こんにちは。今回は昔よくやった「練習後の走り込み」などについて考察してみました。体力、技術ともにリーグでもトップクラスまで「自分自身を高めたことのない」トレーナーやコーチの意見とは大きく違っているのが僕の特徴ですので、最新式の「アタマデッカチ」なヌルい理論で現役時代を全うするのが目標の方は読まないでいただきたいです。
 これはトレーナーやコーチからは逃げられても、「自分自身と神様から逃げない」僕ならではの考え方です。


 ▽体力増強用の過酷なトレーニングは一人でやる
 僕の場合、普段から誰よりも威張っているのに、少しの走り込みでへバッているところをチームメートたちに見せるワケにはいきません。またそのために見栄を張って無理をすると足首を捻挫するなどの事故が起こり、しばらく運動できないといった本末転倒になってしまいかねません。
 他人が吹く笛の音で走りまくると、しんど過ぎてついサボっちゃうので、この走らされている時間が全く無駄になります。そしてしんどく苦しい中で変なフォームで走るクセがつくと、日頃努力しているフォーム作りが無駄になります。


 いやいや仲間同士で励まし合って一人では乗り越えられない壁でも皆で一緒に頑張れば前に進める、という甘っちょろい理屈は初心者や子ども寝言です。目標がハッキリしている大人であれば、励まされようと邪魔されようとヤル内容もデル結果も同じでなければいけません。
 誰が決めたかわからない、何となくしんどくてキツい走りモノで全員が強くなるハズはないのです。教室に生徒が100人いるクラスより、個人授業や家での自習の方が効率がいい場合が多いということです。


 ▽走り込みと、走り方の練習と、ランニングバックの走る練習は全く別物
 ①平日は仕事や家庭で多忙な社会人選手の運動不足を補うことが目的の走り込みは、本当に普段運動不足な人だけでやってもらえばいいんですね。筋力や持久力、そして心肺機能の強化は土日にチーム練習と一緒にまとめてヤルより毎日やりましょう。


 ②走り方の練習とは、あらゆる速度域でのフォームの改善によるスピードアップを目的とします。元気でフレッシュな状態で時間をかけて行わなければダメですので、ゴルフの練習などに似ています。
 そのためには前回や前日のトレーニングの疲れを持ち越さずほぼ万全の状態で臨むことが重要です。つまり試合と同じコンディションが求められます。神経伝達の訓練は長時間の集中力維持が課題となるので基礎的な体力と集中力強化(つまり脳みそや感情のコントロール)が必須となります。


 そこは走り込みで鍛えておく必要があります。練習をこなすための体力作りですね。僕の分析では綺麗なフォーム(肩の力を抜き背筋を伸ばし大きな歩幅など)で走ることができれば、早く走れるようになるということになっています。


 これまで自己流で培ってきたフォームを改造するのは非常に大変ですが、陸上のトップ選手でも少しの気の緩みでフォームが崩れたりするワケですから、重いヘルメットと防具を着けて片手にボールを持って競技する僕らは、いろんなものに集中力をそがれますので、どうしても敵と対峙した時に自己流に戻ってしまいがちです。
 そこを日々の訓練で新しいフォームを「脳みそと体中の神経」に埋め込まねばなりません。追いかけられたりピンチの時には、体に力が入ってしまい勝手にブレーキがかかってしまうのが自己流の弱点です。どんな時にも良いフォームで走行できるようになるには、今日からクセをつけていく訓練をしましょう。


 ③ランニングバックの走り方は、加減速プラス方向転換が前提となっているので、陸上のスプリントとはまた違った技術が求められますが、スポーツの基本である「走る」というシンプルな基礎を徹底的に練習しておかないと、ランニングバックで天下を狙うのはとても難しい目標になってしまいます。
 とゴチャゴチャと練習後に走りたくない言い訳を書きましたが、結局のところ60分間の試合でも時計はしょっちゅう止まるので3時間を超える競技中に何十回タックルされてもけがをせず最後まで元気に戦える体力は必要です。


 時間の制約がある中で体力を付けるためには、チーム練習を思いっきりヤルことに尽きます。コーチが決めた線までではなくもっと、遠くの自分が決めた線まで走る。笛が鳴ろうが鳴るまいが膝を付いていないボールキャリアはエンドゾーンまでしっかり走る。何なら転けた後でも立ち上がって走っていく。
 「最強RBへの道」でも説明した通り、チーム練習中は頭を使い続けた上に全力でプレーするので、チーム練習の時ほど頭と体に負担がかかる活動はないわけです。いい練習ができていれば、たいてい練習の最後に行われるスクリメージが終わり次第ヘトヘトで、そこから体が動くはずなどない、と僕は思うのです。


 にもかかわらず、全ての練習が終わったあとに「走り込み?」。どうすればそんなエネルギーが残っているの? もしそれが普通なら、練習メニューが悪すぎる、または体力が有りすぎる。でも、体力が有りすぎるなら別に走りこむ必要などないわけですね。
 つまり、ほとんどのチームの練習が作戦を上手にこなすためだけに時間が使われているのではありませんか? そんなのはミーティングとそれに付随するウォークスルーで完結させておかねばなりません。作戦を上手にこなすというのは「相手はもちろん、味方もビックリさせるほどの魂を込めたプレー」のことを言います。


 しかしそのことには薄々気づいているので「頑張っている的」な思い出というか印象を残すためにしんどいことをやっているだけだと勝てません。
 何となく頑張っていれば神様は僕らに微笑んでくれる、なんてのんきに考えているのではないでしょうか?


 神様は自分自身以上にこっちを見ています。そしてライバルのことも見ています。自分がどんなに頑張っていようとも、もっと頑張っているライバルと比較された時、こっちに微笑んでくれるかどうか。頑張りどころはみんなと一緒に声を出した量ではなく、実際にやった量で決まります。
 練習後にハードな走り込みができるようなスクリメージへの取り組みじゃ、なかなかしんどいんじゃないかなと思いますよ。

【写真】走り込みを終え、水分補強する現役選手時代の多聞さん