1月19日に横浜スタジアムで開催された、チャリティー・フラッグフットボール大会「ハドルボウル2014」。参加者は回を重ねるごとに増えており、今大会は1200人を超える選手と観客らから多くの寄付金が集まった。


 昨年3月に川崎球場で開催された第1回大会。この時は各大学のOBたちが世代を超えて集結し、全力でフラッグフットボールに取り組むという画期的な出来事に驚き、「チャリティー」というイベントの意義自体についてはあまり深く考えなかった。


 素晴らしいイベントだが、一方でなぜチャリティーなのか、なぜ難病と闘う子どもたちなのかという思いもあった。収益はフットボール基金として、アメリカンフットボールやフラッグフットボールの普及活動に使うことだってできるはずだ。大会終了後、ハドルボウル実行委員長の堀古英司さんにあらためて質問すると、明解な答えが返ってきた。


 「フットボールを通じて社会貢献がしたかった。なぜなら、フットボール界全体が勝つことばかりに執着して、どんどん社会から遠のいていると感じていたから」。寄付の対象を子どもたちに決めた理由についてはこう語る。「僕らはおじさんになったが、まだ健康でフットボールをプレーすることができる。そんなわれわれの対極にいるのが、難病に苦しむ子どもたち。困っている人はたくさんいるが、彼らのためにこそやるべきだと考えた」


 ハドルボウルで集まった収益金は、難病に苦しむ子どもたちの夢をかなえるために活動するボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ・オブ・ジャパン」に全額寄付される。1992年にメイク・ア・ウィッシュの日本支部(本部は米国アリゾナ州フェニックス)として設立された同団体は、22年間で2196人の難病と闘う子どもたちの夢をかなえてきた。


 対象となる子どもたちの年齢は3歳から17歳。「小児がんを治して、遠くへ旅行に行きたい」、「白血病だけれど、憧れの人に一目会いたい」。彼らが闘う病気やかなえたい夢はさまざまで、緊急性や必要な資金を考慮してかなえられる夢を選び、実現させているという。
 2000年から同団体のコーディネーターとして活動を続ける鈴木朋子さんは言う。「ハドルボウルでは本当にたくさんの寄付金をいただいています。このようなイベントがもっと広まってくれたらと願います」。ハドルボウルの他にもマラソン大会や駅伝大会などを中心に、いくつかのチャリティーイベントが実施されている。だが、全体的に見ると日本での寄付活動の認知度は低く、チャリティーの文化も根付いていないのが実情だという。


 堀古さんは日本のアメリカンフットボールの人気復興を目的とした、フェイスブックグループ「日本のアメフト復興会議」の中で、メンバーに対してこう呼びかけている。「アイデアのある人はアイデアを、人脈のある人は人脈を、時間のある人は時間を、地位のある人は地位を、観客を動員できる人は観客を(中略)ほんの少しずつでも貢献してもらえる場所にしたいと思います」
 この考えはそのまま社会貢献にも当てはまるのではないか。そして、フットボール関係者が率先して社会貢献をするということは、巡り巡ってきっとフットボールの未来にもいい影響をもたらすはずだ。

【写真】参加者にあいさつするハドルボウル実行委員長の堀古英司さん=19日、横浜スタジアム