11月になった。全米大学選手権の出場校を決める「選考委ランキング」の発表が始まった。いよいよ終盤である。


 一昨年にスタートした選りすぐりの4校による全米大学選手権は、今年は大晦日のピーチ、フィエスタ両ボウルで準決勝を行い、新年1月9日にフロリダ州タンパのレイモンド・ジェームズ・スタジアムでの決勝で全米の王者を決める。


 選手権出場校は選考委員会の投票で決まる。選考委は十数人の委員とそれを束ねる委員長で構成され、毎週、委員長以外の各委員の投票によるランキング(ベスト25)を発表。レギュラーシーズン終了後その上位4校が選手権へ出場する仕組みになっている。


 今季最初の選考ランキングは、1位が南東リーグ(SEC)のアラバマ大、2位大西洋岸リーグ(ACC)のクレムソン大、3位ビッグ10のミシガン大、4位にSECのテキサス農工大で始まった。
 以下、太平洋12大学のワシントン大、ビッグ10のオハイオ州立大、ACCのルイビル大、ビッグ10のウィスコンシン大、SECのオーバーン大、ビッグ10のネブラスカ大と続いた。


 記者投票、監督投票のランキングはこの選考委のランキングと比較すると、クレムソン大とミシガン大の順位が入れ替わっているのと、4位にワシントン大が入っているあたりが多少食い違っている。
 しかし、そのあたり2回3回と回数を重ねると、互いに歩み寄って似通ったものになってくるのは、昨年、一昨年のケースから見てそうは食い違うまい。


 そこで、この選考委のランキングが役割を終えるまで、つまり12月の第1週あたりまでは、チーム名に付けるランキングの順位は、記者投票、監督投票を外し、選考ランキングのみを使うので、ご了承願いたい。


 さて、全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)の第10週は各地で盛大に行われた。
 ランク校が絡んだ試合は22試合。だが、ランク校同士の「大一番」は2試合だった。一つは1位アラバマ大と13位ルイジアナ州立大(LSU)の決戦。もう一つは6位オハイオ州立大と10位ネブラスカ大である。ほかにランク外のチームがランク校を倒す番狂わせが2試合ほどあった。


 まずはランキングの順位に直結する番狂わせから述べる。いずれもSECのリーグ戦である。力が拮抗したこのリーグならではのこと、とでも言えるかもしれない。
 一つはミシシッピ州立大。今述べたばかりの選考委ランク4位のテキサス農工大を35―28で破った。ミシシッピ州立大は前半、鮮やかな速攻を連発して大量得点を奪い、28―14とリード。第4Qのテキサス農工大の猛反撃をかわして、1TD差で逃げ切った。


 もう一つは11位のフロリダ大に31―10と快勝したアーカンソー大。これも立ち上がりから好調に滑り出し、前半を21―7で折り返した。
 第4Qもフロリダ大を1FGに抑える堅固な守備を見せつけた。もともとはランキングに出たり入ったりのチームだけに、一つペースをつかむとこうしたランキング校に土を付けることなどは十分あり得ると考えるのが普通だろう。


 「大一番」ではアラバマ大がLSUと大接戦を演じた。第3Qを終えて互いに無得点、勝負を第4Qに持ち込んだ。
 ここでアラバマ大が底力を発揮した。第3Q終盤、自陣10ヤード線から始めたドライブを5分57秒かけて前進させ、第4Qの13分8秒、QBジャレン・ハーツがスタートからの12プレー目に残りの21ヤードを駆け抜けて均衡を破った。


 アラバマ大は終了間際にもアダム・グリフィスが25ヤードのFGを加えて10―0と完封勝ちした。LSUのエド・オージュロン新監督は就任後初黒星を喫した。


 アラバマ大の接戦に対して、対照的だったのがオハイオ州立大。ネブラスカ大にこれほどの大差で勝つとは、思いもしなかった。
 QBのJ・Tバーレットが乗りに乗ってパス38本中26本を通し290ヤードを獲得、4TDを挙げたのが光る。両校のトータルヤードはオハイオ州立大が590ヤードだったのに対し、ネブラスカ大は204ヤード。ダウン更新数はオハイオ州立大が34、ネブラスカ大がわずか9。この数字がこのゲームのすべてを物語っている。


 なお8日発表の選考委ランキングのベスト4はアラバマ大、クレムソン大、ミシガン大、ワシントン大の順。いずれも全勝校である。

【写真】強豪同士の対決として注目された一戦はアラバマ大が競り勝った(AP=共同)