関東学生リーグTOP8は第2節が終了し、日大、法大、慶大、早大が全勝をキープしている。優勝争いは早くもこの4チームに絞られたと見ていいだろう。
 そして、いよいよ9月27日の法大―慶大から、4強の直接対決が始まる。最も注目されるのが、28日に行われる日大―早大だ。


 過去の両チームの試合で印象的なのが、リーグ戦最終節でぶつかった2009年の対戦だ。第3クオーター、早大が17―13とリードして迎えた日大の攻撃で、早大のDB坂梨夏木がインターセプトリターンTDを決めて、24―13と突き放した。日大も最後まで追いすがったが、最終スコアは24―21で一歩及ばなかった。結局、坂梨のビッグプレーが決勝点となった。


 今季、早大のエースQBの座をつかんだのが、坂梨夏木の弟で1年生のQB坂梨陽木だ。昨季、早大学院高で日本一を達成しており、フィールド上では新人とは思えないリーダーシップを発揮している。
 初戦の明大戦では後半から出場して、逆転勝利に貢献。立教大戦では先発を務め、正確なパスを次々に決めてチームを52―7の勝利に導いた。


 「きょうの出来は70点。彼の潜在能力はもっと高い」。試合後、早大の濱部昇監督は、若き司令塔への大きな期待を語ると、坂梨も「オフェンスラインの先輩たちが守ってくれているのに、逃げてしまった場面があった。日大戦ではベストを尽くしたい」と大一番へ抱負を述べた。


 一方の日大は、エースナンバー「10」を背負う3年生QB西澤凌介と、昨季チームを甲子園ボウルに導いた2年生の高橋遼平が先発を争っており、両者が甲乙付けがたいプレーを披露している。
 初戦の日体大戦では、先発した高橋より後半から出場した西澤のパフォーマンスがよかった。第2節の中大戦では西澤が先発したが、中大フロントの強烈なプレッシャーに攻めあぐねる場面もあった。


 第2クオーターから出場した高橋が、前半終了10秒前にWR岩松慶将にTDパスを決めて、試合の大勢を決めた。
 日大の森琢ヘッドコーチは、「今季は西澤と高橋を競争させている。二人が切磋琢磨することで、オフェンス力の向上を期待している」とまだQBを固定する考えはなさそうだ。


 さて、試合展開を考えると、ロースコアなら早大、ハイスコアなら日大が有利だろう。日大は岩松やTE水野悠司をはじめとして、一発TDを奪うアスリートがバックフィールドにそろう。中でも3年生WR西村有斗が日大オフェンスの「ジョーカー」的な存在になりつつある。
 「長谷川昌泳コーチのトレーニングのおかげで、下半身がパワーアップした」と西村は急成長の理由を語っているが、今春の大学世界選手権で国際試合を経験したことも、レベルアップに役立っている。
 西澤と高橋が決定力のある彼らにボールを供給することができれば、ハイスコアの展開になるだろう。


 早大が日大の爆発的な攻撃を防ぐためには、まずランオフェンスで時間を使い、ボールコントロールすることが求められる。さらに守備がTDではなくFGに抑えて、粘り強く戦えるかどうかが勝敗を分けるだろう。
 鍵を握るのが、経験豊富で能力も高いLBケビン・コグランと峯佑輔のコンビだ。この二人にアスリートの加藤樹を加えたLBの布陣は、リーグ最強だろう。


 しかし、立教大戦ではコグランが欠場し、峯は負傷で途中退場した。もし日大戦までに二人が間に合わないようであれば、勝機を見いだすのは難しい。
 DLでは身長190センチの庭田和幸が存在感を示しており、その長身はサイズのない日大QBにとって、大きなプレッシャーになるだろう。


 戦力ではアスリートのそろう日大が上回るが、試合運びも含めた総合力では早大も負けていない。実力が拮抗したハイレベルな試合では、キッキングも含めてミスを多く犯したチームが負ける。敗れたチームは優勝戦線から一歩後退するだけに、激戦は必至だ。

【写真】日大の2年生QB高橋(左)と早大の1年生QB坂梨=撮影:seesway、21日、アミノバイタルフィールド