前週に続いて全勝から入る。全米大学体育協会(NCAA)のフットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は11月19、20、21の各日、米国の各地で第12週の試合を実施した。
 1週前は6校の全勝チームのうち1校が脱落しただけだったが、今回はその残りの5校のうち、3校に初の黒星がついた。


 スケジュールの難易度はあるが、その歩留まりは週によってさまざまである。左様、全勝はわずか2校のみ、となった。
 校名を挙げる。クレムソン大とアイオワ大である。まずは選手権大会選考委のランキング1位のクレムソン大から始めよう。大西洋岸リーグ(ACC)アトランティック地区の同校は、ウェークフォレスト大を地元南カロライナ州のクレムソンに迎え、ランク1位の貫禄を見せて33―13と快勝した。
 これで11戦全勝。あとはリーグこそ違え、同じ州のライバル南カロライナ大との試合で、今秋の12試合を締めくくる。


 クレムソン大はこのあと、12月5日にリーグ優勝決定戦に臨み、コースタル地区を制した17位の北カロライナ大と顔を合わせる。油断は禁物だが、2校とも難しい相手ではない。第2回全米選手権の出場権を手にするまであと2勝、あるいはまだ2勝が必要である。
 北カロライナ大はこの日、バージニア工科大に食い下がられて、延長戦に持ち込まれた。しかしその第1延長、FGを先取されたものの、パスでTDを返し30―27で勝利つかんだ。


 ビッグ10西地区、ランク5位のアイオワ大も楽勝。パーデュー大を40―20で下し、リーグ内の成績7勝0敗で、西地区1位、総合で11戦全勝とした。同校は11月27日にネブラスカ大と戦った後、12月5日にビッグ10東地区の首位チームとリーグの王座を争う。


 この週敗れた3チームの名を挙げる。開始時間の順番で並べてみる。クレムソン大が難なく白星を挙げたころ、まずアメリカン体育連盟(AAC)で19位のヒューストン大が、コネチカット大に17―20と競り負けた。
 同じころ、ランク3位のビッグ10東地区のオハイオ州立大が、9位のミシガン州立大に14―17で苦い初黒星を喫した。


 この2試合の直後、ビッグ12で唯一全勝を続けていたランク6位のオクラホマ州立大が、10位のベイラー大と激しく点を取り合った末、35―45で競り負けた。


 ランクの数字は、選手権大会選考委員会選定の第12週のランキングに基づいているが、少しその上位校をおさらいしておく。
 2位の南東リーグ(SEC)東地区のアラバマ大は、フットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS=旧1部AA)のチャールストン南部大を迎えて、当然ながら56―6の大勝。4位の独立校の雄ノートルダム大は大リーグ、ボストン・レドソックスの本拠地フェンウェイ球場でボストンカレッジと対戦。第4Qにボストンカレッジの猛反撃に遭ったが、19―16で逃げ切った。


 ランク7位のオクラホマ大はビッグ12のタイトルをかけた戦いの一つ、18位のテキサスクリスチャン大(TCU)との決戦に臨み、第4QのTCUの猛攻を辛うじてしのぎ、30―29の僅差で1敗をキープした。
 この試合、TCUは先取点したものの、第1Q終盤から第2Qにかけて2TDと3FGを連続して奪われ、一気に7―23と逆転された。第3Qも取ったら取られる展開で13―30。勝負はここまでと思われたが、ここからが得点力のあるチームが本領を発揮した。


 まず残り8分56秒、故障の大黒柱ボイキンに代わるQBブライアン・コールハウゼンが、86ヤードものパスプレーを決めてから、にわかに活気づき、6分27秒にはジャデン・オバークローンの43ヤードのFGで7点差。さらに51秒、コールハウゼンがWRエマニュエル・ポーターへ14ヤードのTDパスを通してその差2点と詰め寄った。当然2点のTFPを狙ったが、そのパスには失敗し涙をのんだ。


 ビッグ12の上位4強の順位争いは、これでオクラホマ大とオクラホマ州立大がともにリーグ戦7勝1敗、トータルも10勝1敗と全くの互角となった。
 両校は11月28日、州立大のホーム、スティルウオーターでリーグ優勝をかけた大一番に臨む。また6勝1敗、総合9勝1敗のベイラー大は次週、6勝2敗、9勝2敗となったTCUと対戦する。TCUから優勝の希望は消えたが、ベイラー大には成り行き次第では望みが残る。


