レギュラーシーズンも残り3週となり、いよいよ第15週には条件次第でペイトリオッツ(10勝3敗)、コルツ(9勝4敗)、ブロンコス(10勝3敗)、パッカーズ(10勝3敗)、カージナルス(10勝3敗)がプレーオフ出場権を獲得する。
 AFCの3チームは勝つか引き分ければ地区優勝が決まるという状況だ。現状ではまだ24チームにプレーオフの可能性が残されており、サバイバルゲームはますます厳しくなる。


 すべてのチームが7勝以上という稀に見る混戦が続くAFC北地区に大きな動きがあった。オフェンスが好調のスティーラーズが地区首位のベンガルズを42―21で破り、8勝5敗となった。ベンガルズ(8勝4敗1分)は引き分けがあるために首位の座を維持しているが、ドルフィンズに勝ったレーベンズも8勝5敗で猛追しており、その座は安泰ではない。


 この地区の台風の目となったブラウンズは、オフェンスがスランプから脱しきれず2連敗で後退。ついにブライアン・ホイヤーに代わって新人ジョニー・マンゼルが第15週の先発QBを務めることになった。
 「ジョニー・フットボール」のあだ名を持つマンゼルが持ち前のダイナミックなプレースタイルで、チームを再び上昇気流に乗せることができるか。


 NFCではシーホークス(9勝4敗)がイーグルス(9勝4敗)を破って3連勝。ディフェンスが本来のフィジカルな強さを取り戻しつつあり、大事なこの時期に合わせて戦力のピークを持ってきた印象だ。一方のイーグルスはベアーズ(5勝8敗)を破ったカウボーイズ(9勝4敗)に再び東地区首位の座に並ばれてしまった。第15週に予定されている今季2度目の直接対決に注目が集まる。


 49ers(7勝6敗)は「ベイエリアライバル」のレイダーズ(2勝11敗)にまさかの敗戦を喫した。QBコリン・キャパニックの不振は深刻で、連敗を喫するとともにディビジョン内対戦成績も1勝3敗に落ち込んだ。
 地区首位のカージナルスとはすでに3ゲーム差がついており、あと一つ負けるかカージナルスがあと1勝を挙げれば地区優勝の望みがついえる。


 4勝8敗1分と大きく負け越しながらまだ南地区優勝の可能性が残されているパンサーズだが、QBキャム・ニュートンが現地時間9日に交通事故で背骨の横突起部分を骨折してしまい、第15週の欠場が決まった。ニュートンは翌日には退院しており、重傷ではない様子だが、今季中に復帰できるかどうかは現時点では不明だ。
 さて、今週末にもプレーオフ出場を決めるチームが出てくる可能性があるので、その仕組みについてあらためて簡単に説明しておこう。


 プレーオフに出場できるのは各カンファレンスから6チームずつ。その内訳は、東西南北のそれぞれの地区優勝チーム(4)とそれらを除いたカンファレンス内の全チームの中で勝率の高い2球団(ワイルドカードチーム)だ。
 地区優勝はあくまでもその地区内での最高勝率のチームだから、たとえ負け越しの成績でも他の3チームの勝率を上回れば優勝となる。実際に2010年にはシーホークスが7勝9敗でNFC西地区優勝となった。


 今年のNFC南地区は現在首位タイのファルコンズとセインツはすでに8敗して勝ち越しの可能性が消えた。史上2例目となる負け越しチームの地区優勝が現実味を帯びてきた。
 また、2008年にはチャージャーズが8勝8敗でAFC西地区の優勝を手にする一方で、東地区2位のペイトリオッツが11勝5敗の好成績ながらプレーオフ出場を逃すという「逆転現象」が起きた。


 プレーオフ出場チームには第1~6までのシード順位が割り当てられる。このシード順位によって対戦カードとホーム開催権が決まるので重要だ。
 まず、地区優勝の4チームに勝率の高い方から順に1~4位が割り当てられる。第1と第2シードはプレーオフ準決勝からの出場となるので、レギュラーシーズンが終わったあとは1週間の休み(バイウィーク)が与えられる。長いシーズンを戦ってきた選手を休ませ、故障者は回復の時間を持つことができる。


