今季は先発QBが故障欠場するチームが相次ぎ、第3週ではカウボーイズ、ベアーズ、セインツがバックアップQBによる戦いを余儀なくされ、いずれも敗れた。
 そして、スティーラーズもベン・ロスリスバーガーがラムズ戦で膝を負傷し、4~6週間の戦列離脱となった。第4週のレーベンズ戦(木曜日ゲーム)はマイケル(登録名はマイク)・ビックが先発した。


 トニー・ロモが鎖骨を折って短期インジュリーリザーブ入りしたカウボーイズは、ブランデン・ウィーデンがQBを務めたが、好調のファルコンズに及ばず今季初黒星。ジミー・クローセンが先発出場したベアーズは開幕2連敗中のシーホークスに完封負けを喫した。
 ルーク・マッカウンが4年ぶりとなる先発出場をしたセインツは、地区ライバルのパンサーズに競り負け、開幕3連敗。ベアーズのジェイ・カトラー(ハムストリング)とセインツのドリュー・ブリーズ(右肩)は早ければ第4週にも復帰できる見込みだ。


 あらためて正QBの重要性が認識された第3週の結果となった。その一方で、負傷の可能性を恐れずにQBのランを積極的に使って行くパンサーズ(3勝0敗)やビルズ(2勝1敗)も好調だ。
 パンサーズのキャム・ニュートンは得意のランを使うことで自分自身のリズムもよくなり、それがパスやチームの成績にも結び付いている。彼が50ヤード以上を走った試合ではパンサーズの勝率は18勝6敗1分(第2週終了現在)、それ以下だと14勝25敗というデータがあるほどだ。


 ビルズのタイロッド・テイラーは今季序盤の最大のサプライズプレーヤーと言っていいだろう。第2週のペイトリオッツ戦こそ3インターセプトと乱調だったが、3試合を消化して七つのTDパス成功でパサーレイティングは116・1を記録している。
 レシーバーがカバーされていると無理に投げ込まずにランで距離を稼ぐ機転が評価できる。ニュートンと同じく、コンタクトを恐れずに身体能力を生かしていくプレースタイルが功を奏している。


 3週を終えてチームの好不調もほぼ見えてきた。フランチャイズQBと呼ばれる選手を持つパッカーズ、ブロンコス、ペイトリオッツ、ファルコンズ、ベンガルズは順調に3勝目を挙げた。2連敗の後にようやく初白星を得たシーホークスやコルツにはこれからという機運が高まる。
 もっとも、シーホークスはRBマーション・リンチ、コルツはQBアンドルー・ラックの故障という懸念材料はある。


 レイダーズ、ジェッツ、バイキングズ、ビルズはそれぞれ2勝1敗と期待以上の滑り出しだ。翌週(第4週)は試合にたとえれば第1Qの終盤だ。シーズンの4分の1を終えて3勝以上を挙げるチームはプレーオフ出場の可能性が一気に高まる。
 その意味で、現在2勝のチームの今年の調子を測るバロメーターとなる。逆に開幕3連敗のレーベンズとセインツは泥沼にはまりつつある。特にセインツはすでに地区内対戦で2敗しており、ブリーズが戦列復帰した後も苦しい戦いが続く。


 ちなみに、プレーオフが12チーム制となった1990年以降で、開幕3連敗からプレーオフ進出までにチームを立て直した例は三つしかない。1992年のチャージャーズ、1995年のライオンズそして1998年のビルズだ。


 第4週はパンサーズ@バッカニアーズに注目したい。パンサーズは第3週のセインツ戦でニュートンからTEグレッグ・オールセンへのホットラインが機能し、2TDをマークした。開幕から課題だったパスオフェンスに復調の兆しが見える。


 同じNFC南地区のバッカニアーズは1勝2敗と黒星先行だが、ドラフト全体1位指名のQBジェーミス・ウィンストンの調子は上がってきている。レシーバー陣もビンセント・ジャクソン、ルイス・マーフィー、マイク・エバンス、オースティン・セフェリアン・ジェンキンスと人材豊富で、パスオフェンスのチームの武器となりつつある。ポケットパサーであるウィンストンとは対照的に、ランを自在に使うニュートンとの新旧ハイズマントロフィー受賞QB対決は楽しみだ。


 チーフス(1勝2敗)@ベンガルズはこの両チームの今季を決定づけかねない試合だ。パスオフェンスが好調のベンガルズが勝てばAFC北地区で他の3チームを大きく引き離すことができる。
 チーフスは自らのミスで墓穴を掘る敗戦が2度続いた。RBジャマール・チャールズとTEトラビス・ケルシーを中心としたオフェンスやジャスティン・ヒューストン、タンバ・ハリ、デリック・ジョンソンを擁するディフェンスは決して悪くはない。ただし、ここで3敗目を喫するようだとAFC西地区でブロンコスの独走を許し、好調のレイダーズの後塵を拝することになりかねない。


 第5週の木曜日のゲームはコルツ@テキサンズ。第3週終了現在で4チームすべてが1勝2敗というAFC南地区のディビジョンゲームだ。ラック率いるパスオフェンス対J・Jワットのパスラッシュというマッチアップが見どころだ。

【写真】ラムズ戦の第3Qに左膝を痛めて退場したスティーラーズのエースQBロスリスバーガー(7)(AP=共同)