決勝前日の30日、ロンドンの五輪スタジアムでは南アフリカとアルゼンチンが3位決定戦で顔を合わせるが、”黄金の足”で得点を量産するアルゼンチン代表ニコラス・サンチェスに人々の注目が集まるのは間違いない。

輝かしいバックラインを統率し、世界的称賛を得ている27歳のサンチェス。攻撃力は決勝へ進んだオーストラリア、ニュージーランドにさえ脅威を与えている。この試合で39個目のキャップを獲得するサンチェスが主将を務めるのは初めて。現在、2位に10点差を付ける大会最多の89得点をマークしており、どこまで上積みすることになるのか。

「精神的にはつらい試合になるだろう。今大会ここまでの楽しい試合でないことは確かだ」と優勝の望みを絶たれた試合へ臨む心中を明かした。「一番の挑戦はいい形で大会を終え、3位を確保すること。銅メダルが取れるよう最大の努力をする」と気持ちの切り替えに心を砕いているようだ。

アルゼンチンは今年8月、初めて南アフリカから勝利(37−25)を挙げた。翌週の再戦では12−16で惜敗したが、今大会では好試合を繰り広げ、チームは波に乗っている。南アフリカを倒せば2007年大会と並んでW杯ではチーム最高位となる。この大会ではアルゼンチンを破った南アフリカが、決勝でイングランドを下して優勝を飾っている。

フアンマルティン・フェルナンデスロベ、フアンマヌエル・レギサモン、そしてマルコス・アジェルサの3選手はいずれも07年大会を経験。30日の先発メンバーにも名を連ねている。フェルナンデスロベは「国民にわれわれのプレーを誇りに思ってもらえて幸せだ。これこそがラグビーのあるべき姿。ピッチに心、情熱、全身全霊の全てを注ぎ込み、楽しむこと」とアルゼンチン代表としての誇りを高らかに語った。

アルゼンチンは登録メンバー9人を変更。一方南アフリカの変更は2人にとどまった。

38歳のビクター・マットフィールドがロックのルードベイク・デヤーヘルの代わりに登録された。フーリー・デュプレアはSHのポジションをルアン・ピナールに渡し、主将は127キャップ目のマットフィールドが担う。彼がスプリングボクスとしてW杯決勝を戦うのは2度目。2011年大会後に一度代表を引退したが、昨年復帰している。

ルアン・ピナール、スカルク・バーガー、そしてブライアン・ハバナの3人も2019年日本大会では35歳を越えるため、マットフィールドだけが今大会が最後のW杯となるわけではなさそうだ。代表最後の試合を前にマットフィールドは「自分自身(の引退について)あまり感情的にはなっていない。(引退は)2度目だから少しは楽だ」と淡々と話した。

それでも、2001年のイタリア戦で初の代表戦を戦って15年目、感慨がないわけはない。「W杯でチーム優勝の手助けをしたくて代表復帰した。あと一歩のところまできていたのだが…。しかし、このユニホームで過ごした時間は全て楽しんでいる」と言葉をつなぎ、「一番特別だと思っている試合は復帰初戦、南アフリカでのウェールズ戦だ。代表としてニュージーランドと戦ったのも同じぐらいだね。きっと試合後には過去を振り返り、いいイニングだったと言うだろう」と長い代表人生最後の舞台へ思いをはせていた。

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