アメリカの西海岸にたどり着き、あのロッキー山脈を越えると目の前には大平原が広がる。ご存知、西部劇の舞台である。
 現代では「ビッグ12」の舞台といってもいいかもしれない。南から北へテキサス、オクラホマ、カンザスの各州が連なる。ビッグ12はこの三つの州に8校、ここから少し離れて、アイオワ州と西バージニア州とにそれぞれ1校ずつを持ち、「12」と名乗りながら「10校」のリーグを展開している。


 テキサスには4校。テキサス大を筆頭にベイラー大、テキサスクリスチャン大(TCU)テキサス工科大が属する。
 オクラホマ州には2校。オクラホマ大とオクラホマ州立大が並び、カンザス州にもカンザス大とカンザス州立大の2校。あとはアイオワ州立大と西バージニア大である。


 1996年にテキサス中心の南西リーグ(SWC)と大平原のビッグ8が合併し、その名の通りビッグ12だったころは、コロラド大、ネブラスカ大、ミズーリ大、テキサス農工大らが名を連ねていたが、やがてそれらが一つ去り、二つ去りして、今の形となった。
 もっともこれで固定したわけではなく、アメリカン体育連盟(AAC)やUSA連盟(C―USA)あたりの有力校を軸とした、リーグ再編の話も毎年のように持ち上がっている。


 さてこのリーグは中心といえば、言うまでもなくオクラホマ大とテキサス大である。ここのところオクラホマ大に比重がかかっていたが、昨年の番狂わせを見てもお分かりの通り、両校の直接対決ともなれば、やはり何が起こるかわからないのである。


 優勝争いはイヤーブックの3誌によれば、圧倒的にオクラホマ勢が買われている。「フィルスティールズ誌」と「アスロン誌」はオクラホマを推し、「スポーティングニューズ」はオクラホマ州立大を選んだ。
 2位はアスロンがTCU、スポーティングニューズはテキサス大で、アスロン誌はベイラー大を推した。以上がAクラスで、Bクラスはカンザス州立大、西バージニア大とテキサス工科大、アイオワ州立大が続いて、カンザス大は苦しいシーズンになりそうだ。


 オクラホマ大の強みは各ポジション、各ユニットのレベルが高く、ここといった穴がないことに尽きよう。特筆すべきはQBベーカー・メイフィールド。全米でも3本の指に入る力量の持ち主だ。
 昨季、3700ヤードを投げ、リーグトップタイの36TDを挙げた実績は大きく買われている。いちいち書かないが、レシーブ陣も豊かな人材を誇る。RB陣も充実し、特に全米級のサマジー・ペリーンが光る。


 守備ではジョーダン・トーマス、スティーブン・パーカー、アーマド・トーマスらで固めたDB陣は超一流の呼び声が高い。
 9月17日のオハイオ州立大、10月8日のテキサス大、12月3日のオクラホマ州立大といったカードはいずれも見逃すわけにはいくまい。


 テキサス大は対照的に守備力に秀でている。LBマリク・ジェファーソン、CBホルトン・ヒルらが率いるディフェンスはリーグ随一の力を持つ。
 またタレントは多士済々。ベイラー大のQBセス・ラッセル、RBストック・リンウッド、オクラホマ州立大のQBメーソン・ルドルフ、TCUのRBカイル・ヒックスらが話題に上るだろう。


 このほかテキサス工科大のQBパトリック・マホームズのパスも見ものだ。昨季はオクラホマ大のメイフィールドを上回る4653ヤードと、リーグトップの数字を残した。ちなみにマホームズの父親は、1990年代後半に日本のプロ野球、横浜(現DeNA)ベイスターズで投手としてプレーした。
 WR陣もイアン・サドラーら粒ぞろいだ。またアイオワ州立大では1300ヤード余りを記録したRBマイク・ウォーレンらの活躍が今季も期待できる。


 西バージニア大はCタイラー・オリオスキーが率いるラインが強い。カンザス州立大は守備ラインとLB陣が売り物。攻撃陣に一つ駒が欲しいところだ。
 カンザス大は今季も十分な補強が出来ず、2年連続の最下位か。

【写真】注目のオクラホマ大QBメイフィールド(AP=共同)