全米大学体育協会(NCAA)のフットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS=旧1部A)の第13週は11月20日、22日を中心に全米各地で行われた。大詰めである。


 米国でフットボールのレギュラーシーズンといえば、自らの所属する組織内での対戦と、組織外とのいくつかの試合を合わせて12試合ほどを行うのが普通で、ほとんどのチームはあと1試合か、多くて2試合を残すだけとなった。
 2地区に分かれた組織が多く、このレギュラーシーズン終了後にプレーオフとして組織の優勝決定戦を行うケースも多い。無論、地区に分かれていない組織では、こうしたプレーオフはない。そして好成績を残したチームを対象に、ご存知ボウルゲームとなる。


 おさらいめくが、レギュラーシーズンのカードは4年前に決まっていて、突然あのチームとやりたいなと思っても、4年先までは試合を組めないという原則ができている。これまではボウルゲームが唯一の「突然カード」の役割を果たしていた。
 今季はそのボウルゲームに加え、大きな変化が生まれた。全米のFBS128校の中から特別な強豪を4校選び出して、トーナメント形式による全米選手権大会が行われることになった。


 真の王者を決めるこの催しはこれまで何度も紹介している通り、今季は1月1日、ローズボウルとシュガーボウルがその準決勝の舞台となり、1月12日にテキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで決勝を行う。
 ボウルゲームの方は選手権をのぞいて36試合。うち4ボウルが別格で、このうちの二つが来季、ローズ、シュガーと入れ代って選手権の準決勝の舞台となる。4ボウルはオレンジ、ピーチ、フィエスタ、コットンで、コットンは1月1日、他の三つは12月31日に試合をする。レギュラーシーズンの最終日は12月13日なので、ボウルゲームはその次の週末、12月20日前後から始まることになるだろう。


 さて選手権戦出場4校を選出するために、選考委員会が持ち出した新しいランキングに基づくベスト25の試合は、今週は計20試合。ランク校同士の激突が3試合あり、お休みは5位テキサスクリスチャン大(TCU)と18位ジョージア工科大の2校だった。
 意外なことにこの週は番狂わせが少なく、順当な結果が残されている。1位のアラバマ大は西カロライナ大を前半の大量得点で突き放し、48―14の大勝。2位オレゴン大は花形QBマーカス・マリオッタが大活躍。3本のTDパスと自らのランで4TDを挙げ、コロラド大を44―10で下した。
 4位のミシシッピ州立大は大量点を前半から重ね、守ってはバンダービルト大を完封、51―0の快勝だった。


 もっとも3位フロリダ州立大は勝つには勝ったものの、ボストンカレッジの頑強な守りに、後半は攻撃をすっかり抑え込まれる始末。終了3秒前のローバート・アグワイヨの28ヤードの決勝FGで20―17。辛くも全勝は守った。


 6位のオハイオ州立大もインディアナ大に手を焼いている。第3Qに一時は14―20とリードされたが、ここから1年生のWRジェイリン・マーシャルが物につかれたように活躍。まずパントリターンで54ヤードを駆け抜けて逆転。第4QにはQBのJ・T・バーレットのパスを次々と受け、3TD21点を挙げてインディアナ大を突き放した。
 7位ベイラー大は第1Qに21点を奪い、その優位を保って49―28でオクラホマ州立大を退けた。


 こうしてランキングの上位校が白星を挙げて行く中で、8位ミシシッピ大がランク外のアーカンソー大に0―30と完封負けを喫する波乱が起きた。アーカンソー大は前週、ルイジアナ州立大(LSU)を倒して南東リーグ(SEC)での連敗をストップしたばかり。この週もその勢いを持続しての番狂わせだった。


 一方のミシシッピ大は前週こそ旧1部AAのブレスビタリアン大を退けたものの、10月25日にはLSUに、次いでオーバーン大から黒星をつけられ、すっかりひところの勢いを失っていた。この差がこの日の結果に出たといえる。


 アーカンソー大は第1Qの3分ごろ、QBブランドン・アレンが25ヤードのTDパスをWRケイオウン・ハッチャーへ決めたのを皮切りに、22ヤードのFG、RBのアレックス・コリンズの1ヤードの突進と畳みかけた。
 後半もローハン・ゲインズの100ヤードのインターセプトリターンが飛び出すなど、一方的に加点する一方、守備陣が要所をおさえて、SEC加盟以来初の完封勝利を記録した。


 ランク校同士の対戦は太平洋12大学(Pac12)で2試合。南地区の順位争いを左右するカードだったが、結果9勝2敗で3校が1位に並び、混戦の度合いは増すばかり。レースは最終週まで持ち越されることになった。北地区は無論、オレゴン大が独走している。
 15位アリゾナ大と17位ユタ大は、アリゾナ大が豊かな得点力に物をいわせて42―10と快勝。9位UCLAは19位南加大に38―20で競り勝った。


 中西部では25位ミネソタ大が23位ネブラスカ大に28―24で逆転勝ちした。第4Q残り3分25秒、QBミッチ・ライドナーの3ヤードの決勝TDだった。
 このほか24位ルイビルが31―28とランク外のノートルダム大を際どくかわした。また16位ウィスコンシン大もアイオワ大と激しく競り合い、26―24で逃げ切った。


 なお全勝は前週と同じでフロリダ州立大と、USA連盟のマーシャル大の2校。1敗はベイラー大、TCU、オハイオ州立大、コロラド州立大、オレゴン大、アラバマ大、ミシシッピ州立大の7校である。全敗は1校でアメリカン体育連盟のサザンメソジスト大(SMU)。

【写真】オクラホマ州立大に49―28で勝ったランキング7位のベイラー大(AP=共同)