ランキングに名を連ねる26校が勢ぞろいする。壮観である。全米大学体育協会(NCAA)フットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)の第2週は9月11、12の両日、全米の各地で開かれた。


 この日は全米のフットボール担当記者61人が投票するAP通信のランキングと、全米の有力校の監督ら64人が投票するスポーツ専門放送局ESPNのランキングとに名を連ねるチーム全部が登場した。
 開幕の週にも全チームが出るはずだったが、雷のため1試合が中止された。この日は1校も欠けることなく熱戦を展開した。


 ランキング校が登場する試合は合計23。うちランキング校同士の激突が3試合。またランキング外のチームがランキング校を倒す波乱も2試合あった。
 このほかNCAAフットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン(FCS=旧1部AA)校が、これらランキング校への挑戦も3試合行われた。


 ランク校同士の対決というのはいやでも注目される。この週は時間の経過でいうと、まず東部時間の午後6時からテネシー州ノックスビルでのナイランドスタジアムに10万2455人の大観衆を集めたAP、ESPN両ランクとも23位のテネシー大と、AP19位ESPN17位のオクラホマ大の熱戦。
 次いで午後8時にミシガン州イーストランシングのスパルタン・スタジアムで7万6526人が熱狂した、5位6位のミシガン州立大と7位5位のオレゴン大の高順位校同士の激突。
 午後9時15分からはミシシッピ州スタークビルのデービスウェード・スタジアムに6万2531人が詰めかけたAP25位のミシシッピ州立大と14位15位のルイジアナ州立大(LSU)の南東リーグ(SEC)のリーグ戦が華々しく幕を開けた。


 さてまずはこの3試合だが、いずれも1TD差、7点以内の競り合いで勝負がついた。感服した。中でもビッグ12の雄オクラホマ大が、SEC東地区の名門テネシー大を31―24で倒したカードは、延長2回の手に汗握る激闘だった。
 10万の地元大観衆の声援を背にしたテネシー大は、まずQBジョシュア・ドブズが本領を発揮した。アーロン・メドレーの19ヤードのFGで先行し、第1Q終盤にはドブズがWRジョシュ・マローンへ9ヤードのTDパスを決め、第2Q2分46秒にはドブズ自らが4ヤードを突進して17―0と優位に立った。


 しかし、ここからオクラホマ大が巻き返した。もっとも時間はかかった。そんなに簡単な相手ではない。第2Qの10分過ぎにFGを返したあとは、点数には現れなかったものの、テネシー大との息詰まる主導権争いが繰り広げられた。そしてオクラホマ大にとって待ちに待ったTDが記録された。
 第4Qの6分40秒、2年生のQBベーカー・メイフィールドとRBサマジー・ぺリンの同級生コンビが2ヤードのパスに成功して最初のTDを挙げたのである。終了40秒前には、メイフィールドがWRスターリング・シェパードへ5ヤードのパスを決めて貴重な同点TD。


 延長戦の仕組みはご存知の通り。向こうも日本も全く同じである。先攻はテネシー大。ドブズのパスで前進し、5プレー目にRBジャレン・ハードが見事な突進で8ヤードのTDを挙げた。
 TDを狙うしかないオクラホマ大は、いきなりメイフィールドが19ヤードのパスを決めたが、ここからがスリリング。ぺリンがランで1ヤードを稼いだものの、第2ダウンのパスは通らず、メイフィールド自らの突進は4ys-どどまり。第4ダウン再び自らのランで辛うじて最後の1ヤードを乗り越えて追いついた。


 第2延長はオクラホマ大が、ぺリンの突進などで18ヤード地点へ進出し、メイフィールドがシェパードへ18ヤードのパスを通して3プレーで貴重なTD。守ってはテネシー大第3ダウンのドブズのパスを、CBザック・サンチェスが15ヤード地点でインターセプトし、勝負にけりをつけた。


 ビッグ10東で地区の1位をオハイオ州立大と争うと見られているミシガン州立大としては、ここでオレゴン大に負けては昨季の二の舞である。太平洋12大学(Pac12)北地区の1位候補オレゴン大としても同じことで、この相手を倒すことで波に乗りに乗った昨季の記憶は鮮明だろう。


 取りつ、取られつの激戦となった。しかし各予想誌から全米級またはオールビッグ10の筆頭QBに挙げられている、ミシガン州立大のコナー・クックのリードぶりが、わずかにものを言った。
 オレゴン大が先行した。Pac12を代表するRBロイス・フリーマンが2ヤードのTD。ミシガン州立大はすぐさまクックがTEジョサイア・プライスへ12ヤードのTDパス。第2Qには、WRアーロン・バーブリッジへ17ヤードのパスを決めて勝ち越した。


