今年のNFLは新人たちの活躍が目覚ましい。
 開幕戦でブレークしたチーフスのRBカリーム・ハントを始め、テキサンズQBデショーン・ワトソン、ジャガーズRBレオナード・フォーネット、セインツCBマーション・ラティモアらがすでに主力の仲間入りを果たしている。


 一方で40歳を超える現役選手も元気だ。
 まずはペイトリオッツのQBトム・ブレイディ。徹底的な健康管理で知られるブレイディは、第6週終了時点で、パスによる獲得距離が1959ヤードでリーグトップだ。パスの成功率も65.7パーセントと高く、TDパス数はすでに13を数える。シーズンで35個に及ぶペースだ。実現すれば18年のキャリアで5番目の成績となる。


 この時期ですでに2敗しているなど、例年に比べると安定感がないと見られがちなペイトリオッツだが、ブレイディ個人の調子はいい。
 エースWRジュリアン・エデルマンが、膝のじん帯断裂で今季絶望となった中でこの成績はさすがと言うべきだ。


 もう一人特筆すべきは、ブレイディともかつてチームメートだったKアダム・ビナティエリ(コルツ)だ。 12月に45歳の誕生日を迎える。それでも第5週の49ers戦と6週のタイタンズ戦でいずれも50ヤードを超えるFGを成功させるなどキック力は健在だ。
 40歳を過ぎてからの50ヤード超のFG成功は21本だそうで、歴代トップの成績だ。2位のジェイソン・ハンソン(元ライオンズ)が10だから、そのすごさが分かる。


 通算FG成功数は542回でNFL史上2位。ただし、歴代最多のモーテン・アンダーセンまであとわずか23だから、順調にいけば来季にも記録更新が可能だ。


 勝負強さもある。ペイトリオッツ時代の2001、03年シーズンのスーパーボウルは、ともにビナティエリのFGが決勝点となった。
 オーバータイムでのFGも通算で10回成功しており、これもNFL記録だ。


 1996年にドラフト外でペイトリオッツに入団し、2006年にコルツに移籍して現在に至る。その間にスーパーボウルは計6回出場し、四つのリングを獲得している。
 ブレイディ、ペイトン・マニングといった2000年代を代表する二人のQBと一緒にスーパーボウルで勝ったことのある稀有な存在でもある。


 さすがに頭には白いものが目立つようになったが、頼りになるポイントゲッターである事実は変わらない。
 Kというポジションはなかなか殿堂入りが難しい。過去に4人しかおらず、アンダーセンですら引退から10年たった昨年にようやく殿堂入りを果たしたほどだ。


 さすがにビナティエリはスーパーボウルでの活躍もあるので、資格取得1年目(引退から5年経過)で殿堂入りが認められるだろう。
 もっとも、それが実現するのは、まだまだ遠い日のことになりそうなのだが。

【写真】10月16日のタイタンズ戦で、36ヤードのFGを決めたコルツのKビナティエリ(右)(AP=共同)