今回は、選手に知り合いも多い「日本代表」にエールを送ります。もうすぐ開幕する世界選手権に臨むニッポンの精鋭たちには、ぜひ頑張ってほしいと思っています。


 〈自分の力を試す〉
 自分の力を試す。自分がどれだけできるのかを知りたい。スポーツマンが何かに挑戦する時によく聞きます。こんな謙虚な気持ちで臨めますか? それを言うなら「自分の力を証明する」ではないだろうか、とよく思います。


 自信がなければ行かないだろうし、ヤレるに決まってる、頑張ればヤレるやろーと思っているから行くのとちがいますか。
 高校から大学に行く時、大学からプロに行く時、海外に出る時、ナショナルチームに選出された時、自分の力を証明しに行く機会はいろいろありますが、若い人は遠慮せず自分の発言に保険をかけないでドンドン上がって行ってもらいたいですね。


 〈ニッポンナショナルチーム1〉
7 月9日からアメリカで第5回を迎える世界選手権が始まります。日本代表の試合と練習に行き、現在の日本フットボールで最高の選手たちを生で見ることができました。
 私がアサヒ飲料を引退し8年になりますが、各ポジションでグッと進化しているのがよくわかりました。ラインはサイズだけではなく質も向上している。守備バックも運動能力だけではなく、技術の向上やうまさを感じました。


 パンターキッカーも飛距離と滞空時間、コントロールに安定感があり随分と進化しています。USAチームがどういうレベルで出場してこようが「アメリカナショナルチーム」というちゃんとした名前を名乗っているからには、しっかりとたたきつぶしてもらいたい。


 〈ニッポンナショナルチーム2〉
 「ジャパン」という言い方がとても嫌いです。アメリカ人が我々を呼ぶ時の勝手な言い方なのに、アメリカを倒すべく存在するチームがアメリカ名など名乗る必要などないと思います。ヘルメットのディッキャールには「日本代表」と書かれてあるとうれしいですね。


 〈ニッポンナショナルチーム3〉
 ランニングバック古谷拓也選手が、ゲーム中にものすごいパスキャッチを見せました。大きなゲインでもなかったのですが、完全逆リードの失投ボールを、足さばきと上半身のヒネり、卓越したキャッチング能力で「何事もなかったかのように」捕球。開いた口がふさがりませんでした。さすが米国アリーナフットボールで山のようなキャッチ記録を積み重ねた男です。


 〈ニッポンナショナルチーム4〉
 守備バックの三宅剛司選手と藤本将司選手がかなりすごいですね。自分が走る向きと違う角度に飛び上がって空中高く飛んでいるボールに喰らいつく。
 パスが飛ぶと感じてから目標地点への移動がとても速い。観戦初心者にはわかりにくい活躍ですが、早くてうまくて賢くなければ絶対にできないファインプレーをさりげなく当たり前に遂行しているのです。


 〈ニッポンナショナルチーム5〉
 レシーバーの宜本潤平選手も生で見たのは初めてでした。公式発表では身長169センチとされていますが、加速スイッチが押されて瞬間移動を開始した宜本選手は、もっともっと大きく見えました。
 ストライドの大きさと体の動かし方が特徴的で、お人柄がそのまま出ている勇敢なプレースタイルのファンになりました。あの調子で大きなアメリカ人もビシーっと切り裂いてもらいたいですね。


 〈ニッポンナショナルチーム6〉
 アサヒ飲料が強かった頃は、パナソニックとライバルで、常に僕の走行を邪魔する張本人として、そしてパナソニック守備の代名詞として、最も危険な人物として取り扱ってきた脇坂康生選手は46歳で5大会連続出場ですって。
 全盛期は一体いつだったのか? 少し衰えても日本代表選出、どんなけすごかったんや昔。そら誰も勝たれへんかったハズですわ。細かった上にレシーバーの番号をつけてピースする20年前の写真を付けておきます。


 〈世界選手権テレビ放送〉
 時差があるから、スーパーボウルと同じくニッポン代表のゲームは月曜の朝。しかし、現在のところ我が国で見ることはできないそうです。この時代になんというお粗末な話でしょうか。どうにかならないのか、ギリギリまで期待したいですね。


 〈ニューエラハドルボウル〉
 所属校に関係なく出場のチャンスがある「NEW ERA BOWL2015」が、今年も7月4日に神戸市の王子スタジアムで開催されます。
 UCLAとコロラド大の名門校から選手が4人ずつ計8人も参加するオールスター戦です。NFLにも参加経験があるハイレベルな選手も来日しているので、関西圏の方は是非観戦に! で、その試合の前に、35歳以上の大学OBが集いフラッグフットボールを楽しむ「ハドルボウル」も開催されます。
 毎年熱くなりすぎたオジサン達がアキレス腱を切ったり骨折したりを乗り越えながら笑顔で楽しむ非常に楽しい大運動会です。
 私も例年はエントリーしているのですが、今回は諸事情あり出場はせず、大会のお手伝いだけの参加となります。当日始発の飛行機で大阪入りします。


 〈いい選手の基準〉
 僕が選手の能力を判断するときに使用する物差しがあります。「強い」「速い」「うまい」「賢い」の四つです。
 僕は「うまい」と「賢い」の会得に随分と時間がかかってしまいました。「強い」「速い」は努力の量でどうにかなりますが「うまい」と「賢い」は努力だけでは手に入りません。この4拍子そろったメンバーばかりが招集された、過去最強の「ニッポンナショナルチーム」に期待します。

【写真】5大会連続で世界選手権に出場する、46歳のDL脇坂康生選手(右)と多聞さんのツーショット