「さて、次は何にしようかな?」。先週取り上げた三隅さんの話を終えて、親しい友人に独り言のように漏らしたら、「あれっ!」と返された。「もうカレッジは終わりですか。クレムソンの1位は間違いないでしょうが、ほかはどうなるんですか」―。


 そうなんです。全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)のチャンピオンこそ決まったものの、他のチームの最終格付けについてご紹介しないことには、2016~17年は終わったとは言えないでしょう、とのご指摘をいただいたのである。
 編集長すみません。ちと先を急ぎすぎました。一歩後戻りします。


 繰り返すが、米国の大学スポーツは対校戦が基本で、そこから自然に生まれてきたグループが組織をつくり、それを土台に現在あるような仕組みへと変化してきた。
 日本ではその先を細かく詰め、厳密な形を整えて非の打ちどころない大会をつくる。国がこぢんまりとまとまっているからこそできる話で、あの広い大陸でこれをやろうとすると、時間と経費が掛かってどうしようもない。


 じゃあどっちが強いのかという話になると、その競技と成り立ちを熟知する方々に決めていただく。あるいは、そのような方々がご自分の好みで決めてしまう。
 ということになって、ご存知、あのランキングが登場する運びとなる。こうした考え方は、無論19世紀末からあったのだが、1936年にはAP通信社が有力記者の投票を、1950年にはUPI通信社が有力校の監督投票を、それぞれ集計してランク制を開始。これを基礎に今の仕組みが整備されてきた。
 それらの歩みについてはまた折を見てご紹介したいが、まずは今季の最終ランキングを片付けよう。


 発表は選手権決勝の翌日の1月10日。記者投票のAP通信、UPI通信の流れを汲む監督投票のUSAトゥデー/ESPN社の両者とも、大西洋岸リーグ(ACC)のクレムソン大を満票の1位に挙げた。
 10月末の時点で、私が記事を書くのに便利なように記者投票、監督投票のランキングから少数の有識者による選手権選考委員会ランキングへ切り替えてしまったので細部は不明だが、両社とも投票者60人と、人数をそろえていたのに気が付いた。


 これまで両ランクの投票者数は常にバラバラで、なんとなく収まりが悪いなと思っていたのが、ともに60人ちょうどになっていて、これにもちょっぴり驚いた。
 つまり60人がそろって1位に推したクレムソン大は、1500点ちょうどを獲得、レギュラーシーズン終了時の3位から1位へ上り詰めたのだった。


 無論クレムソン大の最終ランクの首位は、史上初である。そして栄光を目前にしながら、決勝戦の最後のプレーでクレムソン大に王座を浚われた南東リーグ(SEC)のアラバマ大は、両ランクとも投票者全員が2位に推し1440点の「満票」だった。


 ランキングは3位以下で少し食い違う。記者投票では太平洋12大学(Pac12)の南加大が、9位から六つもジャンプアップ、1292点で3位につけたのは少し意外だった。
 ローズボウルでビッグ10の優勝チームで選手権ランク5位のペンシルベニア州立大に3点差で競り勝ったのに対する評価である。


 一方監督投票では、ビッグ12のオクラホマ大がシュガーボウルでSECのオーバーン大に35―19と快勝し、7位から3位へ上がった。
 選手権準決勝のピーチボウルででアラバマ大に7―24で敗れたPac12のワシントン大は両ランクの4位と動かず、5位にはAP通信がオクラホマ大、ESPNでは南加大が入った。


 ランキングは6位から12位までの7校が同じ順位に並んだ。6位は準決勝のフィエスタボウルでクレムソン大に0―31と完封されたビッグ10のオハイオ州立大が入り、7位は先に述べたペンシルベニア州立大。8位にオレンジボウルでビッグ10のミシガン大を33―32の1点差で下したACCのフロリダ州立大が続いた。


 全勝旋風を巻き起こしていた中部アメリカン連盟(MAC)のウエスタンミシガン大をコットンボウルで24―16で倒したビッグ10のウィスコンシン大は9位。ミシガン大が10位とここまでビッグ10勢が4校ベスト10に顔を出して注目された。


 11位以下はアラモボウルでPac12のコロラド大に快勝したビッグ12のオクラホマ州立大。サンボウルでノースカロライナ大(ACC)に辛勝のスタンフォード大(Pac12)が続いた。
 なお組織別のベスト25はACC、SEC、Pac12の3リーグがいずれも5校。ビッグ10が4校で、ビッグ12が3校。ほかにアメリカン体育連盟(AAC)、MAC、山岳西部連盟(MWC)各1となっている。

【写真】全米王座を獲得したクレムソン大のQBデショーン・ワトソン(AP=共同)