11月1日で任期が切れる日本代表エディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)が、29日までにラグビーニュースサービス(RNS)の取材に応じて日本ラグビー界への提言を語り、自身の後任について一部で展開されている「日本人ヘッドコーチ論」を一蹴した。

31日の決勝を最後に閉幕するワールドカップ(W杯)イングランド大会で、過去5大会勝利のなかった日本を3勝させて世界から称賛を浴びたジョーンズHC。2019年日本大会で誰が「ブレイブ・ブロッサムズ」の指揮を執るかに注目が集まる中、退任が決定している名将は日本人が次期HCに就任するのは時期尚早とし、新指揮官を今の日本ラグビー界から選ぶ必要性すら一切ないと指摘した。

日本人であることを選考基準に加えるのをナンセンスと退け、純粋に世界レベルでの実績、経験、手腕を重要視するべきだと熱く語った。

「(ニュージーランド人の)ウォーレン・ガットランドがウェールズ監督に就任した際、ウェールズといった国やラグビーを一体どれだけ知っていたと思う?くだらない議論だ。重要なのは世界でチームを勝利へ導くノウハウを持っているかどうかだ」

「ガットランドがワスプス(ロンドン)へ行ったらワスプスが勝ち始めた。ワイカト(ニュージーランド)へ行っても結果を出した。ウェールズ代表でも同じ。ワスプス、ワイカト、ウェールズの唯一の共通点はウォーレン・ガットランドだけ。その点以外、この3チームは文化もプレースタイルも全く関係ない」

「なぜ今大会まで結果を出せてない日本ラグビーを知ることにこだわるのか?今プレーしているラグビーは日本の良さを出せていると思うが、次のHCがそれを受け継ぐかどうかは本人次第だ。ただこのスタイルで、国際舞台でコンスタントに勝てることは証明できた。南アフリカに勝利できたのは偶然でないことをはっきりさせたい」

「今までの日本のラグビーを理解しているか、理解してないかは重要でない。日本のラグビーを分かっていたところで何のアドバンテージにもならない。肝心なのは最高峰のステージで勝ち方を知っているかどうかだ」

イングランド大会で歴史的成功を収めたエディー・ジャパン。その成功によって、今後の4年間への期待は高まる一方だが、指揮官は8強の壁は2019年でも分厚いと見る。「全てがうまくいって何とか準々決勝だろう。忘れていけないのは今後、日本を甘く見るチームがいなくなることだ。日本にはこの先、いばらの道が待っている」

「ウェールズ、イタリア、南アフリカを破った以上、どのビッグチームもこれからは日本相手に本気で挑むだろう。スコットランドやアイルランドといったチームが来日しても、もう誰も舐めてかかって来ない。日本を破るために必死で準備してくるだろう」と警鐘を鳴らした。

日本ラグビー界の最重要課題としては、才能の発掘と育成を挙げた。サッカーが取り入れているようなトレーニングセンター方式を参考にし、トップの若手が常にワールドクラスのコーチングを受けられる環境を整えるべきだと強く主張した。

「育成が鍵になる。現在、日本のシステムでは選手の成長が妨げられる仕組みになっている。一般的に日本での23才の選手の成熟度は、世界では18、19才ぐらいのレベルに当たる。大学でやっているラグビーは真のラグビーではない。国際水準からすると、日本の大学で4年間プレーした場合、成長は相当遅れる」

「大学ラグビーの体質はいつまでたっても変わらないと思う。ただ選手の育成に関しては、まだ救いがある。協会が大学を納得させ、トップ30人の選手に対してしっかりしたフィジカル、テクニカルプログラムを組めば、その30人はテストマッチレベルに対応できる力を身に付けることができる」

「将来性のある選手が、年間を通じて質の高いコーチングを受けられるナショナルトレーニングセンターのような場所を設けることが必要だ。こういったアイデアを大学が受け入れなければ、日本は今後、世界では通じなくなる」

日本協会は新HC候補として外国人、日本人を含む約60人をリストアップしているという。海外からの売り込みにも応じる構えで、年内に新指揮官を決める方針だ。

提供:RNS sk/kf