全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は10月の21日を中心に米国各地で第8週を行った。


 本稿は毎週、AP通信のランキング校の対戦を中心にリポートしているのはご承知の通り。ランキング校同士の対戦はできる限り拾い上げるようにしている。しかし、その試合がスリルに富んだ接戦なのかといえば、必ずしもそうではない。
 好ゲームや大接戦とランキングとはまた別物で、この週の2試合はその典型的な例であろう。


 まずビッグ10の大一番、ランク2位のペンシルベニア州立大が同8位のミシガン大を本拠地のビーバースタジアムに迎えた。
 ペンシルベニア州立大はかつては東部の独立校として存在感を示していたが、1993年にこの名門リーグに参加した。


 それまでリーグの東地区ではミシガン大とオハイオ州立大が、毎年のように首位争いを繰り広げてきたのが、この93年からは三つ巴の争いがファンを沸かすようになった。
 ところがこの全米有数の好カードは、ペンシルベニア州立大の一方的な勝利に終わってしまった。


 ペンシルべに州立大は今季、第1Qの攻守が際立っていた。この日もRBサクオン・バークリーがいきなり69ヤードを独走。続いて15ヤードの快走と、立ち上がりの5分間に2TDを挙げた。
 第2Qで1点差に迫られたものの、ペンシルベニア州立大は前半終了間際にQBトレース・マクソ―
リーの3ヤードの突進で差を広げた。


 後半はマクソ―リーの独り舞台。第3Qに自らの13ヤードのラン、第4Qにはバークリーへ42ヤードのTDパスを決めた後、自らの9ヤードのランで42―13と古豪ミシガン大を突き放した。
 バークリーも3年生としてランで3000ヤード、パスレシーブで1000ヤードをマークした始めての選手となった。


 対校戦の数とか古さからいえば、これ以上のものはたくさんあるのだが、「重み」となれば指折りの「伝統の一戦」がある。南加大とノートルダム大のカードである。
 この週に行われたこの試合は、シーズンの「中間地点」で行われるときにはノートルダム大のホ
ームゲーム、レギュラーシーズンの最後だと南加大のホームゲーム、というのがきちんと決まっている。このあたりが、伝統の「重み」なのだ。


 さて、本場のもう一つの伝統の一戦はインディアナ州サウスベンドのノートルダム・スタジアムで行われた。
 ランキングは太平洋12大学の南加大が11位、独立校のノートルダム大が13位と面白くなりそうな順位がついていた。ところが現実はそう甘くはなかった。


 地元ノートルダム大が立ち上がりから一気に南加大を自らのペースに引きずり込んでしまった。
 まずはQBブランドン・ウィンブッシュがWRイクアニメアス・セントブラウンへ26ヤードのTDパスを決めて先制。続いてWRケビン・ステファーソンに23ヤードのパスを通して14点。第2Qには、RBジョシュ・アダムズとウィンブッシュ自らのランで2TDを追加し、前半で28―0とした。


 ノートルダム大にとっては、この間に3ターンオーバーをものにしたのが大量点に直結した。後半も流れは変わらず、結局ノートルダム大の49―14という一方的な試合となった。
 対戦は両校にとって89回目。通算成績はノートルダム大の47勝37敗5分けとなった。この日のノートルダム大は合計377ヤードを走って5TD。ランでは今季26本目で相手には1TDを許しただけと、圧倒的なランプレーの優位を誇っているが、このゲームでそれがはっきりと表れた。


 主役のアダムズはこの試合、19回ボールを持ち191ヤードを獲得、後半の2本と合わせて3TDを挙げた。


 このほかのランキング校はいずれも順当勝ち。とりわけ南東リーグ(SEC)のアラバマ大は、相変わらずランキングの首位にふさわしい勝ちっぷりを見せ、この週も名門テネシー大を45―7と寄せ付けなかった。
 ビッグ12のテキサスクリスチャン大(TCU)はカンザス大を43―0と完封し、相変わらず全勝をキープ。ビッグ10のウィスコンシン大もメリーランド大に38―13と快勝した。


 第8週を終えて全勝チームはわずかに8校。ACCのフロリダ州のマイアミ大や、アラバマ大とジョージア大のSEC勢、ペンシルベニア州立大とウィスコンシン大のビッグ10勢、ビッグ12のTCUのほか、アメリカン体育連盟(AAC)から南フロリダ大と中央フロリダ大の2校が全勝校に名を連ねている。

【写真】ミシガン大を相手に快勝したペンシルベニア州立大のQBマクソーリー(9)(AP=共同)