NFLのレギュラーシーズンの折り返しとなる第8週は波乱の連続だった。注目の全勝対決となったパッカーズ対ブロンコスの試合は、終始QBアーロン・ロジャースにプレッシャーをかけたブロンコスのアグレッシブなディフェンスが試合をコントロールし、29―10と圧倒的な勝利を飾った。


  「マイルハイ」の異名通り海抜約1600メートルにあるデンバーでは空気が薄く、ビジターには厳しい環境だと言われる。パッカーズも適応に失敗したのか、第4Qには明らかにフィジカル面でのパフォーマンスが落ちていた。普段から運動量が多くタフなLBクレイ・マッシューズが肩で息をするという珍しい場面もあった。 
 パッカーズはカンファレンスが違うため4年に一度しか対戦しないブロンコスへの対策を誤ったという印象を持った。


 AFCではペイトリオッツがドルフィンズ、ベンガルズがスティーラーズとそれぞれ同地区ライバルを破って全勝を守った。パンサーズがコルツの終盤の追い上げを許して延長戦を強いられたが、FGで先制されたオーバータイムで2本のFGを成功させて勝利、NFCで唯一の負け知らずとなった。


 開幕戦で勝利したあと6連敗となったタイタンズはケン・ウィゼンハントHCを解任した。今季途中で解雇されたHCはドルフィンズのジョー・フィルビンに続いて二人目。タイタンズはアシスタントHCだったマイク・ムラーキーを代行として後半戦に臨む。


 昨季プレーオフに出場しながら今季は1勝7敗と苦戦しているライオンズもGMマーチン・メイヒューと球団社長のトム・ルワンドを解任した。DTダムコング・スーやニック・フェアリーの流出を阻止できず、効果的な補強策を打てなかった責任を問われた。ジム・コールドウェルHCは今回の「粛清」には含まれず、当面は指揮を続ける。


 主力選手に故障が相次いだ。スティーラーズはQBベン・ロスリスバーガーが4週間ぶりに戦列復帰をしたが、入れ替わるようにエースRBレベオン・ベルが膝の靭帯損傷で今季絶望となった。
 チャージャーズもWRキーナン・アレンが故障者リスト入りし、シーズン後半の全休が決まった。


 49ersはついに不振のQBコリン・キャパニックを断念した。第9週のファルコンズ戦には控えのブレイン・ギャバートをスターターとして起用する。
 対ファルコンズは過去2戦2勝と相性のいいキャパニックだが、パスが不振なため2012年シーズン途中から守り続けてきた先発の座を奪われた。
 これで事実上キャパニックの49ersでのキャリアは終わったとみるべきだろう。シーズン後に放出される可能性が高く、チームは新たなQB探しをすることになる。


 前半を終えて、スーパーボウル王者のペイトリオッツが7連勝と、その強さが際立つ。DTビンス・ウィルフォーク、CBダレル・リービス、ブランドン・ブラウナーらの退団で戦力低下が懸念されたディフェンスも、LBジェイミー・コリンズやCBマルコム・バトラーの活躍で勝利に貢献している。


 パンサーズはQBキャム・ニュートンをはじめ、個々の選手の運動能力が高いのが特徴だ。前述のコルツ戦や第6週のシーホークス戦のように接戦となった試合でもきっちりと勝ちを収めているところにしたたかさを感じる。


 そのパンサーズは第9週に今季最大の難敵パッカーズをホームに迎える。現在NFCの第1シード争いを演じる2チームにとって、この試合の勝敗結果はのちに大きな意味を持つことになる。両チームが同率でシーズンを終えたときのタイブレーカーとなるからだ。


 ブロンコスに敗れたとはいえ、ロジャースの繰り出すパスオフェンスは得点力が高い。堅守のパンサーズとは見ごたえのあるマッチアップだ。攻守をひっくり返すとニュートン対マシューズという対決も見ごたえ十分だ。


 NFC同士の対戦ではもう一つ、ラムズ(4勝3敗)対バイキングズ(5勝2敗)を注目カードとしてあげておきたい。
 この2チームは昨年の低迷から脱してそれぞれ地区2位につけている。今季のサプライズチームであるが、この試合は後半戦を占う上で重要だ。
 ラムズは新人RBトッド・ガーリーの台頭でオフェンスの柱ができつつある。バイキングズはRBエイドリアン・ピーターソンの好調に加え、2年目のQBテディ・ブリッジウオーターの成長が著しい。プレーオフに望みをつなぐためにも負けられない一戦だ。


 AFCではブロンコスのQBペイトン・マニングが古巣コルツ(3勝5敗)と対戦する。昨年はレギュラーシーズン、ディビジョナルプレーオフともにコルツが勝ち、QBアンドルー・ラックの「マニング越え」を印象付けた。
 しかし、今季のチーム状況は大きな差がつき、現状はブロンコスが有利だ。ラックは脇腹を痛めており、本調子ではない。ブロンコスディフェンスの激しいパスラッシュに持ちこたえられるかという不安もある。
 残念ながら新旧QB対決はこの試合の見所とはなりえず、コルツはプレーオフへの望みをつなげられるか否かが焦点となる。

【写真】抜群の運動能力でチームを牽引するパンサーズのQBニュートン(AP=共同)