2017年度のあらましを紹介してから、次の資料が整うまで、しばらくお休みをいただいた。資料といっても改まるほどのものでもない。要するに米国のフットボール雑誌である。
 開幕を2カ月から3カ月後に控えた5月下旬から6月下旬にかけて、この手の雑誌はプロ、大学ともに花盛りとなる。


 ただ、日本で目にする限りでは圧倒的にプロを取り上げた雑誌が多い。大学のものはプロの半分以下で、近年東京で出ているのはせいぜい3冊である。
 それらがつい先日、手元にそろった。これから1シーズンお世話になる雑誌である。せめて題名ぐらいは紹介しておこう。


 まずは、古くからある「ストリート・アンド・スミス」。記者時代の晩年に出てきた「アスロン」。定年後に目にするようになった「フィル・スティールズ」。フィルは今年が23巻なので、定年後の私と同期でもある。
 かつては「キックオフ」とか「ゴールポスト」とかいうネーミングで、たくさん出回っていたが、近年は残念ながらこの3冊と、週刊誌の「スポーツ・イラストレイテッド」の大学開幕特集号を、手元に置くぐらいになってしまった。


 以前、私の作業のあれこれを紹介したことがあったが、こうした資料が集まると、まず雑誌巻頭のランキングを、ノートに書き出すことから始めるのが常である。
 広い米国である。その昔、多人数の移動手段が鉄道しかなかった時代に、全国規模の大会が簡単に開けるわけはなかったし、そのようなことを考える者もいなかった。


 しかし同時に、一番強いのはどこか、誰が王者かということも、関心を集めぬわけがなかった。そして、フットボール誕生後70年近く経った1936年、AP通信社が全国規模の記者投票のランキングと、それに伴う王者の選定を開始した。
 この後1950年からはUPI通信が監督を起用して、APと同じようなランキングと王者の選出を始め、のちにこれを全米ネットのスポーツ放送会社ESPNが引き継いだ。


 大学フットボールの歴史を書くつもりはないが、この間組織として全米大学体育協会(NCAA)が生まれ、やがて歴史に富む強豪の「メジャー」と、それ以外の「スモール」の区別が誕生した。
 それが1、2、3部制へ移行。1部は「A」と「AA」に分けられた後、Aをフットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS)、AAをフットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS)と呼ぶようになった。これが現在に至っているのはご承知の通りだ。そして2014年、FBSが勝ち抜きによる「選手権制」を採用した。


 さて、2017年だが、FBSのランキングは3誌とも1位から3位まで同じチームが並んだ。南東リーグ(SEC)のアラバマ大、ビッグ10のオハイオ州立大、大西洋岸リーグ(ACC)のフロリダ州立大である。
 これに続いて、4番目は太平洋12大学(Pac12)の南加大。シーズン最後の選手権大会出場4校の顔ぶれは、この4校で決まりと見る向きが多いようだ。


 念のためだが、出場4校は、10月最終週からレギュラーシーズン最終週までの各週、選手権大会選考委員会がランキング形式の投票を行って決定する。


 正規のランキングは先に述べた全米の有力フットボール記者が投票するAP通信のそれと、有力校監督が投票するESPNの2本立てで、いずれも25位までを発表する。
 こちらは残念ながら現段階ではまだ始まっておらず、8月の中旬まで待たねばならない。だが、雑誌のものも当たらずといえども遠からずで、3誌ほどを集計すると結構正規のものに似た順番が出てくるのである。


 南加大以下の3誌集計はビッグ10のペンシルベニア州立大、Pac12のワシントン大、ビッグ12のオクラホマ大の3校が肩を並べ、8位に昨シーズンの覇者、ACCのクレムソン大が続く。
 9位はビッグ10のウィスコンシン大とSECのルイジアナ州立大(LSU)。もう少し下を見ると、11位がビッグ10のミシガン大、12位と13位がSECのオーバーン大とフロリダ大。14位にビッグ12のオクラホマ州立大、15位にPac12のスタンフォード大といった常連校の名が並ぶ。


 続いてACCのルイビル大。昨季のハイズマン賞に輝いたQBラマー・ジャクソンが健在で、評価は高い。
 17位がSECのジョージア大、18位がACCのフロリダ州マイアミ大、19位がビッグ12のテキサス大と有力校が続き、20位に独立校の名門ノートルダム大が出てくる。


 開幕前の予想となると、どうしても名の通ったチームに偏りがちで、このあたりでようやくアメリカン体育連盟(AAC)の南フロリダ大がノートルダム大と並ぶ20位に登場する。
 以下ビッグ12のカンザス州立大が22位に続いたのは珍しかったが、3誌集計によるベスト25は23位にSECのテネシー大とACCのバージニア工科大が並び、Pac12のオレゴン大と知られたチームが続いた。


 ランク外では、ビッグ12のテキサスクリスチャン大(TCU)と西バージニア大、Pac12のユタ大の名も挙げられている。


 リーグ別に見ると、FBSの10リーグの内、レベルの高い5大リーグが大半を占める。SECがアラバマ大以下6校。次いでACCがフロリダ州立大など5校。ビッグ10がオハイオ州立大など4校、Pac12も南加大をはじめ4校、ビッグ12も4校と校数でいえば互角で、このほかAACが1校、独立校も1校となっている。


 最近はリーグ別ランキングなどと称してページを割いているが、ほぼ上記のような順番になっているのが面白い。

【写真】アラバマ大の2年生エースQBジャレン・ハーツ(AP=共同)