NFLのレギュラーシーズン第15週はAFCでペイトリオッツ(東地区)、コルツ(南地区)、ブロンコス(西地区)がそれぞれ地区優勝を決めてプレーオフ出場権を手に入れた。NFCではカージナルスがプレーオフ進出を決めた。


 レギュラーシーズンはあと2週を残すのみだが、数字上は上記を除く17チームにポストシーズンの望みが残されているという混戦が続く。特にAFC北地区はベンガルズ(9勝4敗1分け)、スティーラーズ(9勝5敗)、レーベンズ(9勝5敗)が地区優勝を争っている。
 新人QBジョニー・マンゼルが初先発したブラウンズは、ベンガルズに敗れて3連敗、7勝7敗となって地区優勝の望みはなくなった。


 まれに見る激戦区となったこの地区だが、最終2試合の対戦相手を見るとテキサンズ(7勝7敗)、ブラウンズと対戦するレーベンズが有利だ。対戦相手との実力差から見るとレーベンズが2勝して11勝5敗でシーズンを終える確率は高いからだ。
 この11勝を優勝ラインとするならばベンガルズもスティーラーズも残り試合すべてに勝たなければならない。


 暫定首位のベンガルズは第16週に強豪ブロンコス(11勝3敗)、最終週にスティーラーズとの直接対決を控える。そのスティーラーズはベンガルズの前にチーフス(8勝6敗)を迎え撃つ。ともに難敵を退けて最終週の天王山に臨みたい。
 ベンガルズは11勝に到達すれば、一つの引き分けがあるので勝率でレーベンズとスティーラーズを上回り、文句なしの地区優勝が決まる。スティーラーズが11勝でレーベンズと並んだ場合にはタイブレークルールが適用される(この想定ではベンガルズは10勝になるので優勝には届かない)。


 地区内で2チームが同勝率となった場合、まずは2回ある直接対決の成績が重視される。レーベンズとスティーラーズの場合、今季の対戦は1勝1敗だから、これは決め手にならない。
 次に適用されるのは地区内対戦の成績だ。ともに11勝で終わった場合、レーベンズのAFC北地区内の対戦成績は3勝3敗となり、スティーラーズは4勝2敗。したがってスティーラーズが地区優勝を手にする。
 残り2週の対戦相手ではレーベンズ、自力優勝の可能性ではベンガルズ、タイブレークではスティーラーズにそれぞれ利があり、やはり最後まで優勝争いは続きそうだ。


 NFCは北地区首位のパッカーズがビルズに敗れたため、前週まで2位だったライオンズの逆転地区優勝の可能性が出てきた。現在パッカーズとライオンズが10勝4敗で並ぶ。
 両者はやはり最終週に直接対決を控える(場所はグリーンベイ)が、来週はパッカーズがバッカニアーズ(2勝12敗)、ライオンズはベアーズ(5勝9敗)との対戦なので順当に勝ち上がると仮定すれば、最後の直接対決で勝った方が地区優勝となる。


 ところが、来週にライオンズが勝ちパッカーズが負ければ、その時点でライオンズの地区優勝が決まる。最終週にパッカーズがライオンズを破れば11勝5敗で並ぶはずなのに、それはなぜか。
 この想定ではタイブレーク第1条件の直接対決は1勝1敗(ライオンズはすでに第3週にパッカーズに勝利)でイーブン、同地区内対決も5勝1敗で並ぶ。この場合は共通する相手との勝敗が次の条件となる。


 今季のパッカーズとライオンズで共通している対戦相手はAFC北地区とNFC南地区との計8試合(地区内対戦を除く)。その勝敗はパッカーズの4勝4敗に対し、ライオンズは6勝2敗と大きく上回る。したがって、ライオンズの地区優勝が決まるのである。


 さて、第16週はさらに多くのプレーオフ出場チームが決まる見込みだ。自身の勝敗だけではなく、プレーオフを争うライバルの勝敗が複雑に絡んでくる条件次第だが、AFCではベンガルズ、スティーラーズ、レーベンズ、NFCではライオンズ、パッカーズ、カウボーイズ、シーホークス、セインツにプレーオフ決定の可能性がある。
 また、最終週のゲームはすべて現地時間日曜日に行われるから、恒例の木曜日と月曜日のナイトゲームは次週が最後。土曜日にも2試合が予定されており、4日間にわたって計16試合が開催される。

 ◎次週の注目カード
 ▽ファルコンズ(5勝9敗)@セインツ(6勝8敗)
 両チームの成績を見ると、「なぜこれが注目カード?」と疑問に思うかもしれないが、NFC南地区の優勝を左右する重要な試合だ。この地区ではパンサーズ(5勝8敗1分け)を含めて優勝を争っている。すでにワイルドカードでのプレーオフ出場は不可能だが、たとえ負け越しでも地区優勝すればスーパーボウルへの挑戦権を獲得できるのが現行ルールだ。
 セインツはこの試合に勝ってパンサーズが負ければ地区優勝が決まる。ファルコンズが勝てば最終週の3チームの結果次第。


 ▽コルツ(10勝4敗)@カウボーイズ(10勝4敗)
 カウボーイズはプレーオフ出場権を、コルツはより上位のシード順位を目指して戦う。カウボーイズのトニー・ロモは最近11試合のパサーレイティングが117・8と好調だ。リーグ最多の38TDを決めているコルツのアンドルー・ラックと新旧QB対決だ。華麗なパスの飛び交うハイスコアリングな試合が期待できる。

【写真】ファルコンズ、パンサーズと熾烈な地区優勝争いを繰り広げるセインツのQBブリーズ(AP=共同)