前回のコラムで、「今シーズンのNFLは全勝がストップしたチームが意外に早く2敗目を喫する」と書いたが、ベンガルズもまたその通りになってしまった。
 NFC西地区1位のカージナルスとの対戦で敗れ、開幕8連勝のあとの2連敗。パッカーズ、ブロンコス同様に初黒星から連敗した。カージナルスは8勝2敗となり、無敗のパンサーズ(10勝0敗)に次ぐNFC2位を維持している。


 この試合でベンガルズはゲームマネジメントに失敗した。最大14点差をつけられた展開から第4Qに猛攻を見せ、28―31と追い上げたところで敵陣25ヤード、第3ダウン2ヤードという場面を迎えた。
 残り時間は1分14秒。ここでベンガルズは一気に勝負をつけるべく、TDを狙いに行った。しかし、QBアンディ・ドルトンからWRのA・Jグリーンへのパスはインコンプリート。次のプレーで43ヤードのFGを成功させて同点に追いついたのだった。


 ところが、ベンガルズはカージナルスに1分8秒の時間を残してしまい、結果的にカージナルスはこのチャンスを逃さず、32ヤードのFGを成功させて勝利する。
 TDで勝負を決めに行く積極性は間違っていない。だが、第3ダウン2ヤードからファーストダウン更新を狙ってからでも遅くはなかった。

 この時点でカージナルスはタイムアウトをすべて使い切っており、時計を止めるすべはない。ランでファーストダウンを取りに行き、成功すればそのまま攻撃を続けてTDを狙えばいい。
 止められて第4ダウンとなった場合にはギリギリまで時間を流してFGで同点とし、オーバータイムに持ち込む選択肢もあったはずだ。ベンチワークのミスが敗戦につながったというべきだ。


 AFC北地区で首位を独走していたベンガルズだが、2位のスティーラーズが6勝4敗で迫っており、余裕がなくなりつつある。もし、終盤で地区優勝を逃すような事態となれば、この敗戦は悔やまれることになるだろう。


 パンサーズはレッドスキンズに対しQBキャム・ニュートンが球団記録に並ぶ5TDパスで快勝。高得点をあげるオフェンスと失点の少ないディフェンスがかみ合って好調を持続している。
 ペイトリオッツは同地区ライバルで、2連勝中だったビルズを退けてチーム史上2度目の10勝0敗とした。前回開幕10連勝を飾ったのは、レギュラーシーズンで全勝した2007年。2度目の16勝0敗の可能性も高くなった。


 5勝5敗となったビルズだが、15年ぶりのプレーオフ進出に向けて望みをつないでいる。ちなみに、ビルズは現在のNFLで最も長くプレーオフから遠ざかっており、今世紀に入ってまだ出場のない唯一のチームである。


 そして、第11週もビッグネームの故障が相次いだ。レーベンズのQBジョー・フラッコは膝の靱帯断裂で今季絶望となり、第12週からはマット・ショーブが先発予定だ。
 3勝7敗と苦しむレーベンズには大きな打撃だ。また、シーホークスのRBマーション・リンチがヘルニアの手術を受け3~4週間の戦列離脱が濃厚となった。
 シーホークス(5勝5敗)はリンチを故障者リストには登録せず、シーズン終盤や可能性の残るプレーオフでの復帰を待つ方針だ。


 すでに欠場しているアンドルー・ラック(コルツ)とペイトン・マニング(ブロンコス)の二人のQBは復帰まであと数週間を要する見込みだ。


 いよいよNFLは終盤を迎える。第12週からはバイウィークのチームがなくなり、全32チームが12のプレーオフ枠を争う最終段階に突入する。
 第12週の口火を切るのは伝統のサンクスギビングデーゲームで、今年も感謝祭の26日(日本時間27日)に3試合が予定されている。


 このうちで注目されるのはパンサーズ@カウボーイズ(3勝7敗)だ。勝敗では大きな差がついているが、カウボーイズでは先週、QBトニー・ロモが鎖骨骨折から復帰、連敗を7で止めた。
 WRデズ・ブライアントとのホットラインでビッグプレーを生み出す力は十分にあるため、侮れない相手だ。通算ではカウボーイズが9勝1敗と圧倒的に相性がいい。アップセットがあっても不思議ではないカードだ。


 ベアーズ(4勝6敗)@パッカーズ(7勝3敗)では来年の殿堂入りが確実視されるブレット・ファーブの背番号「4」を永久欠番とする式典が行われる。
 ファーブがランボーフィールドを訪れるのは2007年の退団以来初めてとされる。往年の名QBバート・スターも駆けつけるとの情報があり、華やかなセレモニーとなりそうだ。


 日曜日の試合ではバイキングズ(7勝3敗)@ファルコンズ(6勝4敗)の試合に注目だ。バイキングズはパッカーズとNFC北地区の首位を争い、ファルコンズはワイルドカードでのプレーオフ進出を目指している。どちらにとっても落とせない大事な一戦だ。
 今季絶好調のエイドリアン・ピーターソン(バイキングズ)と、新進気鋭のデボンテ・フリーマン(ファルコンズ)のRB対決は興味深い。


 サンデーナイトではペイトリオッツとブロンコス(8勝2敗)が組まれている。マニングの欠場により、トム・ブレイディとのQB対決が見られないのは残念だが、ペイトリオッツのオフェンスとブロンコスのディフェンスは見どころ十分だ。
 ペイトリオッツはWRジュリアン・エデルマンを脚の骨折で欠き、ダニー・アメンドーラ、アーロン・ドブソンも故障中だが、TEロブ・グロンカウスキーは健在。対するブロンコスは強烈なパスラッシュで対抗したい。


 ペイトリオッツは第12週の結果次第で7年連続、最近12年で11回目の地区優勝が決まる。今年はスーパーボウルが50回の節目の年だ。
 NFLのプレスリリースによれば、その50年の歴史で10勝0敗のチームは過去に15例あり、そのすべてがプレーオフに進出している。そして、9チームがスーパーボウルに出場し、6チームが優勝している。


 データ上はペイトリオッツとパンサーズが有利だ。第38回大会(2003年シーズン)で対戦した両チームだが、このまま全勝同士のスーパーボウルが実現すれば、これほど50回大会にふさわしいマッチアップはない。