ボウルゲームが始まった。といっても、12月20日(土)を皮切りに、1月の12日(月)まで3週間余り。23日間合計39試合に上る「お祭り」である。
 尻上がりの日程が組まれ最後を飾るのは、今年から始まる全米大学アメリカンフットボール選手権の決勝。盛り上がることは間違いあるまい。


 全米大学体育協会(NCAA)のフットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)は20日、各地で開かれた5ボウルゲームで、今季の最終日程を迎えた。


 火ぶたを切ったのはルイジアナ州ニューオーリンズのスーパードームに3万4014人を集めて行われた第14回ニューオーリンズボウル。サンベルト・リーグ(SBC)のルイジアナ大が、山岳西部連盟(MWC)のネバダ大を迎え、16―3でボウルゲーム4連勝を飾り、今季の成績を9勝4敗とした。
 同校は他のボウルゲームに出場経験はなく、いずれもここでの勝ち星である。ネバダ大はこれで今季は7勝6敗にとどまった。ボウルゲームは2連敗。通算で4勝10敗となった。


 新設のニューメキシコボウルはニューメキシコ州アルバカーキのメキシコ大学スタジアムで開かれ、2万9729人の観衆が見守る中、MWC山岳地区2位のユタ州立大が21―6で、USA連盟(CUSA)のテキサス大エルパソ(UTEP)に快勝した。
 ユタ州立大は10勝4敗、ボウルゲームは3連勝で通算4勝5敗となった。今季のUTEPは7勝6敗。ボウルゲームは6連敗で5勝9敗。


 第23回ラスベガスボウルはネバダ州ラスベガスのサムボイド・スタジアムに、3万3067人の観衆を集めて開かれた。太平洋12大学(Pac12)に参加して4年目を迎え、ランク22位を占めたユタ大は、MWCで好成績を挙げたコロラド州立大と対戦。第1Qから3TDを挙げる猛攻を見せて45―10と大勝。9勝4敗の好成績を残した。
 ボウルゲームは3年前の2011年からの勝利で通算14勝4敗の数字が残った。コロラド州立大は今季10勝3敗、ボウルゲームは通算6勝8敗となった。


 1997年のヒューマニタリアンボウルから、コンピューターボウルを経て、数えると第18回。フェイマス・アイダホ・ポテトボウルは、アイダホ州ボイジーのブロンコ・スタジアムで1万8223人の観衆を集めて行われた。
 これまでご紹介した三つのボウルゲームが、都市名を前面に出した、いささか味気ない名前のボウルゲームだったのに比べると、これはもう地元の名産品、ジャガイモを全面に出した名が付く。つまりボウルゲームネーミングの本道を行く、極めて好ましい名のゲームである。


 競技場は近年、急速に力をつけたボイジー州立大が使っている物で、ほぼ3万6000人を収容する入れ物だが、この日は定員の半数ほどにとどまった。
 試合はMWCの空軍士官学校が第2Qの2TDで逆転するとともに、主導権を握ってその後順調に得点を伸ばし、38―24と中部アメリカン連盟(MAC)の西ミシガン大を退けた。
 空軍は10勝3敗と今季の成績を10勝ラインに乗せ、ボウルゲームの成績も11勝12敗1分けと5割にあと一息のところまで戻した。


 一方の西ミシガン大は1961年のアビエーションボウルで、ニューメキシコ大に敗れて以来勝ち星に恵まれず、この日で白星なしの6連敗。今季の成績は8勝5敗となった。
 カレッジフットボールに親しんでいると、結構地理に詳しくなる、などと以前に書いたような気もする。
 地理ほどでもないにしても、観光案内の手助けぐらいは十分である。例えば20日の5試合目、カメリアボウルなどはその典型だろう。カメリアはご存じ椿である。ではなぜ椿ボウルなのか。改まっていうほどのことはない。
 米国の知識あれこれが書いてある書物を開けば、すぐ答えがみつかる。椿はアラバマ州の州花だと。州の花にちなんだネーミングなのである。


 同州モントゴメリーのクラムトンボウル(これは競技場の名前)に2万0256人の観衆を集めたゲームはMACのボウリンググリーン大が終了1分4秒前、キックオフ直後の自陣22ヤード地点からの攻撃で、QBジェームズ・ナプキーがロジャー・ルイスへパス。この一発が78ヤードのTDプレーとなって33―28と逆転に成功。勝利目前の南アラバマ大の夢を断った。
 ボウリンググリーン大は2004年にGMACボウルでメンフィス大に勝って以来、4連続の黒星を重ねていたが、この日5連敗を免れ、通算成績を5勝7敗とした。今季の成績も8勝6敗。


 SBCの南アラバマ大はこれがボウルゲーム初出場。先行するボウリンググリーン大をじわりじわりと追い上げて、残り1分20秒にRBテランス・ティモンズが3ヤードの突進からTDを挙げ、28―27と待望の逆転に成功した。
 ところがそのリードもつかの間。直後のTDパス一本に敗れ去った。今季の成績も6勝7敗と負け越し。


 22日(月)にフロリダ州マイアミのマリーンズパークに20761人の観衆を集めて開かれた第1回のマイアミビーチボウルは、アメリカン体育連盟(AAC)のメンフィス大が独立校のブリガムヤング大(BYU)を、2度の延長の末55―48で破った。
 45―45で延長に入ったBYUは、トレバー・サムソンが45ヤードのFGを決めて先行した。メンフィス大はBYUの積極的な守りに計12ヤードも後退させられた。キッカーのジェイク・エリオットは54ヤードのFGに直面したが、これを決めて再延長へ持込んだ。


 ここでQBパクストン・リンチが冷静にプレーを展開。最後はロデリック・プロクターへ11ヤードのパスを通して決勝点を挙げた。BYUはQBクリスチャン・スチュアートのパスでTDを狙ったが、第2ダウンでインターセプトされて万事休した。


 メンフィス大は第3Qで38―28と10点差をつけて第4Qを迎えたが、BYUの豊かな攻守にFGと2TDを奪われ、逆に7点差を許して終盤へ。しかし土壇場の残り45秒、QBパクストンがWRケイオネ・マリーンへ同点のパスを決め、延長戦へ持込む粘りを見せていた。
 メンフィス大は3連敗を免れ、ボウルゲームの成績は4勝3敗。今季の成績も10勝3敗と1938年以来の10勝ラインをマークした。BYUは今季8勝5敗に終わり、ボウルゲームも通算13勝19敗1分けとなった。


 開幕の6試合を追いかけたら、味もそっけもないリポートになった。読者の方々にとりあえずお詫びする。次回以降をこのペースで書くつもりはない。実はかなり昔、この時期になったらボウルゲームを、このように整理して「タッチダウン誌」に載せていた。ついそのときの作業の手順を思い出しながら序盤戦をまとめていたら、こうなったという次第だ。


 残りの33試合を全部リポートするわけではないが、カレッジの担当となると、全ボウルゲームを把握する必要があるのは間違いない。そこで字にしてみたが、かなりマニアックで「どこが面白いねん」となった。今後はベスト4の選手権準決勝、決勝が大事なリポートとなる。私自身かなり興味をそそられている。

【写真】クラムトンボウルに勝利し、「ゲータレードシャワー」を受けるボウリンググリーン大のベイバーHC(AP=共同)