NFLはレギュラーシーズンの全日程を終了し、プレーオフに進む12チームが出そろった。AFCではワイルドカードでの出場をほぼ手中に収めていたジェッツ(10勝6敗)がビルズ(8勝8敗)に敗れてプレーオフを逃し、代わりにスティーラーズ(10勝6敗)が最終枠に滑り込んだ。
 ジェッツとスティーラーズは同勝率でシーズンを終えたが、タイブレークルール(この場合は共通の対戦相手に対する勝敗成績で、ジェッツの3勝2敗に対してスティーラーズが4勝1敗で上回る)の適用による。


 AFCのシード順は以下の通り。
①ブロンコス(12勝4敗)
②ペイトリオッツ(12勝4敗)
③ベンガルズ(12勝4敗)
④テキサンズ(9勝7敗)
⑤チーフス(11勝5敗)
⑥スティーラーズ(10勝6敗)
 第1~4シードは地区優勝チームのうち、勝率の高い順。ブロンコスはペイトリオッツ、ベンガルズとの直接対決にそれぞれ勝っているため上位になり、ペイトリオッツとベンガルズは、共通する相手との対戦成績でペイトリオッツ(4勝1敗)がベンガルズ(2勝3敗)を上回った。


 NFCは第16週までにプレーオフ進出6チームが決まっていたが、シード順位は最終週の結果によって決まった。北地区優勝争いは最終の第17週の直接対決を制したバイキングズ(11勝5敗)が勝利し、2009年以来のディビジョンタイトルを手にした。
 敗れたパッカーズ(10勝6敗)は第5シードとなったが、初戦が6チームの中で最も勝率の低いレッドスキンズ(9勝7敗)との組み合わせで、むしろ楽との見方もある。
 一方、第3シードとなったバイキングズは最近7試合で6勝と好調のシーホークス(10勝6敗)との対戦だ。


 NFCのシード順位は以下の通り
①パンサーズ(15勝1敗)
②カージナルス(13勝3敗)
③バイキングズ(11勝5敗)
④レッドスキンズ(9勝7敗)
⑤パッカーズ(10勝6敗)
⑥シーホークス(10勝6敗)
 パッカーズとシーホークスの順位は第2週の直接対決(パッカーズが27―17で勝利)の結果による。


 ポストシーズンを迎えたチーム以外の20球団はすでに来季への準備が始まった。シーズン終了直後にブラウンズ(マイク・ペティン)、49ers(ジム・トムスーラ)、バッカニアーズ(ラビー・スミス)がヘッドコーチ(HC)の解任を発表した。
 これらに加え、第16週終了直後にチップ・ケリーを解雇したイーグルス、シーズン途中で指揮官を代えたドルフィンズ、タイタンズ、さらにトム・コフリンが辞任したジャイアンツも新たなHCを迎えることになる。


 さて、今週末はいよいよプレーオフの1回戦(ワイルドカードラウンド)が行われる。両カンファレンスともに第3シードが第6シードを、第4シードが第5シードをそれぞれホームに迎える。第1、2シードはバイウィークで、1回戦を勝ち上がったチームのうちシード順位の低い方が準決勝(ディビジョナルプレーオフ)で第1シード、高い方が第2シードと対戦する。


 ▽チーフス(11勝5敗)@テキサンズ(9勝7敗)
 1勝5敗のスタートから10連勝でプレーオフ出場を決めたチーフスに勢いがある。QBアレックス・スミスは派手さこそないものの、ミスの少ないクオーターバッキングでオフェンスを率いる。
 WRジェレミー・マクリン、TEトラビス・ケルシー、RBチャーキャンドリック・ウェストがオフェンスのプレーメーカーだ。


 ディフェンスはパスラッシュの名手OLBジャスティン・ヒューストンが6試合ぶりに復帰の見込み。タンバ・ハリとともにQBにプレッシャーをかける。
 テキサンズは不調や故障で4人のQBを使い分けながらなんとか南地区の優勝を決めてプレーオフに進出した。チームを支えるのは何と言ってもスターDEのJ・Jワットだ。今季17・5サックで2度目のサック王に輝いた。
 逆サイドのOLBホィットニー・マーシラスの成長もあり、パスラッシュはリーグトップクラスだ。オフェンスはプレーオフ初出場となるQBブライアン・ホイヤー次第だが、タレント不足は否めない。


 ▽スティーラーズ(10勝6敗)@ベンガルズ(12勝4敗)
 今季3度目の対決。この2チームの対戦は主力選手がけがをするという不運が付きまとう。過去に一度だけ実現したプレーオフでの対戦(2005年シーズン)ではベンガルズのQBカーソン・パーマー(現カージナルス)が膝の靱帯を断裂し、チームも敗退。勢いに乗ったスティーラーズは第6シードからスーパーボウル優勝にまで上り詰めた。


 昨年の第17週と今季の第8週の対戦ではスティーラーズのRBレベオン・ベルがシーズン絶望の重傷を負い、第14週にはベンガルズのQBアンディ・ドルトンが右手親指を骨折した。
 そのドルトンはようやくギプスは外れたものの、この試合には間に合わない見通しだ。AJマキャロンの出来が勝敗を左右する。


 鍵はベンガルズのディフェンスがいかにスティーラーズオフェンスを止めるかだ。QBベン・ロスリスバーガーはロングパスを連発し、アントニオ・ブラウン、マータビス・ブライアント、マーカス・ウィートンのWRトリオがTDを量産する。
 ベンガルズはDEカルロス・ダンラップ(13・5サック)とDTジノ・アトキンス(11サック)のラッシュでプレッシャーをかけたい。


 ▽シーホークス(10勝6敗)@バイキングズ(11勝5敗)
 シーホークスは前人未到のNFC3連覇を目指す。シーズン中の対戦はシーホークスが38―7と圧倒した。
 この時はバイキングズのエースRBエイドリアン・ピーターソンがシーホークスの堅いディフェンスに完全に封じられ、オフェンスが機能しなかった。オフェンスの核となるピーターソンを抑えられると次の手が打てないという弱点をさらしてしまったバイキングズが、その後の1カ月でどのように成長してきたかが試される。


 シーホークスはオフェンスも好調だ。QBラッセル・ウィルソンは最近7試合(6勝1敗)で24TDパスに対し被インターセプトはわずかに一つだけ。NFL最多タイの14TDをマークしたWRダグ・ボールドウィンも健在で、攻守の歯車がかみ合ったいい状態でプレーオフを迎える。
 

 ▽パッカーズ(10勝6敗)@レッドスキンズ(9勝7敗)
 レッドスキンズはQBカーク・カズンズのパスが好調だ。全16試合でTDパスを決めるという球団史上二人目の快挙を成し遂げた。
 パッカーズのQBアーロン・ロジャースとパス合戦が実現すればハイスコアの試合が展開されるだろう。


 もっとも、試合巧者という点ではプレーオフ常連のパッカーズが一枚上か。RBエディ・レーシーもシーズン終盤に不振から脱し、TEリチャード・ロジャースもプレーメーカーとして台頭している。
 3年ぶりのプレーオフ出場のレッドスキンズに比べると、プレッシャーのかかる大舞台でも平常心でプレーできるだろう。
 

 1回戦はいずれもワイルドカードチームに勢いがあり、上位シードチームが全滅する可能性もあるとみている。そうした波乱の幕開けも50回目の節目を迎えるスーパーボウルを目指す戦いにはふさわしいかもしれない。 

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