「フットボールにとって最も重要なのは心技体どれ?」(注1)と、お店を始めてからの15年、毎日のように酔っ払いに聞かれてマジメに答えているのですが、何せ相手は酔っ払いなのでちゃんと憶えてないと思いますので、コチラにも書いてみます。


 「何に重要」なの? というところなのですが、3部リーグで優勝して2部に上がるために重要なこと? 1部に残留するため? それとも甲子園ボウルに勝つため? 
 それぞれの答えは違うので、今回はアメリカとニッポンの何が違うのか、僕の考えを述べてみます。


 カラダの大きなアメリカ人とコンタクトするフットボールで一番足らないのは「カラダの大きさ、そしてパワーだ!」って言うてる(注2)先輩らは沢山います。それは少し違います。アメリカ人のプロ選手(注3)とニッポンフットボール選手を比べた時に一番違うのは、実は技術です。パワー、スピード、クイックネス、戦術の理解度、忠誠心、協調性、リーダーシップを比べると全部負けていますが、とてつもなく差があるのが僕のみるところ「技術」としか思えないのです。


 残念ながら我が国にはアメリカンスタンダード技術(注4)を理解して指導できるコーチは僕の知る限りかなり少数(注5)です。
 ルールが面白いスポーツなので、約80年前からニッポンで楽しまれています。ただ、勝つためだけの短絡的な作戦を各チーム(注6)がアメリカから輸入して何とかこなしているだけで、根本の基礎技術の徹底があまりにもおろそかになっているのは、僕が見ていてハッキリしています。99%のニッポンフットボール関係者が知らないことがアメリカでは当り前のスタンダードなんですね。


 ここまで話すとたいてい「何がどう違うの?」となると思います。
 その時はこう答えます。
 日本語を勉強して話せるようになった日本好きの外国人がいるとします。そういう人と会話や電話をしていたら「この人、日本語上手だなあ」と思いませんか? そうなんです。日本文化の神髄、「日本語」を上手に話しているだけで、母国語ではないと日本人にはすぐにバレるんです。これが子どもの時から日本語で育っている文化のチカラなのです。アメリカのプロ(注7)から見たら、ニッポン人のフットボールは「他国で学んだのに上手だね」という感じです。


 ごっそり丸ごと輸入するのは不可能なので、お金持ちの組織がアメリカ留学して少しずつコツコツ盗んで帰って来てもらうしかないですね。ニッポンも体格や戦略面ではモノすごい速度で進化しています(注8)がアメリカも同じ速度、いえそれ以上の速度で進んでいますので、追い付くのは簡単ではないかもしれません。


 ただし、国内の高校や大学、社会人のチームに勝つための情報や指導法は100%正解だと思うし、あと少し選手が頑張れば試合結果が変化することもあるでしょう。
 スーパーボウル楽しみです。


(注1)酔っ払いは「心技体どれ?」とは聞きませんね。ちょっと作りました
(注2)何を根拠にそんな事を大きな声で言うてるのか教えてもらいたいですね。アメリカの映像見てマッチョ過ぎるからそう思うてるんやろけど
(注3)ガクセイさんちゃいまっせ。プロ選手ですよ
(注4)USAにこんな言葉はありません
(注5)少数というか、ほんの数人すぎてその人たちもそれを唱えると反対意見出まくるから隠しているはず。コーチ職を追われてまで改革することちゃうし、優秀なコーチはスポンサーやオーナーらが心地良い思いをするために雇われてるんやからね
(注6)そのとっておきの情報を、一つのチームが隠し倒すから始末が悪い。公開しないから業界が伸びない。でも公開したら自チームが不利になる可能性がある。難しい
(注7)この「プロ」と言うのは、選手、コーチ、報道、全てのアメフト関連従事者をさします
(注8)一昔前に比べれば体格が全然違いますもんね

【写真】多聞さんが実際に会った選手の中で、最も恐かったと語る元NFLのスーパースター、ルイス=撮影:佐藤誠