レギュラーシーズンも3週目を迎えると、チームの好不調がはっきりと見えてくる。開幕3連勝を飾ったベンガルズ、カージナルス、イーグルスは来年1月のポストシーズンに向けて早くも大きく前進したと言っていい。


 反対に、いまだ勝利のないバッカニアーズ、ジャガーズ、レイダーズは早めの修正が必要だ。その修正とは先発メンバーの入れ替えであったり、戦術の変更であったりする。こうしたチームがまっさきに行うのはQBの交代だ。
 そして、ジャガーズはいよいよ新人QBブレイク・ボートルズの先発起用を決めた。第4週のチャージャーズ戦で初先発となる見込みだ。


 今年のドラフトで全体の3番目指名を受けたボートルズは、第3週のコルツ戦で不振のチャド・ヘニーに代わって後半に登場。24回の試投で14回の成功、223ヤードを稼ぎ、2TDパスを成功させる一方でインターセプトも2回喫した。
 ヘニーと違い、オフェンスのドライブが進んだことで、ガス・ブラッドリー・ヘッドコーチも先発交代を決意した。新人QBをアウェーのゲームで初先発起用するのは異例だが、それだけジャガーズも後がないという焦りの中にあるのだろう。


 また、バイキングズでも新人QBテディ・ブリッジウォーターがファルコンズ戦で先発する模様だ。バイキングズの先発QBマット・キャセルはセインツ戦で足を骨折し、戦列離脱を余儀なくされた。ブリッジウォーターも第3週ですでにNFLデビューを果たした。
 20回の試投で60%にあたる12回のパス成功、150ヤード獲得でTDパスも被インターセプトもなかった。ショートパスで無難にまとめた形で、プレシーズン以来約1カ月ぶりの実戦ということもあり、やや物足りなさを感じた。


 もう一人の1巡指名の新人QBジョニー・マンゼル(ブラウンズ)はブライアン・ホイヤーが好調なこともあって先発の機会はまだない。しかし、第2週以降は数プレーながら出場機会を与えられている。
 さて、第3週はスーパーボウルの再戦となるブロンコス対シーホークスの好カードが行われた。今年2月のスーパーボウルではシーホークスが43―8と大勝したが、リマッチは期待通りのスリリングなゲームとなった。


 前回の対戦ではパスのリズムを作れなかったペイトン・マニングだが、この日は新加入のエマニュエル・サンダースと出場停止処分が短縮されて復帰したウェス・ウェルカーにパスを集めてオフェンスを展開した。
 しかし、やはりシーホークスのディフェンスは堅く、ランが不発でTDもなかなか奪えなかった。第4Qに入った時点でシーホークスが17―3とリードしており、またもブロンコスの完敗かと思われた。


 しかし、土壇場でマニングが勝負強さを発揮する。シーホークスのRBマーション・リンチをエンドゾーンでタックルしてセーフティを奪ったブロンコスは、マニングからWRデマリアス・トーマスへのTDパスで12―17と迫る。
 シーホークスがFGで加点をしたあと、残り試合時間18秒でマニングがTEジェイコブ・タミーへ26ヤードのTDパスを成功させて2点差。そして、エキストラポイントの2点コンバージョンも成功して、ついに同点に追いついたのだった。


 試合はオーバータイム(延長戦)に持ち込まれた。ボールの所有権を握ったのはシーホークス。リンチのランを中心にじわじわとフィールドを進み、ブロンコス陣内深く攻め込んでいく。
 かつてのNFLではどちらかのチームがいかなる方法でも先に得点をすればその瞬間にオーバータイムが終了する「サドンデス」方式を採用していた。しかし、現在では最低でも1回は両チームにボールを所有するチャンス(オフェンスの機会)を与えるように配慮されている。


