2016年の全米大学体育協会(NCAA)フットボール部門のボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)はレギュラーシーズンの第2週を迎え、米国各地で熱戦を繰り広げた。
 この週はランキングに名を連ねるチーム24校が登場したものの、第1週のようなランク校同士の「大一番」には恵まれず、多くは順当な結果に終わった。ランク校が敗れる「番狂わせ」は、24試合中2試合だった。


 波乱の一つはビッグ12の優勝争いの一角として注目されていた15位12位のテキサスクリスチャン大(TCU)が、南東リーグ(SEC)の古豪アーカンソー大を地元フォートワースに迎え撃った一戦である。
 私の頭の中に蓄積されているここ数十年の記憶などからは、アーカンソー大の方が上なんじゃないの、とふと思ったりしたものである。TCUには気の毒だったが、結果はその古い記憶通りになってしまった。


 TCUは立ち上がり攻撃がかみ合わず、前半は0―13。7―20の第4Qにようやく目覚め、TBのカイル・ヒックスとQBケニー・ヒルの連続3TDで28―20と逆転した。
 しかしアーカンソー大は残り1分9秒、QBオースチン・アレンがWRケイオン・ハッチャーへTDパス。TFPの2点も決まって延長戦へ持ち込んだ。


 第1延長はアーカンソー大がQBアレンからTEジェレミー・スプリンクルへのパスで先手を取れば、TCUもヒルからWRタジュ・ウィリアムズにパスを決めて第2延長。だが、先攻のTCUがライアン・グラフのFGに終わったのに対し、アーカンソー大は大活躍のアレンがゴール前5ヤードから自ら走り切って決勝点を挙げた。


 波乱も予測できたこのカードに対し、もう一つの試合はまさしく「番狂わせ」だった。
 中央ミシガン大は中部アメリカン連盟(MAC)所属。一方のオクラホマ州立大はTCUと同じビッグ12の有力校。しかも舞台は地元オクラホマ州のスティルウォーターで負ける要素は少なかった。
 ところが中央ミシガン大はQBクーパー・ラッシュのパスで食い下がった。ラッシュは42本投げて成功30、361ヤード4TDを稼ぎ出す大活躍。第1Qこそ2TDを先取されたが、第2Qに17―17と追いついてからは互角の展開となった。


 しかしオクラホマ州立大は第4Q残り6分25秒、WRジェームズ・ワシントンのTDで27―24と勝ち越した。
 中央ミシガン大も3点を追って最後の反撃に転じたが、ここでパスをインターセプトされ、すべては終わったかに見えた。オクラホマ州立大は自陣45ヤード地点から2プレーで相手の38ヤード地点へ進出。ひたすら時間の消費を図った。そして中央ミシガン大陣41ヤード地点で第4ダウンにこぎつけた。ところがここでQBルドルフが、インテンショナルグラウンディングの反則をとられた。


 残りは0秒だったが、中央ミシガン大に攻撃権が与えられ、自陣49ヤード線から最後の攻撃となった。ラッシュはWRジェシー・クロールの方角へボールを投げ、これを受けたクロールはタックルされながらWRコーリー・ウィリスへラトラル。ウィリスは最後の9ヤードを越え、中央ミシガン大が30―27で勝った。


 ランク外だが、三つの士官学校がそろって好調で、陸軍士官学校がライス大に31―14と快勝したのをはじめ、海軍士官学校はコネティカット大に28―24と競り勝ち、空軍士官学校はジョージア州立大に48―14と大勝した。
 いずれも負けなしの2連勝で話題だろう。話題といえば、開幕前に予想誌からアラバマ大をしのぐほど評価されていたクレムソン大がトロイ大と競り合い、同じ大西洋岸リーグ(ACC)のフロリダ州立大にランク2位の座を奪われた。記者投票のAPランキングでは2位から5位へ意外なほど後退した。


 格下の相手に手こずった感のあるランク校は、このほかSECのジョージア大。ルイジアナ州のニコルズ州立大に26―24と食い下がられた。
 第3週の新しいランキングではこうした苦戦組が、容赦なく順位を下げられている。一方TCUに競り勝ったアーカンソー大は、AP、監督投票のESPNの両ランクとも24位に登場した。


 APではフロリダ大、ESPNはフロリダのマイアミ大がランクインした。姿を消したのは両ランクともTCUとオクラホマ州立大の2校だった。

【写真】延長戦で決勝のTDを挙げたアーカンソー大のQBアレン(8)(AP=共同)