NFLは開幕から7連勝中だったブロンコスがコルツに敗れ、今季初黒星を喫した。ペイトリオッツ、ベンガルズ、パンサーズはそれぞれ全勝を守り8勝0敗。第9週を終了した時点で三つもの無敗チームが存在するのは史上初だ。


 ベンガルズとパンサーズはそれぞれ第10週に負け越し中のチームと対戦するため全勝記録を伸ばす可能性が高い。ペイトリオッツは過去に2回スーパーボウルで苦杯をなめているジャイアンツ(5勝4敗)と因縁の対決を迎える。


 因縁と言えばブロンコスのQBペイトン・マニングは古巣のコルツに土を付けられた。この試合に勝てばブレット・ファーブの持つレギュラーシーズン最多勝(186)を更新するはずだったが、それはお預けとなった。
 また、同じくファーブが保持するシーズン最長パッシング距離(7万1838ヤード)にも2ヤード満たずに終わった。


 敗因はマニング自身の二つの被インターセプトと、序盤で0―17と大きくリードを許したことだ。インターセプトはいずれもターゲットとなるレシーバーの前にディフェンダーが入り込んだもので、マニングの警戒不足ともいえるものだった。今季はパスが不調だが、こうした判断ミスにもその一因がある。
 序盤で3ポゼッション差を付けられたため、早めにパスオフェンスを展開せざるを得なかった。結果的にコルツの弱点であるランディフェンスを攻めることができず、ゲームプランが狂った。


 コルツはQBアンドルー・ラックがターンオーバーなしの安定した試合運びを見せた。ペップ・ハミルトン攻撃コーディネーターを解雇し、元ブラウンズのHCロブ・チャジンスキーがプレーコールを担当したことが功を奏したとみられる。
 24―24の同点で、キッカーのアダム・ビナティエリが決勝のFGを成功させて今季4勝目(5敗)を挙げた。


 コルツにとっては殊勲の勝利だったが代償も大きかった。ラックが腎臓裂傷の重症を負い、6週前後の戦列離脱が濃厚となったからだ。負け越しの成績とは言えAFC南地区で首位を走るコルツに最大のピンチが訪れた。


 スティーラーズ(55勝4敗)でもQBが受難した。ベン・ロスリスバーガーはレイダーズ戦でタックルを受けた際に左足を負傷。全治2~4週間と診断された。
 もっともスティーラーズは第10週に不振のブラウンズ(2勝7敗)と対戦した後バイウィークがあるため、第12週のシーホークス戦にはロスリスバーガーが復帰できる可能性があり、ダメージを最小限に抑えることできるかもしれない。


 第10週の注目の対戦はカージナルス(6勝2敗)@シーホークス(4勝4敗)だ。NFC西地区の首位攻防戦である。
 昨年はシーホークスが2勝しているが一昨年は1勝1敗の五分。カージナルスのQBカーソン・パーマーは今季すでに20TDパスを成功させており、キャリア最高クラスの好調を維持している。パスディフェンスの強いシーホークスとの真っ向勝負だ。


 例年カージナルスはシーズン終盤に失速する傾向があり、逆にシーホークスは12月に入ってからのゲームに強い。カージナルスはここでシーホークスを破ってゲーム差を広げたいところだ。
 シーホークスは序盤で負け越したために現在ようやく勝率5割。ラムズ(4勝4敗)がカージナルス、シーホークスにそれぞれ1勝してディビジョン内3戦全勝と不気味な存在だけにここで再び黒星先行となる事態は避けたい。


 NFLは後半戦に突入した。今季はペイトリオッツやベンガルズなど独走態勢に入ったチームがある一方でNFC東、北は混戦模様だ。
 シード順位、ワイルドカード争いが本格化するここからの8週間は、一つひとつの試合の重みが増す。レギュラーシーズンは早くも佳境を迎えた。

【写真】試合後に健闘をたたえ合うブロンコス・マニング(18)とコルツ・ラックの両エースQB(AP=共同)