NFLは第13週にパンサーズがプレーオフ決定第1号となった。同地区のセインツを41―388の接戦で破り、開幕12連勝。レギュラーシーズンの4試合を残して早くもNFC南地区3連覇を決めた。


 パンサーズは昨季14週から連勝中。攻守に能力のある選手がそろい、レベルの高いプレーを維持しているのが強さの秘訣だ。
 残る4試合で対戦する3チーム(同地区のファルコンズとの対戦が2回)で現在勝ち越しているチームはない。2007年のペイトリオッツ以来となるレギュラーシーズン全勝も見えてきた。
 そのペイトリオッツはイーグルス(5勝7敗)に敗れて開幕10連勝の後の2連敗。故障欠場したTEロブ・グロンカウスキーの穴は大きく、ディフェンスもイーグルスのテンポの速い攻撃に対応できなかった。


 AFCではベンガルズとブロンコスがともに勝ってペイトリオッツと並ぶ10勝2敗。この3チームは第14週にも地区優勝を決める可能性がある。
 南地区ではコルツとテキサンズが6勝6敗で並ぶ。コルツはいよいよQBアンドルー・ラックが復帰できそうだ。
 2枠のワイルドカードを争うレースはジェッツ、スティーラーズ、チーフスが7勝5敗でリードし、6勝6敗のビルズが追いかける展開だ。


 NFCでは西地区のカージナルスが10勝2敗で2009年以来のディビジョン優勝に王手をかけた。北では単独首位だったバイキングズがシーホークスに敗れて8勝4敗となり、ライオンズ相手に劇的な逆転勝利を飾ったパッカーズに並ばれた。
 数字の上では同率だが、直接対決でパッカーズが勝っているので実質的な首位はパッカーズだ。この2チームは最終週にグリーンベイで2度目の対戦が予定されている。東地区は残念ながらすべてが負け越しで、4勝8敗で最下位にあえぐカウボーイズにまで逆転地区優勝の可能が残されている状態だ。


 北地区の優勝争いに敗れたチームとシーホークス(7勝5敗)がワイルドカードの最有力候補で、6勝6敗のバッカニアーズとファルコンズがそれに続く。


 ここにきてシーホークスに勢いが出てきた。持ち前のディフェンスが本来のアグレッシブさを取り戻してきた。
 第13週のバイキングズ戦では、エースRBエイドリアン・ピーターソンをわずか18ヤードに抑えて38―7と圧勝した。これで3連勝。RBマーション・リンチがヘルニアの手術を受けた影響で戦列離脱中だが、ドラフト外入団の新人トーマス・ロールズが鋭いカットバック走法で活躍し、穴を埋めている。
 カージナルスに3ゲーム差をつけられているため残り4試合で逆転するのは難しいが、ワイルドカードでプレーオフに出れば台風の目となりそうな存在だ。


 敗れたバイキングズは今後に不安を残した。ピーターソンを封じられてしまうとオフェンスは打つ手がないという弱点を露呈してしまった。
 唯一のTDはキックオフリターンによるもので、オフェンスは完封されている。今後の対戦チームも当然ピーターソン対策を練ってくる。簡単に止められるRBではないが、ディフェンスが上回った時の次善の策は早急に用意しないとパッカーズとの優勝争いに踏みとどまるのは難しい。


 そのパッカーズは第12週まで開幕6連勝のあと1勝4敗と苦しんでいた。第13週のライオンズ戦でも21―23とリードを許したまま最後の攻撃を迎えた。
 第4Q残り6秒からパスを狙ったQBアーロン・ロジャースは、ライオンズのDEデビン・テイラーにサックされて試合終了か、と思われた。ところが、テイラーの手がわずかにロジャースのフェイスマスクにかかっており、反則。ゲームクロックは0秒だったが、反則のためにもう1プレー行われることになった。ここで奇跡的プレーが生まれる。


 ロジャースは自陣39ヤードからのプレーで、一時はライオンズのパスラッシュに押されて大きく下がったが、体勢を立て直して61ヤードの「ヘイルメリーパス」を成功させたのだ。NFL史に残る逆転サヨナラTDである。
 ネットニュースでも取り上げられたほどなので、ハイライト映像をご覧になった方も多いに違いない。一本のパスであっという間に勝敗が入れ替わってしまう。フットボールの醍醐味であり、怖さでもある。


 この劇的な勝利で今後のパッカーズは調子を取り戻すかもしれない。とすれば、現時点でのパッカーズとバイキングズのモメンタムはパッカーズ有利と見ることができる。
 先週までは3連勝中のバイキングズに勢いがあったが、これでわからなくなった。残り4週の優勝争いがより目の離せないものとなった。


 第14週は地区優勝やプレーオフ出場権をかけたチーム同士の好カードが組まれている。その一つがスティーラーズ@ベンガルズだ。
 今季の直接対決第2戦である。昨年は最終週でこの組み合わせがあり、勝利したスティーラーズが地区優勝を決めた。今回はベンガルズが勝てば地区優勝が決まる。昨季は苦い思いをしただけにリベンジをしたい。


 ベンガルズはQBアンディ・ダルトン、WR、A・Jグリーン、TEタイラー・アイファートのパスオフェンスに加え、DEカルロス・ダンラップ、DTジーノ・アトキンスらのパスラッシュも強力で、これがスティーラーズのQBベン・ロスリスバーガーのパスをいかに封じるかが鍵となる。前回対戦ではベンガルズが勝っている。

【写真】バイキングズのエースRBピーターソン(中央)に激しいタックルを浴びせるSSチャンセラー(31)らシーホークス守備陣(AP=共同)