思いがけない留学生のエモーショナルな言葉に、選手はうなずいた。


 「スタート地点に立てたことを、うれしく思う。まずはプレーオフに向けてチームを強化したい」と植木さん。将来はNFL選手の排出も視野に入れた開志国際高校が、念願の公式戦出場への第一歩を踏み出した。

【写真】試合後、チームメートを励ますオーストラリア人留学生ダニエル・リーディさん