NFLは現地時間12月28日に最終第17週の16試合が行われ、レギュラーシーズンの全日程が終了した。


 AFCではスティーラーズがベンガルズを27―17で破り、まれに見る大混戦となった北地区を4年ぶりに制した。また、唯一残っていたプレーオフ枠は地区ライバルのブラウンズを一蹴したレーベンズが獲得し、北地区からはベンガルズを含む3チームが出場することとなった。


 ブロンコスはレイダーズを47―14で下し連敗を回避、順当に第2シードを獲得した。第1シードのペイトリオッツとともに、プレーオフ第2週(ディビジョナルラウンド)からの登場となる。AFCのプレーオフのシード順位は以下のとおり。
①ペイトリオッツ(12勝4敗)
②ブロンコス(12勝4敗)
③スティーラーズ(11勝5敗)
④コルツ(11勝5敗)
⑤ベンガルズ(10勝5敗1分け)
⑥レーベンズ(10勝6敗)


 NFCは、昨季のスーパーボウルチャンピオンのシーホークスが西地区優勝と第1シードを獲得。北地区優勝決定戦となったパッカーズ対ライオンズはパッカーズが勝って第2シードとなり、やはり最終決戦が優勝を左右した南地区はパンサーズがファルコンズを倒して2年連続の地区優勝を果たした。


 2002年の地区再編で生まれたこのディビジョンで、連覇を達成したのはパンサーズが初めて。NFCのシードは次のようになっており、11勝をあげているカージナルスとライオンズがともにワイルドカードとなり、負け越しのパンサーズがシード順位で上にくるという逆転現象が起きている。
①シーホークス(12勝4敗)
②パッカーズ(12勝4敗)
③カウボーイズ(12勝4敗)
④パンサーズ(7勝8敗1分け)
⑤カージナルス(11勝5敗)
⑥ライオンズ(11勝5敗)


 一発勝負の短期決戦であるプレーオフは、レギュラーシーズンの勝率よりも対戦相手との相性や現在チームが持っている勢いなどが勝敗を分ける大きな要因となる。例えば、スティーラーズはレーベンズと過去3回プレーオフで対戦しているが、いずれも勝利している。相性は抜群にいいのだ。


 また、長いレギュラーシーズンの間にはどのチームも浮き沈みを経験する。チームのピークが今この時期にきているチームははやり強い。それを現在の連勝という観点から見るとシーホークスが6連勝中で最も勢いがあり、スティーラーズ、カウボーイズ、パンサーズの4連勝がそれに続く。


 カージナルスは11勝5敗の好成績だが、直近5試合ではプレーオフ出場チームの中ではただ一つの負け越し(2勝3敗)だ。先発QBカーソン・パーマー、2番手ドルー・スタントンがそれぞれ故障で戦列を離れ、実績に乏しいライアン・リンドリーに頼らざるをえない状況でのポストシーズンは厳しい。


 成績不振だったチームの「粛清」が早くも始まった。シーズンが終了したその日のうちにベアーズ(マーク・トレストマン)、ファルコンズ(マイク・スミス)、ジェッツ(レックス・ライアン)がそれぞれHCの解任を発表した。また、49ersのジム・ハーボウは辞任してミシガン大学のHCに就任する。


 それでは、プレーオフの開幕週であるワイルドカードラウンドの対戦カードとその見どころを紹介しよう。順番は試合の開催順。現地時間1月3日(日本時間4日)に開幕する。


 ▽1月3日午後4時35分(日本時間4日午前6時35分)試合開始
 カージナルス(NFC西地区2位)@パンサーズ(NFC南地区優勝)


 上記でも述べたように現在の勢いではパンサーズのほうが上だ。QBキャム・ニュートンは好不調の波があるものの、脚力を武器にしたプレースタイルはディフェンスにとっての脅威だ。RBジェームズ・スチュワートとのコンビによるラン攻撃は強力で、これが最終4連勝での逆転地区優勝の原動力となった。


 カージナルスはレッドゾーンディフェンス(自陣20ヤード以内での守備)が堅く、失点が少ない。ロースコアの展開に持ち込み、WRラリー・フィッツジェラルド、マイケル・フロイドといったタレントを活かすことで活路を見出したい。


 ▽1月3日午後8時15分(同4日午前10時15分)試合開始
 レーベンズ(AFC北地区3位)@スティーラーズ(AFC北地区優勝)


 プレーオフでのレーベンズ戦に相性のいいスティーラーズだが、RBレベオン・ベルが最終戦で膝を故障したのが心配される。今季のスティーラーズは時間をコントロールすることがうまく、リードして後半に入れば有利に試合を進められる。
 レーベンズはパスラッシュでQBベン・ロスリスバーガーにプレッシャーをかけたい。オフェンスはWRスティーブ・スミスとRBジャスティン・フォーセットが鍵を握る。


 ▽1月4日午後1時5分(同5日午前3時5分)試合開始
 ベンガルズ(AFC北地区2位)@コルツ(AFC南地区優勝)


 アンディ・ダルトン(ベンガルズ)とアンドルー・ラック(コルツ)の能力の高い二人のパサーの対戦だが、ベンガルズはWRのA・Jグリーンが、第17週のスティーラーズ戦で脳しんとうを起こして退場したのが懸念される。1週間で戦列復帰のための条件をクリアできるか。
 両チームともディフェンスのパスラッシュが強いことも似ている。したがって、OLがいかにQBを守ることができるかが重要となる。


 ▽1月4日午後4時40分(同5日午前6時40分)試合開始
 ライオンズ(NFC北地区2位)@カウボーイズ(NFC東地区優勝)

 ライオンズのディフェンス対カウボーイズのオフェンスというマッチアップが期待できる。特にDTダムコング・スー、ニック・フェアリーやDEイジキール・アンサーが率いるライオンズ自慢のランディフェンス(リーグ1位)とリーディングラッシャーのデマルコ・マレー(1845ヤードラッシング)の対戦は注目だ。

 カウボーイズのQBトニー・ロモは若い頃は大きな試合で独り相撲をとって試合を壊すという悪い癖があったが、今季は安定した活躍を見せている。久しぶりのプレーオフで一皮むけたクオーターバッキングを見せたい。

【写真】最終週でファルコンズに勝ちプレーオフに滑り込んだパンサーズのQBニュートン(AP=共同)