 SEC東地区を制した8位のフロリダ大は、気の緩みかUSA連盟のフロリダ・アトランティック大に延長に持ち込まれ、20―14で辛勝した。
 西地区でアラバマ大に次ぐ成績で22位のミシシッピ大は、15位のルイジアナ州立大(LSU)に38―17と快勝した。LSUはこれで3連敗。西地区は次週、幾つか伝統の一戦を迎えるが、よほどのことがない限りアラバマ大のものだろう。


 AACではランク16位の海軍士官学校が好調。この日もタルサ大を44―21と寄せ付けず9勝1敗。27日にヒューストン大と西地区の首位を競う。
 勝てば優勝決定戦だが、次の週末12月5日は、陸軍士官学校との大一番の日。同校がこのビッグゲームの連戦をどうさばいていくか。


 さて、このほかの順位争いを少し整理しておこう。ACCは最初に触れた。そう多くの材料はないが、毎年注目されてきたフロリダ州立大は現在トータルで9勝2敗。やはりクレムソン大に続く存在である。このほかビッグ12は先ほど述べた通り、上位4校がすべてだろう。


 ビッグ10はミシガン州立大がオハイオ州立大に黒星をつけにわかにあわただしくなってきた。それに結果は3点差だが、内容は意外にもミシガン州立大優勢のゲームだった。
 しかし経過からその内容は見えてこない。第1Qは互いに無得点。第2Qは残り12分45秒、オハイオ州立大がRBエゼキエル・エリオットの1ヤードのランで先行した。ミシガン州立大は7分57秒、QBタイラー・オコナーがRBトレボン・ペンドルトンへ12ヤードのTDパスを決めて追いついた。


 後半も第3Qの3分33秒にオハイオ州立大がQBのJTバーレットがジェイリン・マーシャルへ6ヤードのパスを通してリードを奪うと、ミシガン州立大は第4Q12分3秒、RBのジェラルド・ホームズが2ヤードを突進して14―14と並びかけた。


 オハイオ州立大はこの後、ダウンを一つ更新したが、結局はパント。次いでミシガン州立大も3プレー後パント、オハイオ州立大も同じことを繰り返した。
 しかし残り4分7秒、ミシガン州立大の攻撃はオハイオ州立大の48ヤードという恵まれた地点からの攻撃だった。3プレーで37ヤード線、再び3プレーで25ヤード線と、たっぷりと時間を使いながら、小刻みに球を運び、25ヤード線まで進出したミシガン州立大は、2プレーで23ヤード地点へ達した後、マイケル・ガイガーが41ヤードの決勝FGを決めた。


 実はミシガン州立大はスタッツでオハイオ州立大を圧倒していた。ダウン更新はミシガン州立大の17に対して、オハイオ州立大はわずか5度。ランはミシガン州立大が51回で203ヤードに対し、29回で86ヤード。パスもミシガン州立大の91ヤードに対し、オハイオ州立大は48ヤードだった。
 何よりも攻撃時間がミシガン州立大の38分10秒に比べ、オハイオ州立大は21分50秒と半分に近い数字が残っている。これはどうやらミシガン州立大の堅守に注目するのが正解のようだ。


 このほかランク12位のミシガン大がペンシルベニア州立大を20―16と退けて東地区の優勝争いに絡みそうな勢い。西地区は20位ノースウエスタン大が25位ウィスコンシン大を13―7で破っている。


 太平洋12大学は23位の北地区オレゴン大が、24位の南の南加大を48―28で下した。また南地区のカリフォルニア大ロサンゼルス(UCLA)が、19―9で13位のユタ大を破る番狂わせを演じた。
 南加大、UCLA、ユタ大はいずれもリーグ戦の成績が5勝3敗である。北地区はランク11位のスタンフォード大が35―22でカリフォルニア大を退け、他を一歩リードしている。


 原稿を出そうとしたところへ、第13週の選考委のランキングが入電した。ざっと10位までをご紹介する。1位クレムソン大、2位アラバマ大で先週の通り。3位にオクラホマ大が急上昇し、4位は一つ順位を上げてアイオワ大。5位にはミシガン州立大がジャンプアップした。
 ノートルダム大が順位を下げて4位から6位へ。7位にベイラー大が上がり、オハイオ州立大は3位から8位へ後退した。9位のスタンフォード大、10位のミシガン大はわずかな上昇だった。

【写真】オハイオ州立大との試合で決勝の41ヤードFGを決めたミシガン州立大のKガイガー(AP=共同)