陸上、水泳、ゴルフのように記録やスコアを競う競技や、体操、フィギュアスケートのような採点競技を別にすれば、多くの対戦型スポーツでは、銅メダルは3位決定戦によって決まる。
 表彰台に立つ3人(チーム)は、決勝の勝者、敗者そして3位決定戦の勝者ということになる。


 誰もが勝って終わりたい。今夏のリオ五輪、レスリング女子53キロ級で銀メダルとなった吉田沙保里選手が「『終わりが勝つか負けるかでは違う』と(亡き父、栄勝さんに)怒られるかもしれない」と話したが、戦う者の気持ちは皆同じではないか。


 3位のチームは勝利で終わることができるが、それも金、銀、銅というメダルの位置づけがはっきりしている五輪や、サッカー、ラグビーのワールドカップのように3位決定戦が定着している競技ならではのこと。
 意義付けやモチベーションがはっきりしない戦いは選手にとっても監督やコーチにとっても難しさだけが募る。


 前置きが長くなった。一月ほど前に3、4位順位決定戦という名の試合を撮影した。Xリーグの3地区で行われた中の2ゲームだ。
 11月26日、中地区のノジマ相模原ライズ対東京ガスクリエイターズの一戦は、ノジマ相模原が69―7で圧勝した。


 翌27日のアサヒビール・シルバースター対オール三菱ライオンズは、アサヒビールが17―0で勝利した。
 今季、新対戦方式で熱戦が続いたリーグ戦に比べると、お世辞にも面白い試合とは言えなかった。まして、最後のプレーで勝敗が決まった社会人準決勝、富士通フロンティアーズ対IBMビッグブルーの熱戦の後に戦うことになったアサヒビール対オール三菱の一戦は、撮影しながら寂しさを禁じ得なかった。


 試合後、アサヒビールの岡潔ヘッドコーチは、準々決勝でパナソニック・インパルスに敗れた後3、4位順位決定戦へ向けてのチームのモチベーションを保つのはとても難しかったと率直に打ち明けてくれた。
 ノジマ相模原については、東京ガスとはリーグ戦中で対戦して結果が出ており、改めて対戦することへの疑問も感じた。


 地区内の順位決定は今の方法の前提となる。欠かすことができなかったのは理解している。しかし、選手やコーチたちに、この試合を戦う意味を本当に納得させることができたのかは疑問だ。
 空前の好試合、名勝負ラッシュとなった今季のXリーグで、明らかに蛇足だったと感じた。


 12月25日、横浜スタジアムで東西大学対抗戦 第3回「TOKYO BOWL」では、関西学生リーグ2位の立命館大学と関東学生リーグ1部TOP8順列2位の慶応大学が対戦した。
 事実上、学生の「3位決定戦」とも言えるこの戦いは、立命大が44―6で大勝した。立命大は2年前にも法政大学相手に、存分に力を見せつけて大勝している。


 試合後、米倉輝監督は「今季は、(甲子園ボウル西日本代表決定戦も含め関学大に2度負けて)2倍屈辱を味わった上でここに来ている。そういう意味では、非常にタフな状況からよくここまでチームを持ってきてくれた。純粋に勝利を目指す中で、3回生以下に何かを残してくれた。そこは誇りに思っている」と話した。


 攻守のライン戦で、学生随一のフィジカルを持つ立命大に圧倒され、ターンオーバー量産で自滅する形となった慶応大は、1TDも奪えない屈辱の敗戦となった。
 とはいえ決して取り組みが甘かったとは思えない。主将のRB李卓は、試合途中で左肩を骨折する重傷を負いながら、劣勢の自軍の状況にいても立ってもいられずに、第4クオーター出場する気迫を見せた。
 負傷を押しての強行出場を美化する気はないが、慶応大のこの試合にかけた意気込みを物語っている。


 このボウルゲームが、この後どのような存在として続いていくのか、予想は難しい。しかし、選手やサイドラインの取り組みを見ると、華やかなボウルゲームというよりは、日本的な決戦のフットボールゲームとして発展していくことになるのかなと考えた。


 今季、私が見たかった試合がある。それはパナソニックとIBMの対戦だ。今季の社会人4強は、例年に比べても本当に実力差がなかった。
 個人的に、この2チームによるジャパンエックスボウルを予想していた。間違いなく面白い試合になったと思う。


 社会人でも「3位決定戦」をやってくれないものだろうか。会場の問題などが生じるが、例えば「TOKYO BOWL」を学生と社会人の両者共催としてダブルヘッダーで行う手もあるのではないか。そんなことを考えながら、年の瀬を過ごしている。

【写真】「TOKYO BOWL」の第3クオーター9分39秒、立命大TE成田がTDを決めてチームメートに祝福される=撮影:Yosei Kozano