更新が滞り、ごあいさつが遅くなってしまいましたが、本年もよろしくお願い致します。いつもは戦術に関することを書いていますが、今回は少し戦術を離れ、ライスボウルの今後について書いてみたいと思います。


 オービック・シーガルズの4連覇で幕を閉じたライスボウル。これで社会人の5連勝となりました。過去の歴史においても同様でしたが、社会人が数年勝ち続けると「社会人王者VS学生王者の対決」としての「ライスボウル」で「今後、学生に勝つチャンスはあるのか?」「そもそもライスボウルは継続すべきなのか?」と言った議論が沸きおこります。
 今年のライスボウル後のSNSへの書き込みやブログ、コラムなどの記事を拝読していますと、「学生が社会人に勝つチャンスはある」「ライスボウルは継続すべき」と言った意見が優勢なように感じています。


 しかし、私見を申し上げると、現行の「シーズン最大のビッグゲームという位置付けでの社会人王者VS学生王者の対決」でのライスボウルはそろそろ廃止したほうが良いのではないか、と考えています。
 その理由を述べる前に、私は長年社会人フットボールに関わってきましたので、まずはその立場からの分析を加えながら、現行制度の「ライスボウル」の歴史を振り返ってみたいと思います。


 学生王者VS社会人王者による日本選手権としての「ライスボウル」がスタートしたのが1983年シーズン。ここからの8年間は学生の7勝1敗。当時はまだ社会人フットボールに各大学のOBの寄せ集め的な要素が強く、「チーム作り」という意味で取り組みが浅い時期でした。
 しかし1991年シーズンからの10年間は社会人が9勝1敗と圧倒しました。この時期は実業団チームがもっとも充実していた時期で、プロコーチを持つチームが増え、各チームの練習量も増えました。もはや単なる優秀な選手の寄せ集めではなくなり、社会人チームの「チーム力」が大幅に向上した時代でした。


 この後、2001年シーズンからは学生が3連勝。この3連勝には、01年の関学にQB尾崎、WR榊原、DL石田、02、03年の立命館にはQB高田、WR長谷川、木下、冷水といった社会人のトッププレーヤーと遜色のない実力を持つ選手が「複数」いたことと同時に、企業の撤退による社会人強豪チームのクラブチーム化が進む中で、「実業団時代よりも大幅に少ない練習回数でのチーム作り」を各チームが模索していた時期であったことも、少なからず影響があったと考えています。


 そして04年シーズン以降は今年のゲームを含めて社会人の9勝1敗。社会人9勝のうちクラブチームの優勝が6回。そのうちの5回がオービック・シーガルズによるもので、これは前述した実業団チームからの移行期に模索していた「クラブチームとしてのチーム強化」に成功した結果と言えるでしょう。


 では今後、社会人王者と学生王者の戦いはどうなっていくのでしょうか。個人的な見解を申し上げると、今後、学生が社会人に勝つことは「これまで以上に」難しくなってくると考えています。
 後編ではその理由と、現行制度のライスボウルを廃止した方が良いのではないかと思う理由について書いてみたいと思います。

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