 また、ナンバーワンシードは勝ち続ける限りホームで試合をする権利がある(これをホームフィールドアドバンテージという)。慣れた環境と気候、そして、熱烈な地元ファンを味方につけてプレーオフを戦うことができるのだ。だからこそ、各チームともトップシードを獲得するために最高勝率で地区優勝を果たそうとする。


 第5、6シードはワイルドカードチームで、やはり勝率の高い順に決まる。あくまでも地区優勝チームが優先されるので、勝率とシード順位が逆転するケースは珍しくない。
 レギュラーシーズンと違い、プレーオフはカンファレンスごとに争われる。1回戦は「ワイルドカードラウンド」と呼ばれ、第3シードと第6シード、第4シードと第5シードが対戦する。プレーオフはすべて1回勝負で、シード順位の高いチームのホームで開催される。


 準決勝の「ディビジョナルプレーオフ」からはいよいよトップ2シードが登場する。ワイルドカードラウンドを勝ち上がったチームのうちシード順位の低いチームと第1シードが対戦するという組み合わせになる。
 すなわち、ワイルドカードラウンドの結果が出るまでは上位2シードのチームもどこと対戦するかがわからない仕組みなのだ。


 その次がいよいよカンファレンス決勝で、ディビジョナルプレーオフを勝ち抜いた2チームがスーパーボウル出場権をかけて激突する。
 プレーオフではシード順位が高いほど有利な条件で戦うことができる。逆に第6シードチームはバイウィークもなく、一度もホームで戦えないという厳しい条件になる。それだけに最下位シードからスーパーボウルで優勝するのは至難の業で、2005年のスティーラーズと2010年のパッカーズしか前例がない。


 それでは第15週の注目カードをあげておこう。
 ▽カウボーイズ(9勝4敗)@イーグルス(9勝4敗)
 NFC東地区の優勝を占う直接対決の2戦目だ。第13週の1度目の対決はイーグルスが勝利した。この試合にも勝てば、イーグルスはカウボーイズと同率でシーズンを終えても直接対決の結果で優位に立ち、地区優勝を手にする。逆にカウボーイズはイーグルスよりも1勝以上の差を付けてシーズンを終了しないと優勝はできない。最後の2週でそれをなしえるのは難しい。それだけに落とせない大事な一戦だ。
 イーグルスのホームで行われるが、今年のカウボーイズは敵地で6戦全勝と好調なため、不利な材料にはならない。ともにオフェンス型のチームであるため、激しい点の取り合いが予想される。イーグルスのテンポの速いオフェンスにカウボーイズのディフェンスがどのように対応するかが勝敗を左右する。


 ▽ベンガルズ(8勝4敗1分け)@ブラウンズ(7勝6敗)
 残り3週でブラウンズ、ブロンコス、スティーラーズと対戦するベンガルズはここが正念場だ。同じく8勝のレーベンズは残り3試合で勝ち越しチームとの対戦が一つ(テキサンズ)しかなく、3連勝して11勝でシーズンを終える可能性がある。
 そうなればベンガルズが地区優勝をするためにはもう一つも星を落とすことができない計算だ。一方のブラウンズはこの試合に負ければ勝率でベンガルズを上回ることができなくなり、地区優勝の望みが絶たれる。その大事な試合で初先発するマンゼルが期待通りの活躍ができるか否かは、ブラウンズとマンゼル自身の将来を占う材料となる。


 ▽ブロンコス(10勝3敗)@チャージャーズ(8勝5敗)
 チャージャーズにとっては逆転地区優勝とプレーオフに望みをつなぐ試合だ。ここ数週間はディフェンスのアグレッシブさが増しており、第14週もペイトリオッツに敗れたもののQBトム・ブレイディを苦しめることができた。
 この試合に負けてしまえば地区優勝は絶望。そして、AFC北地区のチームが好調なだけにワイルドカード争いでも一歩後退する。地元のファンの前で意地を見せたい。

【写真】練習でシャナハンオフェンスコーチの指示を聞く、ブラウンズのQBマンゼル(2)とホイヤー(AP=共同)