今シーズン初めて担当した中継は、10月21日に等々力競技場で行われた、MXテレビでの鹿島と富士通の試合でした。
 春のパールボウルと同じカード。しかも昨年はシーズン終盤に2度対戦。いったいこれまで何度このカードの取材をしてきたことか。


 そんな中、両チームを取材して感じた今回の試合最大の注目ポイントは、「この秋富士通に加入した外国人選手3人が、どのようなパフォーマンスをみせるのか」ということでした。
 特に注目はRBゴードンとDBアディヤミ。ゴードンはここまで全試合に出場しているのに対し、アディヤミは試合出場なし。まったく情報がありません。鹿島にとっては「相当能力が高い“らしい”」という噂だけで、実際のところはコーナーバックで出るのかセーフティーで出るのかもわからない状態。


 一方の富士通も、アディヤミが試合でどれだけのパフォーマンスを見せてくれるのかは未知数。もしかしたら、とんでもない能力を発揮してくれるんじゃないかと楽しみにしている様子でした。


 さて試合。ゴードン、終始目立っていましたね。ファーストシリーズのタッチダウンもゴードン選手。あれだけ活躍してくれれば、リポートを入れるタイミングもたくさんあるものです!!最低限伝えるべき内容はお伝えできたかと思います。
 一方でアディヤミ選手については…。全く触れるタイミングがありません。鹿島がアディヤミのサイドのパスを避けていたのか、それともアディヤミに目立った動きがなかったのか。私にはそこまでは分かりませんでしたが、いずれにせよ、このままじゃ鹿島がどれだけアディヤミを警戒していたのかが、テレビを見ている人たちに全く伝わらないなあと、ぽやーんと思っていた、そのときでした。


 「アディヤミ、エンドゾーン内でのインターセプト!」―。私、目の前で見ていたのですが、これは驚きのパフォーマンスでした。なんと表現すればいいのか? どこがどうとは言えないのですが、とにかく、今までに見たことがない速さと動作だったのです。
 鮮烈なデビューでした。試合後、富士通のコーチで元QBの中澤さんが言っていました。「まさかQBもあのタイミングで前に入られるとは思わなかっただろう」と。平井キャプテンも言いました。「アディ、ホンモノでした!」―。


 ただ、あのプレー、鹿島としては、完全にアディヤミの身体能力だけにやられたわけではないのです。どうやらパスユニットにミスはあったようです。となると鹿島のパスユニットは、アディヤミとは勝負できる手応えがあったのか? もしくは能力の片鱗はみせたものの、まだまだあんなもんじゃないはずと感じたのか?


 どちらにせよ、あの1プレーで今後富士通と対戦するチームに、アディヤミの存在が非常に危険であるという意識を植え付けたのは間違いないでしょう。そして、今後各チームのエースレシーバーとアディヤミのマッチアップは大きなみどころとなりそうですね。

【写真】力強い突進を見せた富士通のRBゴードン=撮影Yosei Kozano、21日、等々力陸上競技場