NFLのドラフトがアメリカ東部時間4月27日(日本時間28日)にフィラデルフィアで始まった。3日間の日程で初日は1巡のみで、28日に2~3巡、最終日に7巡までの指名が行われる。


 1巡指名では各チームの持ち時間は10分。その時間内に指名選手を決めなければならない。
 今年はトレードなどにより、ブラウンズ、タイタンズ、セインツ、49ersがそれぞれ複数の1巡指名権を持ち、ラムズ、バイキングズ、シーホークス、パッカーズ、ペイトリオッツは指名を持たなかった。


 全体1位指名権を持っていたブラウンズは、テキサス農工大のDEマイルズ・ギャレットを指名した。これは予想通りでかつ賢明な判断だ。


 QBをターゲットにするという情報もあったが、今年のQBは例年に比べるとややタレントに乏しい。それに比べてギャレットはドラフト候補生の中でも傑出したアスリートで、即戦力だ。
 年に2回対戦する同地区ライバルがベン・ロスリスバーガー(スティーラーズ)、ジョー・フラッコ(レーベンズ)、アンディ・ドルトン(ベンガルズ)といった好パサーを擁するだけにパスラッシャー獲得は堅実だ。


 波乱のないトップ指名だったが、動きがあったのはこの直後だ。3番目指名のベアーズが2位の49ersと指名権の交換を行い、QBミッチェル・トルビースキー(ノースカロライナ大)を獲得した。
 ベアーズは過去8年先発を務めたジェイ・カトラーを放出し、新体制に移行する意思を表明していた。しかし、トレードアップしてまでトルビースキーを指名したのは予想外だった。


 これに慌てたのがチーフスだ。チーフスはアレックス・スミスの後継者をそろそろ見つけておかなければいけない。
 しかし、早くもトルビースキーが指名されてしまったため、本来持っていた27番目の権利ではQBが獲得できない可能性が出てきた。そこで10位のビルズとトレードして順位を上げ、パトリック・マホームズ(テキサス工科大)を取りにいった。


 QB争奪戦にはテキサンズも加わった。ブラウンズの12番目指名権と自身の25位を交換し、クレムソン大のデショーン・ワトソン獲得に成功した。


 QBは低調との前評判だったが、蓋を開けてみれば1巡の前半だけで3人もの指名が決まった。
 そして、QB発掘が急務とされたブラウンズや49ersは1巡での獲得を見送った。このあたりの判断は興味深い。


 ディフェンスに人材が厚いとされた今年のドラフトだが、オフェンスのスキルポジションにも人気が集まった。
 4位指名のジャガーズはルイジアナ州立大のRBレオナード・フォーネット、続くタイタンズはウエスタンミシガン大のWRコーリー・デービスを指名した。


 7~9番目ではロサンゼルスに本拠地を移したチャージャーズ、パンサーズ、ベンガルズがそれぞれWRマイク・ウィリアムズ(クレムソン大)、RBクリスチャン・マカフリー(スタンフォード大)、WRジョシュ・ロス(ワシントン大)を獲得した。


 ジャガーズはオフェンスの核となる選手を必要としており、タイタンズやベンガルズはパスオフェンスを強化したい。そうしたニーズに合ったドラフト戦略と見ていい。


 DBの上位指名も多く、ジェッツから指名を受けたジャマール・アダムス(ルイジアナ州立大)、セインツが獲得したCBマーション・ラティモア(オハイオ州立大)、ラティモアとチームメートだったマリク・フッカー(コルツ)らも新人ながら先発メンバーとして登場してくることが期待される。


 1巡終盤にはブラウンズが活発な動きを見せた。パッカーズに2巡1番目、3巡12番目を譲渡して29位指名権を獲得、マイアミ大学(フロリダ)のTEデービッド・エンジョクを指名した。
 1巡だけで三つの指名権を行使するという、意欲的なドラフトになった。

【写真】全体1位でブラウンズに指名されたテキサス農工大のDEマイルズ・ギャレット(AP=共同)