アラバマ大についに土がついた。開幕以来「負けないなぁー」というファンの声を背に、ランキング上位の座に君臨し続けた南東リーグ(SEC)の王者アラバマ大がとうとう黒星を喫した。


 全米大学体育協会(NCAA)のフットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)の第13週は、11月23、24、25日を軸に米国各地で大詰めの激戦を繰り広げた。


 ベスト25校のうち、南加大を除く24校が登場。ランク校同士の対決4試合を含む20試合に興味が集中した。


 とりわけ話題をさらったのは、SEC西地区の首位決定戦、アラバマ大ーオーバーン大のアラバマ州を二分する決戦だった。
 ここ5年ほどはアラバマ大有利で、昨年まで3連勝。無論、代わる代わる本拠地を取り換えるのはここも一緒で、今年はオーバーン大のホーム、ジョーダン・ヘア・スタジアムがその檜舞台となった。


 4年前の2013年、このスタジアムで演じられたドラマは地元ファンの記憶に新しく、延長寸前、決勝点を狙ったアラバマ大のFGがわずかにそれたのを、オーバーン大がリターン、TDを挙げて34―28で勝っている。
 地元ファンはその再現を口にしたが、この日オーバーン大はそのようなドラマなど全く必要のない勝ちっぷりを見せた。


 「アイアン・ボウル」の名で知られるこの定期戦は、オーバーン大RBのケリオン・ジョンソンが、トリックプレーからWRネート・クレイグマイアーズへ3ヤードのTDパスを決めて先制。第3Qの初めに勝ち越されたものの、その3分後、ダニエル・カールソンが44ヤードのFGを決めて差を詰め、3分5秒には69ヤード、12プレーのドライブからエース、ジョンソンが1ヤードのTDラン。第4Q序盤にもQBジャレット・ステッドハムが16ヤードを走り抜けて加点、26―14でアラバマ大を倒した。


 オーバーン大の勝因はバランスの取れた攻撃で、ラン168ヤード、パス240ヤード、合計408ヤードで、60分の内の36分間を支配した。
 中でもジョンソンの活躍が目覚ましく、104ヤード走って1TD。レシーブも3回記録し21ヤード。それに先に書いた先制のTDパス1本が加わる見事さで、地元12連勝を飾った。


 一方アラバマ大は同校にとっての今季最多失点となった。
 ランク1位のアラバマ大を倒したオー―バーン大のランキングはこの日で6位。決して不思議な結果ではあるまい。しかし、2位のフロリダ州のマイアミ大を24―14で破ったピッツバーグ大はランク外。番狂わせということになればこの試合こそ大波乱である。


 大西洋岸リーグ(ACC)コースタル地区のリーグ戦の一つで、マイアミ大が加盟してから日も浅いことなどを考えると大試合扱いはできないカードだ。
 まず試合経過を見る。先取点はピッツバーグ大。第1Q半ば、レッドシャツの1年生アレックス・ケスマンが46ヤードのFGを決める。マイアミ大は第2Q7分10秒、QBマリク・ロージャーがWRア―モン・リチャーズへ23ヤードのパスを通してリードを奪い返したが、ピッツバーグ大は前半終了間際に猛反撃。68ヤードを11プレーかけて前進し残り43秒、最後の6ヤードを新人QBのケニー・ピケットがスクランブル。見事にカバーして10―7で折り返した。このリードが大きかった。


 第3Q1分55秒にはピケットがRBカドリー・オリゾンへ5ヤードのパスを決めて差を開き、第4Q3分3秒にはピケット自ら22ヤードを走って24―7とした。
 ピケットは入学以来2試合目の先発だったが、その活躍は新人離れしていた。パスは29回投げて18回成功の193ヤード。初めて記録したTDでもあった。


 ランプレーは45回で152ヤード。自らは13回走って60ヤードゲインし、2TDを挙げた。なおピッツバーグ大は昨年もランキング2、3位に位置していたクレムソン大に食い下がった末に、43―42で金星をものにしている。


 マイアミ大はすでにアトランティック地区のクレムソン大と、12月2日にリーグの首位決定戦を行う予定になっているが、思わぬ番狂わせがどう影響するか興味深い。


 このほか太平洋12大学ではスタンフォード大がノートルダム大を迎えて好ゲームを展開。17―20で迎えた第4Q、インターセプトを糸口に、立て続けに3TDを挙げて38―20でランク8位のノートルダム大を倒した。


 このリーグでは、ランク13位のワシントン州立大と17位のワシントン大が伝統の対決。ランキングの順位とはおよそかけ離れた内容で、ワシントン大が41―14と大勝した。


 なお12月1日は太平洋12大学の首位決定戦。北地区のスタンフォード大が南地区の南加大と対戦する。


 残りの9リーグはいずれも12月2日に首位決定戦を行う。組み合わせは次の通り。地区制を採っていない連盟も、上位2チームが決定戦を行う。
 ▽アメリカン体育連盟(AAC)メンフィス大―中央フロリダ大 ▽大西洋岸リーグ(ACC)マイアミ大(フロリダ)―クレムソン大 ▽ビッグ12オクラホマ大―テキサスクリスチャン大(TCU)▽ビッグ10 オハイオ州立大―ウィスコンシン大▽USA連盟(C-USA)フロリダ・アトランティック大―北テキサス大 ▽中部アメリカン連盟(MAC)アクロン大―トリド大 または北イリノイ大▽山岳西部連盟(MWC)フレズノ州立大―ボイジー州立大(第13週25日の試合と同一カード)▽太平洋12大学=上記の通り▽SEC ジョージア大―オーバーン大▽サンベルト連盟(SBC)トロイ大―アーカンソー州立大

【写真】オーバーン大QBステッドハム(左)をタックルするアラバマ大DBジョーンズ(AP=共同)