1895年の創立というのだから、大学フットボールのリーグ組織では最も古い。20世紀初頭に発足したリーグはたくさんあるが、19世紀の終わりごろにできたのは、この「ビッグ10」ただ一つである。反論がありそうだ。「ではアイビーは?」と。


 これについて説明を始めたら、米大学のフットボール史を一からやらなくてはならない。アメリカのスポーツがこのアイビーリーグ諸校から始まっているのは、改めて言うまでもない。
 だが、全米大学体育協会(NCAA)に属する組織としてこの問題を取り上げると、話はまた変わってくる。
 つまりビッグ10だの、ビッグ12だの、といった組織の一つとして取り上げると、この名門8校は「アイビーグループ」という名で、発足は1956年。NCAAのフットボール部門、チャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS=旧1部AA)の一組織、という分かりやすい取り扱いを受けているのが分かる。


 そこで、話を元へ戻す。この歴史あるビッグ10は当初、7校で始まり、現在は東西2地区各7校、計14校のリーグ戦としてNCAAでは特に重きを置かれている。
 スタートはシカゴ大を中心にイリノイ大、ノースウエスタン大のイリノイ州の3チームと、インディアナ州のパ~デュー大、州名そのままのミシガン大、ミネソタ大、ウィスコンシン大ということになる。


 その後1899年にインディアナ大、アイオワ大が、1912年にはオハイオ州立大、1950年にはミシガン州立大がそれぞれ加わった。
 ただ1940年にシカゴ大が組織を去った。その後、1993年にペンシルベニア州立大が参加。近年ネブラスカ大、メリーランド大、ラトガーズ大が名乗りを上げて現在の14校となった。


 2地区制でシーズンの最後には、東西それぞれの1位校がリーグ王座をかけて戦う。今季は東がオハイオ州立大が断然優位。次いでミシガン大、昨年リーグを制したミシガン州立大が続く。
 西は昨季の地区1位アイオワ大が大きくリード。ネブラスカ大、ウィスコンシン大が続いている。順当ならオハイオ州立大とアイオワ大の決戦だが、予想した通りにはなかなか運ばないのが常だ。


 さてオハイオ州立大は全体のバランスがいいのと、加えて要所にスターを擁している。
 第一はQB。リーグを代表するJ・Tバーレットが健在で、走れるQBとしての威力を存分に発揮しそうだ。
 RBはレッドシャツの1年生マイク・ウィーバーがいい。守りは定評があり、DEサム・ハバードとタイカン・ルイスの第1列は強力だ。


 ミシガン大も力強さではオハイオ州立大と甲乙つけがたく、とりわけ攻守のラインはサイズ、スピードともに申し分ない。見ものはRBデボン・スミスの脚力だ。


 ミシガン州立大もRBのL・Jスコットが魅力的だ。このほかペンシルベニア州立大ではRBサクオン・バークリー、WRクリス・ゴッドウインが注目だ。
 インディアナ大もRBデバイン・レディングらの出来次第で、上位を望めそうだ。メリーランド大、ラトガーズ大は下位にとどまりそう。


 西はアイオワ大。QBのC・Jベザードに期待が集まる。バーレットと対照的に強肩が売り物。昨季は2800ヤードだったが、地区優勝へ安定感抜群のプレーコールに評価が高かった。
 守りもDBデズモンド・キングを軸に堅いパスディフェンスを見せる。ただRBが手薄で、バーレットの負担がかさみそうだ。


 ネブラスカ大はQBトミー・アームストロングのバランスのいい攻撃が売り物。ただ、ラインが攻守ともに力強さを欠く。開幕までにどこまで上積みできるか。


 ウィスコンシン大のタレントはRBコーリー・クレメント。ノースウエスタン大もRBジャスティン・ジャクソンといった逸材を持つ。
 ミネソタ大が続き、イリノイ大はQBにウェス・ラントというスターがいるものの、果たしてその力を引き出せるかどうかだ。

【写真】今シーズンも評価が高いアイオワ大(AP=共同)