全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)のレギュラーシーズンは12月10日、メリーランド州ボルティモアのM&Tバンク・スタジアムでの伝統の一戦、陸軍士官学校―海軍士官学校で幕を下ろした。


 ランキング25位に付け、優位と見られていた海軍だったが、陸軍はランプレーを畳みかけて主導権を握り、第1、2QともRBアンディ・デビッドソンがゴール前1ヤードから突進。2TDを挙げて14―0とリードした。


 海軍は後半、2TDに1FGを挟んで一度は17―14と逆転したが、陸軍は第4Q6分5秒、QBアーマド・ブラッドショーが力走を重ねた末、ゴール前9ヤードを突破し21―17で勝った。
 陸軍の海軍からの勝ち星は2001年以来で、連敗を14で食い止め、通算成績を50勝60敗7分けとした。また敵地ボルティモアでの陸軍の勝利は実に1944年以来だった。


 この日は全米注目の個人賞、全米最優秀選手賞、第82回ハイズマン賞の発表があり、ルイビル大の2年生QBラマー・ジャクソンが受賞した。
 大西洋岸リーグ(ACC)に所属するケンタッキー州のルイビル大からこの賞の受賞者が出るのは初めて。また2年生の受賞は2009年のアラバマ大のRBマーク・イングラム以来だった。


 ジャクソンはこの日が19歳と352日で、最も若い受賞者となった。これまで1年生の受賞もあって「最も若い」という点で首をかしげる向きもおありだろうが、初年度は練習だけで選手登録をしない「レッドシャツ」を経験した1年生だったりして、いずれもジャクソンよりも年上だったという。


 ハイズマン賞は新聞記者など報道関係者の投票で決まる。得票数を見ると、ジャクソンは2144票を獲得。開幕前に最有力視されていたクレムソン大のQBデショーン・ワトソンに620票の差をつけた。
 ワトソンの1524票に次いで、3位はオクラホマ大のQBベーカー・メイフィールドで361票、同校のWRデード・ウェストブルックが209票で4位、ミシガン大のLB/DBのジャブリル・ペッパーズが208票で5位に続いた。


 ジャクソンはQBとして同校の勝ち星一つ一つに直結する卓越した数字を試合ごとに記録した。ここが最大の評価を受けて、この得点となった。
 ルイビル大はレギュラーシーズン9勝3敗の好成績を残し、ランキング13位を確保しているが、ジャクソンの力に負うところが大きい、というのが大方の見方だろう。


 今シーズンはパスで計3300ヤード、ランで計1500ヤードを記録したが、これはFBSでは史上初。ほかにACC記録、チーム記録を数え上げるときりがないほどである。
 ルイビル大は大晦日にフロリダ州オーランドで行われるシトラスボウルに招かれ、南東リーグ(SEC)の名門ルイジアナ州立大(LSU)と対戦する。


 なおジャクソンはハイズマン賞以外にも、シーズン最優秀選手賞のマクスウェル賞とウォルター・キャンプ賞の二つを併せて獲得している。
 QBへの賞はほかにベストQBをうたったダベイ・オブライエン賞があるが、これは先に述べたクレムソン大のワトソンが手にした。


 これまでに発表された表彰者をご紹介しよう。ベストRBのドク・ウオーカー賞はテキサス大のTBドンタ・フォアマンが獲得。ベストWRのフレッド・ビレトニコフ賞は先に挙げたオクラホマ大のウエストブルック。ベストTEへのジョン・マッケー賞にはミシガン大のジェイク・バットが選ばれた。


 インテリアラインマンへのアウトランド賞は全米のフットボール記者会が選定する歴史に富んだ個人賞で、今季はアラバマ大のカーム・ロビンソンが獲得した。
 ベストセンターへのリミントン賞はオハイオ州立大のパット・エルフィンに輝いた。ベストキッカーへのルー・グローザ賞はアリゾナ州立大のゼイン・ゴンザレス。ベストパンターへのレイ・ガイ賞はユタ大のミッチ・ウィッシュノウスキーに決まった。


 なお本稿では「賞」で統一しているが「アワード」と「トロフィー」の二つがあるのはご承知の通り。長くなるので「賞」を使っているのをお許し願いたい。


 守備に移る。ベスト守備選手のベドナリク賞と、最優秀守備選手へのナガースキ賞は二つともアラバマ大のジョナサン・アレンに輝いた。
 ベストDBへのジム・ソープ賞は南加大のアドリー・ジャクソンが獲得し、ベストLBのディック・バトカス賞はアラバマ大のルービン・フォスターに与えられた。


 最優秀監督へのホームデポー賞はコロラド大のマイク・マクリンタイア、アシスタントコーチへのブロイルス賞にはクレムソン大のブレント・ベナブルズがそれぞれ選ばれた。

【写真】全米最優秀選手に贈られる「ハイズマン賞」を獲得したルイビル大の2年生QBジャクソン(AP=共同)