当時のチーム構成
【1部Aブロック】
・アサヒビール・シルバースター
・三和銀行ラークヒルズ
・レナウン・ローバーズ
・鹿島ディアーズ
・日産プリンス・パルサーズ
・三菱電機ソシオテックス


【1部Bブロック】
・NECファルコンズ
・オンワード・オークス
・リクルート・シーガルズ
・三菱銀行センチュリアンズ
・富士通フロンティアーズ
・さくら銀行ダイノス


【2部Aブロック】
・東京海上ドルフィンズ
・住友銀行スプリングス
・東海銀行レッドウェイブ
・伊藤ハムハスキーズ
・IBMビッグブルー
・アクアデルレイ・シャークス


【2部Bブロック】
・三武ペガサス
・日本生命ロングランズ
・スカイラークス
・内外衣料製品オックス
・清水建設ブルーサンダース
・警視庁イーグルス


 半分以上が消滅していますね。名前を変えてないチームは四つだけ? ですね。時代は変わりましたね。


 2部で優勝し、1部リーグ最下位のチームと入替戦を行い、勝った方のチームが来季1部リーグでプレーできる権利を得るのが「入替戦」です。そうです。僕にとって人生で初めての「1部リーグ」のチームとの試合です。
 合同練習などで1部リーグのチームを体感していましたが、ゲームはその10倍以上緊張します。さくら銀行は昨季、同ブロックで対戦し14―23で負けています。そして彼らはその後1部リーグで1年間強豪と対戦し1勝4敗という成績だったとは言え、ボロ負けはなく僅差で負けているゲームばかり。ましてや1部昇格初年度に1勝しているワケで、我々ペガサス軍団にとって全く良い情報ではありません。


 我々が勝てなかった昨年より強くなっているのは間違いないのです。その成長具合が我々の方が上回っているかどうか、にまだ自信がない頃でした。
 クオーターバック(QB)に現早稲田大学監督の濱部選手が加入し、得点力もリーグ戦5ゲームで79得点と昨季とは比べ物にならなくなっているようです。そして日本大学フェニックスが3連覇した時の4年生だった「ラインバッカー守屋選手」に「ディフェンスバック松本選手」そして同じく日大がV奪還した時の攻守ラインで出場され、主将をなさっていた「関選手」を中心とした強力な守備陣。こんなエグい連中にどうやって勝つの?


 しかしまあ、ビビってばっかりもいられないので、例によって「相手はタマにしか練習していないマトモな社会人。メチャクチャ弱いハズ!」と自己暗示をかけ気合満タンで横浜スタジアムに入場です。
 もし勝てばとうとう1部リーガーになれるのです。河川敷から大学3部で1勝もできず、社会人で2部に所属、あと数時間もすれば自分は1部リーガーなんだ! と思えば体の芯から熱いモノが込み上げてきます。


 ゲームが始まり、ショートヤード用の「パワーIフォーメーション」でブロック専門のランニングバック(RB)としてフルバック(FB)とハーフバック(HB)に100キロ超級のラインマンを背番号そのままで配置し、僕がテールバック(TB)で走りまくる「300キロバックス」でドンドンとゲインを奪います。


 僕は20数回のキャリーで3度のタッチダウンをしたのですが、2度のファンブルロストを犯しました。ハドルで70番のイヤミな先輩たちにぶん殴られたのを思い出します。


 ペガサス軍団は人数が少なく、ゲーム中に動けなくなるような打撲やねんざをしたらマトモな交代選手がいないので、1人少ない10人でゲーム再開という選択をする場合もありました。
 ある場面でペガサス守備の先輩が1人倒れました。大事ではなかったのですが、いったんベンチに下がると言うのでやむを得ず僕が少し遅れたタイミングでフィールドに入ったところ、両軍の作戦タイムは既に終了しており、自分がどのポジションに入るのかすらわからない状態で、敵軍のQB濱部選手はもうすぐプレーを開始しそうです。


 そして空いたポジションは左のコーナーバックです。エンドゾーンを背負って守備の作戦やカバーも何も知らされない状態でプレーが始まっちゃいました。めざとい濱部選手は、しっかり僕の下手さ加減を見抜き、僕の後ろのエンドゾーン内を狙ってボールを投げてきました。当然軽くぶち抜かれてしまったのですが、たまたまボールも悪く、レシーバーはボールに触ることすらなくプレー終了。運が良すぎです。


 先制点は入れたもののスグに逆転され、前半は7―10でリードされて折り返し。4Qに入っても14―23といい勝負になっています。そしてペガサス軍団がここで7点を入れ21−23。
 しかし、その前に僕の蹴ったフィールドゴール(FG)が外れてしまったのです。入っていれば24−23で逆転勝ちしていたのに…。結局ゲームはコレがファイナルスコア。僕の2ファンブルロストとFG外しで入替戦は負けてしまいました。来季もまた2部リーガーです。世の中とんとん拍子にはなかなかいきません。


 この敗戦で吹っ切れたのか、多くの先輩が引退や退団でいなくなりました。「少数精鋭」と言われた三武ペガサスはこの年で事実上の終焉となってしまいました。
 そして僕も二度とキックを蹴らない、蹴れますと人に言わない、と自分に誓いました。


 この敗戦は僕のフットボール人生を大きく変えてしまいました。三武ペガサス球団で1部リーグに昇格し、人数も増え、メキメキ強くなり大企業のチームをバタバタと倒し日本一になる、という目標が崩壊したのです。
 辞めずに残ったメンツも半分は二線級です。そんなメンバーだけで来季からどうするのか? 次回は三武ペガサス3年目突入です。

【写真】三武ペガサス時代の多聞さん