関西学生リーグ最終日、全勝対決となった関学大と立命大の一戦は25日、大阪・長居陸上競技場で行われ、関学大が27―0でライバル対決を制し、3年連続52度目の優勝を果たした。秋のリーグ戦では28年ぶりに立命大を完封した。関学大は全日本大学選手権決勝「甲子園ボウル」の出場権を懸け、12月2日に名城大(東海)との西日本代表決定戦に臨む。


 ▽「ワイルドキャット」で先制
 0―0で迎えた第2クオーター。関学大はパントブロックから絶好のチャンスを得る。敵陣ゴール前の攻撃シリーズ。第3ダウンの攻撃終了の笛が鳴り響くと、それがスタートの合図のように、ものすごい勢いで重量級のメンバーがフィールドに入ってきた。この日何度も使ったRB望月麻樹がQBのポジションに入る「ワイルドキャット」フォーメーション。立命大守備の準備が十分に整わないまま、あっという間にプレーを開始すると、望月が自らエンドゾーンに飛び込んで先制のTDを奪った。きっ抗した試合展開で、喉から手が出るほど先制点が欲しい状況だった。残り1ヤードとはいえ、第4ダウンではFGを選択するのがセオリーだ。しかし、第3ダウンの時点で必ずTDを狙うための第4ダウンのプレーコールが用意されていた。第3クオーターのゴール前のチャンスでは、QB畑卓志郎から181センチのWR小山泰史の長身を生かした滞空時間の長いパスでダメ押しのTDを奪った。攻撃リズムの変化から空中戦まで、学生王者が引き出しの多さを見せつけた。


 ▽立命大の誤算
 野球では、捕手が代わると投手の調子が大きく変化することがある。投球の組み立てなどの技術的な要素もあるが、安心して投げ込めるというバッテリー間の信頼関係に起因するところが大きい。フットボールでも「あうんの呼吸」で意思疎通ができる、QBとWRの関係が存在する。立命大のQB荒木裕一朗とWR宜本潤平は小学生のころから10年以上コンビを組む日本のフットボール界屈指の「ホットライン」だ。2009年に米国で開催されたU―19(19歳以下)W杯では2人そろって大会のベストイレブンに選ばれた。受賞時に宜本がこんな談話を残している。「(荒木とは)他の選手にはない特別な感覚があり、厳しい戦いの中でもお互いを信じてプレーすることができる」
 この日も序盤から荒木が宜本へ小気味いいパスを次々に決めた。しかし、宜本が前半に負傷退場すると関学大の攻守にも阻まれて、精彩を欠いた。試合後、エースWRの負傷退場の影響について問われた荒木は、「他にもいいレシーバーはたくさんいる。要所でパスを決められなかった自分の責任」と話した。


 ▽打倒社会人の取り組み
 今季の関学大は日本選手権(ライスボウル)制覇を目標にチーム作りをしてきた。日ごろの練習から社会人に当たり負けしないようなハードなタックルを意識することはもちろん、チーム全体で肉体改造にも取り組んだ。下宿生は一緒に朝食をとるようにするなど、食事やトレーニングの質にもこだわってきたそうだ。主将のDL梶原誠人は「体重を維持したまま、20%台だった体脂肪率を10%台に落とすことができた。動きの切れやスピードが増した」と取り組みの成果を実感していた。
 試合後、大一番を制した関学大の選手たちはすでに気持ちを切り替えていた。二つのTDランを決めたRB望月は「立命館はあくまで通過点。1月3日に社会人を倒すことしか考えていない」と、前年のライスボウルのリベンジに燃えていた。

【写真】第3クオーター、関学大QB畑が投じたTDパスを長身を生かして捕球するWR小山=撮影:Yukie Nishizawa