米大学フットボールは第12週。全米大学体育協会(NCAA)のフットボール部門ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は11月18日を中心に米国各地、各リーグで大詰めの激戦を展開した。
 レギュラーシーズンの試合はこのあと、12月上旬の各リーグの首位決定戦と、陸海両士官学校の一戦まで続き、これを追うようにボウルゲームが月半ばから各地で始まる。


 この週はベスト25のうち、ワシントン州立大を除く24校が登場して23試合が行われ、おおむね順当な成績が残った。
 ランキング校同士の唯一の対戦はビッグ10。ランク5位で西地区首位のウィスコンシン大が、ランク24位で東地区の名門ミシガン大を本拠地マディソンのキャンプランドール・スタジアムに迎えた。
 結果は24―10で、ウィスコンシン大がリーグ戦8勝、合計で11戦全勝。全米の全勝4校の一角を守った。


 ウィスコンシン大はミシガン大に食い下がられた。第1Q1分32秒に、ニック・ネルソンが50ヤードのパントリターンを演じて先行したが、第2Q2分29秒、ミシガン大RBベン・メーソンの1ヤードの突進で追いつかれ、さらに第3Q半ば過ぎには39ヤードのFGで勝ち越された。


 しかし、ここからの反撃が見事だった。この3分後、QBアレックス・ホーニブルックがWRのAJ・テイ
ラーへ24ヤードのパスを通して逆転し、さらに残り34秒でRBケンドリック・プライアーが32ヤードを快走。第4Qの2分30秒には、ラファエル・ガリアノンが30ヤードのFGを決めてとどめを刺した。


 ミシガン大は武器のランプレーを封じられた。今季は1試合平均207ヤードを記録していたが、この試合はわずかに合計58ヤード。しかも第3Q半ばQBのブランドン・ピーターズを負傷で欠いて、反撃の糸口をつかめなかった。
 土つかずのウィスコンシン大は12月2日、東地区の首位オハイオ州立大とビッグ10の王座をかけて対戦する。


 このほかの注目の試合に触れる前に、ウィスコンシン大以外の全勝校を並べておく。まずはアラバマ大。南東リーグ(SEC)の雄で、前週プレーオフランキングの首位を確保した。
 今週はチャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS=旧1部AA)のマーサー大と対戦、56―0のスコアを残した。
 リーグ戦7勝、トータルで11勝。次は宿敵オーバーン大と顔を合わせる


 大西洋岸リーグ(ACC)では、すでにコースタル地区を制したフロリダのマイアミ大が、44―28でバージニア大を退けた。リーグ戦7勝で合計は10勝。アトランティック地区のクレムソン大と、リーグのタイトルを争う。
 最後にアメリカン体育連盟(AAC)東地区のセントラルフロリダ大はテンプル大を45―19で下した。


 リーグ戦は7勝でトータルは10戦全勝。ランク外のチームがランク入りしているチームを倒す番狂わせも計二つと少なかった。
 一つはビッグ12で起きた。13位のオクラホマ州立大がカンザス州立大と激しい点取り合戦を展開。40―45で敗れた。
 大番狂わせと言いたいところだが、シーズン開幕当初、カンザス州立大がベスト25の一員だったことを考えると、そのような表現には行きつかない。


 オクラホマ州立大は第1QこそQBメーソン・ルドルフからWRジェームズ・ワシントンへの38ヤードのパスなどでリードしたが、カンザス州立大は第2Qから一気に調子を上げた。
 まず13分41秒、QBスカイラー・トンプソンがWRバイロン・プリングルへ47ヤードのTDパスを通して逆転した。


 続いてオクラホマ州立大が15プレーを積み重ねる苦労の末にFGを決めると、その直後のキックオフでカンザス州立大はプリングルが鮮やかな89ヤードのリターンを演じて逆に差を広げた。
 さらに前半終了間際にはRBアレックス・バーンズが39ヤードを快走。第3Qにはトンプソンとプリングルのコンビで2本のロングパスを成功させた。


 このまま終わるかに見えたオクラホマ州立大は第4Q、20―45からルドルフが奮起、ワシントンへのTDパス、自らのランなどTDを三つ畳みかけて一気に5点差まで迫ったが、わずかに届かなかった。


 ACCではウェークフォレスト大が19位のノースカロライナ州立大を30―24で破った。
 ウェークフォレスト大が先手を取り、これをノースカロライナ大が追って前半はウェークフォレスト大の21―14。後半はノースカロライナ州立大のTDに始まって、第4Q10分49秒のFGで戦況は24―24。
 だが、残り8分9秒、ウェークフォレスト大はQBジョン・ウォルドーフがWRタバリ・ハインズへ18ヤードのTDパスを決めて決勝点を奪い、そのまま押し切った。


 太平洋12大学では南加大とカリフォルニア大ロサンゼルス(UCLA)の伝統の試合が私たちにはおなじみだろう。
 南加大が先行し、これをUCLAが追う展開だったが、南加大が28―23で逃げ切った。ランクでいえば南加大が11位で、UCLAはランク外だが、伝統の一戦となるとこうして競り合うのが、本場のフットボールである。


 統計上の話になるが、南加大は守備陣が健闘し、この試合でUCLAのQBジョシュ・ローゼンを4度サックし、さらに2度ターンオーバーを誘発した。
 しかし、421ヤードの距離を稼がれ、3TDを奪われた。効果を上げたとは言えぬQBへのチャージだった。
 しかしここは、QBローゼンのそつのなさを褒めるべきなのかもしれない。

【写真】ミシガン大のエバンス(12)にギャングタックルを浴びせるウィスコンシン大守備陣(AP=共同)