米大学フットボールが始まった。全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は26日、各地で開幕戦5試合を行った。


 この日はAPランキング14位のスタンフォード大と同19位の南フロリダ大の2チームも登場して順当に勝ち星を挙げたほか、コロラド州立大、ブリガムヤング大(BYU)、ハワイ大がそれぞれ白星スタートを切った。
 開幕第1週はこのあと8月31日から9月4日までの5日間に全米各地で熱戦を展開する。


 開幕戦は米国内のほか、オーストラリアのシドニーでもスタンフォード大とライス大が戦い、スタンフォード大が62―7で圧勝。シドニー・カレッジ・フットボール杯を獲得した。シドニーでのゲームは、カリフォルニア大が51―31でハワイ大を下した昨年に続き2度目。


 前回はオリンピック・スタジアムで行われ、約6万2000人の観衆がスタンドを埋めたが、今回は郊外に建つ4万5000人収容のアライアンツ・スタジアムでの開催。観客動員数は3万3181人にとどまった。
 なお、スタンフォード大が海外で試合をするのは、1986年に東京でアリゾナ大と対戦し、29―25で勝った時以来である。


 試合は太平洋12大学北地区の首位候補スタンフォード大の一方的な内容。2013年11月23日にカリフォルニア大を63―13で退けて以来の大勝利となった。
 とりわけQBケラー・クライストが好調でパス25本の内14本を決めて253ヤード、2TDを獲得して、控えに後を託した。またRBではブライス・ラブが13回走って150ヤード、1TDを記録した。


 デービッド・ショウ監督は大勝利そのもの以上に、QBクライストが昨年度の北カロライナ大とのサンボウルで痛めた右ひざの回復が予想以上に顕著だったこと。NFLのドラフト1位でカロライナ・パンサーズへ去ったRBのクリスチャン・マカフリーの後釜に据えたRBラブが、これまた予想を上回る大活躍を見せると同時に、攻撃面でチームリーダーの役割を完璧に果たしたことを、手放しで喜んだ。


 USA連盟のライス大は立ち上がりから痛めつけられた。特にレッドシャツの1年生QBサム・グレイスマンが動きを封じられ、チームも立ち上がりからミスを連発する始末。第4Q残り6分、0―55からRBオースティン・ウォーカーの奮闘で7点を返すのがやっとだった。


 アメリカン体育連盟(AAC)の南フロリダ大は6シーズン前、2011年の開幕戦でノートルダム大を23―20で破る大金星を挙げてランク入りし、ボール州立大、フロリダ農工大、テキサス大エルパソを下して4連勝。22位、20位、18位、16位と二段飛びに順位を上げた。
 しかし第5戦のピッツバーグ大との試合に17―44と大敗してランキングから姿を消した。


 そして2015年、レギュラーシーズン最終戦で25位に返り咲きながら、マイアミビーチボウルで西ケンタッキー大に敗れてランク外へ。
 昨季は最終週で中央フロリダ大に勝って25位に顔を出し、バーミングハムボウルで南カロライナ大を延長の末に46―39で破って、11勝2敗の好成績でシーズンを終了。記者投票、監督投票とも19位に納まった。


 今季のランキング入りはこうした「栄光」引き継いだもので、AP通信の記者投票で19位、USAトゥデーの監督投票では21位。南フロリダ大にとって開幕戦は、こうした意味で真価が問われる大事な試合だった。


 南フロリダ大は、いきなり地元サンノゼ州立大から先制パンチを浴びた。得意の攻撃をわずか22ヤードに抑えられる一方、WRベイリー・ゲイサーに立て続けに2TDを許して0―16とリードを奪われたのである。
 しかし第2Qからは態勢を立て直し、本来の攻撃力でサンノゼ州立大を圧倒した。


 南フロリダ大は2015年の終盤の4試合に続き、昨年の全13試合と、勝ちゲームは無論のこと、負け試合でも最低30点は記録している。
 この第2Qは、その持ち前の力を存分に発揮する271ヤードを記録するとともに、あっという間に4TDを挙げて28―16で前半を折り返した。


 特に前半残り2分22秒、RBデメスト・ジョンソンがきれいに外を回り、50ヤードを快走して加点したのが、サンノゼ州立大の息の根を止めるプレーだった。
 南フロリダ大は後半も第3Q、第4Qに各1TDを加えて合計42点を記録。1試合30点以上の記録を連続18試合に伸ばし、チャーリー・ストロング新監督の初戦を飾った。


 コロラド州フォートコリンズのヒューズスタジアムのソニールービック・フィールドでは、山岳西部連盟(MWC)のコロラド州立大が、太平洋12大学のオレゴン州立大を迎えた。
 リーグの格からいえば太平洋12大学だが、MWCでの優勝争いの先陣を切るコロラド州立大と、下位定着を続けるチームとではやはり力の差が出る。


 前半は点を取り合い、コロラド州立大が24―20とわずかにリードしただけだったが、第3Q半ば過ぎ、レシーバーの手で跳ねたボールを、コロラド州立大LBのトレ・トーマスが奪って44ヤードをリターンしたのが大きかった。
 コロラド州立大は2TD差をつけて流れを引き寄せ、結局58―27でオレゴン州立大を退けた。


 このほかユタ州プローボのラベル・エドワーズ・スタジアムでは、独立校のブリガムヤング大(BYU)がFCS(旧1部AA)のポートランド州立大に後半食い下がられる大苦戦。BYUは第4Qの残り3分29秒、CBザイン・アンダーソンがパスインターセプトを演じて貴重なFGを追加し、20―6と突き放した。


 MWCのハワイ大と独立校マサチューセッツ大との試合は、激しい点取り合戦を展開。第4Q初めには地元のマサチューセッツ大が35―21と優位に立った。
 しかしハワイ大はここから猛反撃。残り48秒、QBドルー・ブラウンがゴール前7ヤードからTEのメルイセラ・ウンガへパスを通し、逆転のTDを挙げて38―35で勝った。

【写真】シドニーで行われたライス大との開幕戦で、チームを勝利に導いたスタンフォード大のQBクライスト(AP=共同)