スーパーボウルも終わりました。これで本当にシーズン終了。今回からはしばらく2013~14年シーズンで印象的だったことを書いていきたいと思います。


 まず今回は、関西学院大学3年生QB、背番号「11」の斎藤圭選手についてです。
 甲子園ボウルのフィールドでみせた「笑顔」、とても印象的でした。オフェンスがちょっとうまくいかないときでも、常に柔らかな表情で仲間とコミュニケーションをとっていましたよね。それは1年前の甲子園ボウルにはまったくなかった表情でした。


 今シーズンの甲子園ボウル前のこと。昨年までのエースQB畑卓志郎選手に、この1年間の斎藤選手の成長について聞いてみました。
 「斎藤は昨年の悔しさをバネに何が何でもスタメンをとって、チームを日本一にすると決意して取り組んできた。夏までは周囲の不安要素だったけれど、秋のシーズンが深まるにつれ、自信がついて堂々とプレーしていて、その姿は見違えるほど。だから甲子園ボウルでは昨年の悔しさを晴らすべく大活躍してチームをまずは学生日本一に導いてほしい」


 斎藤選手、今シーズンのリーグ戦での被インターセプトは、たったの一つでした。それもその一つは初戦でのこと。なんとファーストプレーだったそうです。そこからはずっとインターセプトをされませんでした。
 第4節の神戸大戦にはパスプレーがたくさんコールされたなかで結果を出しました。やればできる。あの試合が自信になり、以来試合を楽しめるようになったと斎藤選手は振り返ります。つまりあの「笑顔」は、決して無理したのではなく、自然と出てくるものだったのですね。


 ライスボウルを前に、オービックの古庄直樹キャプテンにも斎藤選手について聞いてみました。
 「斎藤のことは昨シーズン(2012~13年)の延長線上でイメージしていたけど、今シーズンのパフォーマンスをVTRで見たら全然違っていて驚いた」
 そして斎藤選手は甲子園ボウル前の記者会見で、関学のQBとは何か質問され、「常に200人の部員と何万人のファンと3000人のOBの見る中でプレーしなければならない。それだけ責任ある存在」と答えたそうですが、古庄選手は「そんなことを言えるQBに成長したんやな。心身ともにエースQBになったな」と、その成長にとても感心したと話してくれました。


 エースQB畑選手のけがで、急きょスターター出場した1年前の甲子園ボウルでは「頭が真っ白になった」という斎藤選手。何もできなかった。第4Q、畑選手に交替したときは「畑さんがどうにかしてくれる」と思ってサイドラインにいた。あのときはメンタルも技術も足りなかった…。
 あれから―。4年生が求めるプレー。関学のエースQBという重圧。苦しんでいた斎藤選手を救ったのは夏、4年生レシーバー梅本裕之選手の言葉でした。
 「ずっとお前を信じてきた」―。


 4年生のために。4年生とともに。自覚が芽生えた「3年生の夏」。そしてそこから大きく成長した「3年生のシーズン」でした。
 さあ、これから迎える最終学年のシーズン。最後の1年というのは、単に大学4年間の「4分の1」ではないはずです。1年後、斎藤選手がどんな表情で大舞台のフィールドに立つのか、今から楽しみでなりません。

【写真】今季、関学大のエースQBとして飛躍的な成長をみせた斎藤圭