NFLは第3週を迎えたばかりで、現在の成績で今季のチームの戦力を評価するのはあまりにも早計だ。それでも、すでにシーズン前の思惑とは違った方向に進んでしまっているチームもある。
 その一つはバッカニアーズだ。第2週を終えて1勝1敗のスタートは過去5年で計23勝のチームにしては悪くない。しかし、オフェンス強化に努めた反動か、ディフェンスが不調だ。


 バッカニアーズといえば90年代後半に当時のトニー・ダンジーHCがディフェンスの力で弱小チームをプレーオフの常連にまで変貌させたチームだ。だから、守備力のチームというイメージが強い。
 皮肉にもそのダンジーが解雇され、ジョン・グルーデンが後を継いだ最初の年(2002年)にスーパーボウル初優勝を果たした。堅固な守備に得点力の高いオフェンスを加えたグルーデンの功績だ。そのグルーデンもプレーオフ出場を逃した2008年を最後にチームを追われ、以降バッカニアーズは低迷が続いている。


 最近ではWRマイク・エバンス、ビンセント・ジャクソン、RBダグ・マーティンなどオフェンスにタレントがそろい始め、昨年のドラフト1巡1位でQBジェーミス・ウィンストンを指名したこともあって一気にオフェンス主導のチームとなった。
 この傾向を推し進めるためにディフェンス畑出身のラビー・スミスを解任して攻撃コーディネーターだったダーク・カッターをHCに昇格させたほどだ。


 開幕戦は好調だった。ウィンストンが4TDパスを成功させて地区ライバルのファルコンズに逆転勝ちした。ところが翌週は一転して四つの被インターセプトという大乱調。カージナルスに7―40と惨敗した。
 2試合の得失差は-26。ディフェンスに相手を封じる力がないから、オフェンスの好不調がそのまま勝敗に直結するという不安定な状態だ。
 さらにマーティンがハムストリングを痛めて3週間ほど戦列を離れるという事態も生じた。10月にはブロンコスやパンサーズといった強豪との試合が控えており、厳しい序盤の戦いが続く。


 補強の成果が見えないのはジャガーズ(0勝2敗)も同じだ。このオフはディフェンスを中心に大幅な選手獲得を行った。
 しかし、失点65はワースト3位タイ。フリーエージェントでむやみに選手を集めてもそれだけでは結果に結びつかないという典型的な例だ。


 昨季NFC東地区を制したレッドスキンズは開幕2連敗の苦しいスタートだ。昨年の活躍で契約更新を手にしたQBカーク・カズンズだったが、今年は1TDパスに対してインターセプトが2回。パスの成功率こそ65%を超えているが、オープンになっているレシーバーを見逃して得点機を逸してチームメートからも批判を受けている。


 そして、早くもHC解任の噂が出ているのがビルズだ。レックス・ライアンHCはまだ就任2年目だが、彼の得意分野であるはずのディフェンスで結果が出ない。
 むしろ、彼の就任前の方が1試合平均の失点は少なく、リーグ内でのランキングも高かった。今年はオフ中に双子の弟であるロブをアシスタントHCとして参画させて改善を図ったが、まだその成果は出ていない。


 開幕2連敗を喫した後、ライアンは攻撃コーディネーターのグレッグ・ローマンを解雇した。この早すぎる決断にわざわざオーナーが出てきて選手に経緯説明をするといった異常事態だ。
 これだけのことを断行しておいて、やっぱり勝てませんでは許されるはずもない。第4週にはペイトリオッツとの試合がある。この時点で万が一0勝4敗と低迷するようなことがあれば、ライアンはシーズン終了を待たずにその職を失う可能性もある。


 各チームの戦力がはっきりと見えてくるのはそれぞれが4試合前後を消化したころだ。だから、今の成績で一喜一憂する必要はない。しかし、オフ中の計画から大きく外れているチームは傷口が広がる前に早急な修正が必要だ。

【写真】第2週のカージナルス戦で4インターセプトを喫したバッカニアーズのQBウィンストン(AP=共同)