第4週を迎えた全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は、9月24日の土曜日を中心に全米各地で熱戦を展開した。
 前週、アイオワ大を倒したノースダコタ州立大の快挙はこの週にも尾を引き、ひとしきり賑わった。たまたまノースダコタ州立大が試合のない日だったこともあって、格好の話題となったのである。こちらとしても、このような賑わいはやはり歓迎したい。


 実はチャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS=旧1部AA)のチームがFBSのランキング校を倒したのはノースダコタ州立大が初めてではなかった。
 この日各方面で取り上げられた話題は9年前の2007年9月1日、ミシガンスタジアムで行われたビッグ10の雄ミシガン大と、ノースカロライナ州のアパラチアン州立大の試合だった。
 日付の通りシーズン開幕戦である。しかもこの時のミシガン大は5位にランクされていた。間違いなく全米屈指の名門であり、強豪だった。差別するわけではないが、先日のアイオワ大以上の存在といえた。


 一方のアパラチアン州立大はサザン・カンファレンスに所属し、ノースダコタ州立大と同じように、FCSの王座に連続して君臨していた。
 しかし、だからといって試合前に両校の強弱が問われるようなことは一切なかった。当然である。ミシガン大の方が一枚も二枚も上だからである。
 ところが始まった試合はとんだ方向へ転がり始めた。前半を終えた時点で、アパラチアン州立大が28―17とリードしていたのである。


 後半はミシガン大がペースを取り戻し、終盤32―31とリードを奪い返す。アパラチアン州立大も最後の粘りを見せ、逆転の貴重なFGを決めて34―32とした。
 残り26秒だった。この後ミシガン大が試みた最後のFGをブロックしてアパラチアン州立大は大金星を手にした。


 ざっとこんなゲームだったという。このあとアパラチアン州立大にはFBSへの昇格の話が持ち上がり、一連の手続きを経て2014年に1部A入りを果たした。
 所属はサンベルト連盟(SBC)。この日もさっそくノースダコタ州立大の昇格の話題が出ていたが、だからといって「はいそれでは」と来シーズンから1部Aになれるわけではない。実現するにしても何年も先の話となる。


 まずは4年から5年先まで1部AA校として組まれている日程を消化せねばならないし、本拠地「ファーゴドーム」の入場人員をFBSのチームにふさわしい数まで増やさねばならない。
 手持ちのNCAAのレコードブックは8年ほど昔の代物なので、観客席の収容人員はあるいは食い違っているかもしれないが、それに従えばあと5000人から7000人ほど増設する「義務」が生じてくる。しかもドーム型。屋根がついているので、スタンド増設はそれほど簡単な話ではあるまい。


 第4週の本題に戻る。この週はランキング校が20校登場し、16試合が行われた。ランク校同士の「大一番」は4試合だったが、どれも一方的に勝負がついた。
 ビッグ10のカードは11位10位ウィスコンシン大が30―6で8位ミシガン州立大に快勝した。南東リーグ(SEC)は10位13位テキサス農工大が、17位18位のアーカンソー大を45―24で退けた。


 23位21位のミシシッピ大も45―14で12位11位のジョージア大に完勝。ただ14位12位のテネシー大が、前半19位16位のフロリダ大に3―21と先行されたのを、後半の5TDを奪う猛攻で38―28と逆転したのが注目された。


 ランキング1位、SECのアラバマ大は好調で、この日もケント大に48―0と完封勝ちした。また勢いに乗る大西洋岸連盟の3位4位ルイビル大はマーシャル大を59―28、アメリカン体育連盟の6位7位ヒューストン大はテキサス工科大に64―3と大勝した。


 波乱はSECで起きた。18位19位のルイジアナ州立大(LSU)が、ランク外のオーバーン大に13―18で敗れたのである。
 試合はFGに次ぐFGと珍しい展開を見せた。第1Qにオーバーン大がダニエル・カールソンの51ヤードのFGで先行。LSUはQBダニー・エトリングのTDパスでリードを奪い返したが、第2Qにはオーバーン大に2FGを許して7―9と逆転された。


 後半もゲームの流れは変わらず、オーバーン大のFGの後、LSUが2FGを返して13―12。第4Qにはオーバーン大がFGを二つ、5本目と6本目のを決めて18―13とした。
 LSUは残り3分足らずの最後のドライブを粘り強く継続。オーバーン大ゴール前へ攻め込んだ15プレー目、15ヤード地点からWRのD・Jクラークへ鮮やかなTDパスを通した。
 しかしプレーの再確認で、審判団はこのプレーのスナップは試合時間が過ぎた後と判定した。LSUにとっては手痛い黒星となり、レス・ミルズ監督は翌日解任された。

【写真】オーバーン大に敗れ解任されたLSUのレス・ミルズ監督(AP=共同)