 後半はオレゴン大がブラロン・アディソンの81ヤードのパントリターンで追いついたものの、その5分後、RBのL・Jスコットの6ヤードの突進にTDを奪われた。
 ミシガン州立大は13分52秒にはFGを加えて24―14としたが、最後にはこのFGがものをいった。第4Qはまずオレゴン大がQBアダムズの2ヤードの突進でTDを返したが、ミシガン州立大も4分9秒にスコットが38ヤードを快走して優位を守った。オレゴン大はこの後、アダムズがWRバイロン・マーシャルへ15ヤードのTDパスを通したが、結局は28―31。3点差に涙を呑んだ。


 早くもSEC西のリーグ戦が始まった。第2週で始めても一向に差し支えないわけで、この辺が、米国らしいところでもある。
 試合はRBレナード・フォーネットの1ヤードと、26ヤードの連続TDでLSUが先行した。地元ミシシッピ州立大は追い上げに転じたものの、前半終了間際と第3Qの4分56秒にそれぞれFGを返しただけ。一方LSUは第3Q半ばにフォーネットがこの日3本目のTDを挙げて21ー6と差を広げた。


 ミシシッピ州立大は第4Qの15秒、QBダク・プレスコットが1ヤードを突進。残り4分にはプレスコットがWRデラーニャ・ウィルソンへ5ヤードのパスを決めてその差2点。TFPは無論2点を狙ったが、パスは不成功に終わった。LSUは21―19で白星スタートを飾った。


 ランキング外のチームがランキング校を破る殊勲は2試合あった。一つは中部アメリカン連盟(MAC)西地区のトリド大が、両ランクとも18位のSEC西のアーカンソー大から16―12で勝利を収めた。
 トリド大は第3Qまで2本のTDと1FGを挙げる一方、アーカンソー大を1TD1FGに抑えて16―10とリードした。アーカンソー大は第4Q半ば、5分余りを費やして、自陣28ヤード地点から相手の7ヤード地点まで進出したが、TDを狙ったパスは通らなかった。


 反面トリド大も6点の優位を守りながら、残り1分55秒をどう消費するかの大問題に直面していた。ボールの位置は自陣7ヤード。決して安全な場所ではない。
 ランを繰り出したトリド大に対し、アーカンソー大は時間を止めて対抗した。3プレーで6ヤードを進んだトリド大はここであえてタイムアウトを取った。


 作戦のためだ。その注目の第4ダウンで選択したプレーは「セーフティー」だった。自陣14ヤード地点から一目散に自らのエンドゾーンへ後退し、アーカンソー大に2点を許したのである。試合再開のキックは70ヤード飛び、アーカンソー大はこれを22ヤードリターンした。
 残り時間は52秒。アーカンソー大はQBブランドン・アレンがまず18ヤードのパスを決める。ボールは50ヤードラインまで進んだが、続く2本のパスは不成功。時間に追われながら、続いて18ヤードと16ヤードの2本のパスが決まったが、トリド大の16ヤードラインで試合終了となった。


 もう一つの波乱は、独立校のブリガムヤング大(BYU)が、20位22位の山岳西部連盟(MWC)のボイジー州立大を35―21で下した試合。ゲームはボイジー州立大が順当に24―14とリードして第4Qを迎えていた。
 QBターナー・マンガムの1ヤードの突進で1TDを返したBYUは、終了45秒前の土壇場で、マンガムがWRミシェル・ジャーゲンスへ35ヤードの逆転TDパスを決め、その直後の相手の第1プレーのパスをDBカイ・ナキュアが50ヤード地点でインターセプト、そのままリターンTDをものにした。


 ランキング上位は順当勝ち。1位のビッグ10東のオハイオ州立大は、地元コロンバスで10万7145人の大観衆の前で、MWCのハワイ大を38―0と完封。2位のSEC西のアラバマ大は37―10とUSA連盟の中テネシー大を退けた。


 ほどほどに戦った上位チームにあって、3位のビッグ12のテキサスクリスチャン大(TCU)は、前週のミネソタ大との苦戦のせいで2位から3位へ下げられたうっぷんを晴らすかのように、FCSのスティーブン・F・オースティン大に70―7と大勝した。4位のビッグ12のベイラー大も、FCSのラマー大を66―31と一蹴した。
 FCSではジャクソンビル州立大が同じアラバマ州でアラバマ大と勢力を二分する6位7位のSEC西のオーバーン大に食い下がり、20―27で敗れたものの、延長戦に持ち込んだのが光った。


 ランキング上位はほとんど変化がなかったが、ミシガン州立大が両ランクの4位へ進んだのが目立った。無論オレゴン大は12位13位へ後退し、オーバーン大も大きく順位を下げた。
 一方ビッグ10に目立った動きがあった。下位だがウィスコンシン大がAPのランキングにも顔を出し、開幕2連勝のノースウエスタン大もAPで23位、ESPNで24位に姿を現した。ノースウエスタン大のランキング登場は一昨年の10月以来である。

【写真】テネシー大との激戦を制し喜びに沸くオクラホマ大の選手、スタッフ(AP=共同)