 つまり、最初にオフェンスをしたチームがFGで得点しても試合は終了とならず、第4Qまでと同様に得点したチームのキックオフで試合が再開される。そして、後攻めのチームがTDを奪えば試合は終了。無得点に終わった場合は先攻チームの勝利。FGで同点に追いつけば、キックオフによって試合が再開され、ここからはサドンデスとなる。
 ただし、オーバータイム開始のキックオフや最初のオフェンスでTDが記録された場合にはその時点で試合が終了となり、後攻チームがオフェンスをすることはできない。


 ブロンコス陣内深くまで攻めたシーホークスは、かつてのルールなら確実なFGで勝利をもぎ取ったはずだ。しかし、現行ルールではFGで先制ならばブロンコスにも攻撃権が与えられる。第4Qに2本のTDパスを決めているマニングはリズムに乗っており、シーホークスにとっては危険な相手だ。


 シーホークスは是が非でもTDで決着したかった。この試合を落とせば連敗で1勝2敗となり、無傷のカージナルスに差を付けられるからだ。
 シーホークスはQBラッセル・ウィルソンが自ら走るプレーも織り交ぜながら着実にゴール前6ヤードまで進み、最後はリンチのランで試合を決めた。マニングはサイドラインでシーホークスのオフェンスを見つめることしかできなかった。


 リベンジは果たせなかったブロンコスだが、スーパーボウルとは違いマニングらしさが最後に発揮された。シーホークスも第3Qまでは堅いディフェンスで、試合の主導権を握っていた。欲を言えばこの接戦をスーパーボウルで見たかった。


 この他の第3週の試合ではチャージャーズ(2勝1敗)がビルズ(2勝1敗)を22―10で破り、勝率でブロンコスと並んだ。セインツ(1勝2敗)はバイキングズ(1勝2敗)を20―9で退けて今季初勝利。
 ライオンズ(2勝1敗)は三つのターンオーバーを喫したもののパッカーズ(1勝2敗)を19―7で下した。スティーラーズ(2勝1敗)は第3Qに、9クオーターぶりとなるTDを決めてパンサーズ(2勝1敗)を一蹴、連敗を免れた。カージナルスは地区ライバルの49ers(1勝2敗)を23―14で破り無傷の3連勝を飾っている。


 早くも来週でレギュラーシーズンの4分の1が終了する。第4週終了時点で勝率5割を超えているかどうかが、プレーオフを占う上で大きなポイントとなる。その意味で、パッカーズ(1勝2敗)@ベアーズ(2勝1敗)は注目だ。
 NFLで最も古いとされるライバル対決だ。地区優勝候補のパッカーズは珍しく黒星先行で好調のベアーズと雌雄を決する。ここで星を五分にしておかないとライオンズも好調なだけに厳しくなる。


 QBアーロン・ロジャースのパスを投げるタイミングが遅く、それがQBサックを受ける原因となっている。そのロジャースにとってはすでに4サックを記録しているDEウィリー・ヤング、まだサック0だがパスラッシュの名手ジャレッド・アレンの存在は不気味だ。


 ▽ビルズ(2勝1敗)@テキサンズ(2勝1敗)
 ともにシーズン前の予想とは裏腹に好調スタートとなった。開幕2連勝の後の1敗ということも共通している。この好調を維持するためにも連敗は避けたい。


 ▽パンサーズ(2勝1敗)@レーベンズ(2勝1敗)
 所属カンファレンスが違うために4年ぶりの対戦。ともにディフェンスが強く、オフェンスが少ない得点機会をどれだけ生かせるかが鍵となる。ただし、パンサーズのQBキャム・ニュートンは脇腹と足首を痛めており、万全な体調ではない。今年からレーベンズに加入したWRスティーブ・スミスは古巣との初対戦。


 ▽イーグルス(3勝0敗)@49ers(1勝2敗)
 もう後がない49ersは是が非でも勝利したい試合だ。しかし、イーグルスのアップテンポなオフェンスは好調で、ディフェンスに故障者、出場停止選手が多い49ersには苦しい試合となる。今季オープンした新ホームスタジアム、リーバイススタジアムでの初勝利なるか。

【写真】試合終盤の猛攻でタイブレークに持ち込んだブロンコスのQBマニング(AP=共同)