前年優勝のペイトリオッツが敗れて波乱の幕開けとなったNFL第1週は、新人RBの活躍が目立った。
 わずか1試合を消化したにすぎないが、ラッシング距離のトップ10のうち上位2人を含む4人がルーキーである。


 開幕週のリーディングラッシャーはチーフスのカリーム・ハントだ。17回のボールキャリーで178ヤード、1TDを稼ぎ、パスキャッチでも5回で98ヤード、2TDを挙げた。
 プロ入り初のプレーでファンブルロストするという最悪のデビューとなったが、それが笑い話になってしまうくらいの活躍で、ペイトリオッツはハントを止める術を見つけられなかった。


 2位のダルビン・クックはバイキングズの新鋭だ。セインツ戦で22回のボールキャリーで127ヤードを走った。
 敵側のサイドラインには昨年までバイキングズのエースだったエイドリアン・ピーターソンがいた。わずか6キャリー18ヤードに終わったピーターソンを尻目に、世代交代を強烈に印象付けた。


 今年のドラフトでRBとして最初(1巡、全体の4番目)に指名を受けたレオナード・フォーネット(5位)も100ヤードラッシュを達成し、将来のジャガーズを担う大型バックとして期待される。


 10傑のうちのもう一人の新人は、ベアーズのタリック・コーヘンだ。5回で66ヤード(10位)と数字は特筆すべきものはないが、身長が168センチしかないにもかかわらず巨漢DLやLBを翻弄する素早い動きは小気味いい。
 彼がファルコンズ戦で見せた46ヤードランは、ぜひハイライト映像で見ていただきたい。


 NFLにおけるRBのスタイルも大きく変わってきた。それはトップ10の数字にも表れている。1試合だけのサンプルだが、上位10人のRBのうち100ヤードラッシュを達成したのは上位5人のみだ。
 それこそ、ピーターソンのように1試合に20回以上走ってオフェンスの中心となるタイプのRBが多かった時代には考えられないほどの低い水準だ。


 昨年はリーグ全体で1試合平均のランプレー数は26回で過去最少だったそうだ。ちなみにランが主流だった1976年は平均36・9回だったというから、40年のうちに3割以上も減ったことになる。


 現在のNFLはパス偏重の傾向があり、ランよりもパスプレーを多く使うチームがほとんどだ。さらにRBも一人を起用し続けるのではなく、状況に合わせて2、3人を併用する。
 1試合における100ヤードラッシャーが生まれにくい時代なのだ。


 RBに求められる資質も時代によって変わる。現在はパスキャッチ能力とパスプロテクションの技術が必須だ。
 そして、獲得距離もラッシングだけではなく、パスキャッチを合わせたスクリメージヤードで評価されることが多くなった。


 第1週のRBの成績をスクリメージヤードで判断すると、1位は変わらずハント(246ヤード)だが、2位にはラッシング3位のルショーン・マッコイ(ビルズ)が浮上する。
 さらにランで10位だったコーヘンは一気に5位となる。そして、ここでも上位5選手のうち4人がルーキーだ。


 やはりどのチームも時代に合ったRBを必要としている証拠だ。ラン一辺倒のRBは次第に淘汰され、パス攻撃の軸として計算できる人材が残っていくのだろう。
 そんな時代の流れを感じされる新人RBたちの台頭だった。

【写真】ペイトリオッツとの開幕戦でTDを挙げ、誇らしげなチーフスの新人RBカリーム・ハント(AP=共同)