米プロフットボールNFLの第47回スーパーボウルは3日、ルイジアナ州ニューオーリンズで行われ、レーベンズが49ersを34―31で破り、12季ぶり2度目のリーグ制覇を果たした。最優秀選手には、3TDパスを決めたQBジョー・フラッコが選ばれた。


 レギュラーシーズン終盤に不安定だったチームは、チームの精神的支柱であるLBレイ・ルイスが引退を表明して迎えたプレーオフで結束し、一気に頂点まで駆け上がった。チーム創設の1996年シーズンからレーベンズに在籍し、2001年のスーパーボウルで最優秀選手に輝いたルイスは、この日も勝負どころで守備を引っ張り、有終の美を飾った。


 攻撃の司令塔がQBなら、守備の中心はLBだ。ルイスは常にレーベンズ守備の中央に位置して、仲間を統率してきた。記憶に新しいのが、コルツ時代のQBペイトン・マニング(現ブロンコス)との対戦だ。相手の守備陣形を見てとっさにプレーを切り替えるマニングの「オーディブル」に対抗して、ルイスも守備の作戦を変更する。お互いが戦術を読み合い、ハンドシグナルを駆使して攻守を操る光景には、フットボールの醍醐味が詰まっていた。


 波瀾万丈な人生も人々をひきつけた。決して恵まれた家庭環境ではなかったが、フットボールに打ち込むことで道を切り開いた。自らと同じような境遇の子どもたちを支援するべく、レーベンズの本拠のボルティモアで慈善活動を続けている。2000年には殺人事件への関与が疑われ、ダーティーなイメージがつきまとったが、圧倒的な活躍でスーパースターへの階段をかけ上がった。


 衰えは隠せなかった。スーパーボウルではルイスがWRに振り切られ、49ersのパスが次々に決まった。ボールキャリアを追いかける姿に、往年のスピードはない。オフェンスラインにブロックではじき飛ばされる場面もあった。それでもレーベンズ守備のかなめとして、味方を鼓舞し続けた。


 第4クオーター残り2分。逆転を狙う49ersに攻め込まれたが、「絶対にゴールラインを守る」と誓い合い、逆転を許さなかった。紙吹雪が舞う中、仲間と抱き合って喜びを爆発させたルイスは「ようやく旅が終わった。仲間に感謝している」と目に涙を浮かべた。レーベンズ一筋に17シーズン。みなぎる闘志でチームをけん引してきた男は、思い残すことなくユニフォームを脱ぐ。

【写真】49ersのデービス(中央)をタックルするレーベンズのルイス(右)とアップショー=ニューオーリンズ(ロイター=共同)