横浜市にある金沢スポーツセンターで、フラッグフットボール教室が開催された。「フラッグフットタイム」という名称で、4~6月にかけて行われた同教室には、未経験の参加者が多く集まり、初体験の競技を楽しんだ。


 「何か新しいスポーツ教室を新設したい」。金沢スポーツセンターの有賀美由紀所長は、周囲のスポーツセンターが取り組んでいる、バスケットボールやフットサルなどに代わる新しい競技を探していた。白羽の矢を立てたのがフラッグフットボールだった。横浜市は2007年にアメリカンフットボールの世界選手権が開催された川崎市や、東京都などと比べて、フラッグフットボール不毛の地と言える。なぜなら、教育現場を中心にタグラグビーが浸透しているからだ。「他でやっていないことをやりたかった」。有賀さんは様々な競技のイベントを運営してきた経験上、「作戦によって動きが決められているフラッグフットボールは、初心者になじみやすい競技なのではないか」と考え、同教室の開催に踏み切った。その判断は正しかった。実際、4月から実施された教室では、参加者の8割ほどがアメリカンフットボールとフラッグフットボールの未経験者だったが、すぐに順応して対戦形式の練習を楽しんでいたそうだ。同スポーツセンターではフラッグフットボールの定期的なイベントの開催を目指しているという。


 フラッグフットボールの普及活動は順調だ。日本フラッグフットボール協会の地道な努力が実を結んで、11年に小学校の学習指導要領に記載された。同協会は1月に公益財団へと法人格を移行し、これまで日本全国の1000校以上の小学校に、ボールやフラッグなどの用具を無償で提供し続けている。大学や社会人、クラブチームなどもジュニアのフラッグチームを運営して、地域の小学校とも積極的な交流を続けている。さらに、今年の3月に川崎球場で開催された「ハドルボウル」では、往年のアメリカンフットボールの名選手たちがフラッグフットボールの大会に集結するなど、シニア世代の活動も盛んだ。


 「老若男女が一緒にプレーして楽しめる、素晴らしいスポーツ」とフラッグフットボールについて語る有賀さんは、現在一つの企画を実現するために動いている。それは横浜市内にある「海の公園」で、ビーチフラッグフットボールのイベントを開催することだ。砂浜ではけがを恐れず思い切ってプレーできることで、パスキャッチやタックルはよりエキサイティングなものになるはずだ。アメリカンフットボールの本質的な魅力を体感できる機会が増える。ビーチバレーやビーチハンドボールなどは既に実施済み。ビーチフラッグフットボールの実現や、フラッグフットボール教室の定期開催に向けて、最大の課題は指導者不足だ。横浜市の指導員で経験者はほとんどいない。社会人の選手やコーチらで、うまくサポートできる態勢を整えることで、多くの地域にこのような取り組みが広がっていくことを願いたい。(共同通信社 松元竜太郎)

【写真】フラッグ教室を開催した金沢SCの有賀所長(右)と指導員の杉原さん=6月28日、金沢SC