イングランドを破り初のワールドカップ(W杯)優勝を果たしてから8年。オーストラリアは決勝で再び欧州勢と対峙した。相手は準決勝でニュージーランドに逆転勝ちしたフランス。しかし、大会を通じて1トライしか許していないワラビーズは前半を12−6で折り返すと、残り20分で一気に加速。最後は35−12で勝ち、主将のジョン・イールズがウェブ・エリス・カップを掲げた。フランスは87年大会に続いて決勝で涙をのんだ。

1999年11月6日(カーディフ) オーストラリア 35−12 フランス

試合前

ジョン・イールズ(オーストラリア)
「オールブラックスと比べると、フランスについて知っていることはかなり少なかった。誰もが予想していたが、私たちもニュージーランドが勝ち上がってくると考えていた。(準決勝の)前半が終わった時はその通りになると思っていたが、不思議なことが起こった」

スティーブン・ラーカム(オーストラリア)
「ニュージーランドとの対戦がなくなった瞬間は有頂天になった。跳びはねたり、ハイタッチしたが、フランスについて何も準備していないことに気付いた。分析担当者は次の日に私たちに見せる映像をつくるために、徹夜で準備しなければならなかった」

オリバー・マニュ(フランス)
「フランスが決勝に進出すると考えた人はいなかったが、私たちは予想を覆した。W杯に優勝したかのように喜んでしまい、決勝までに精神的に疲れてしまった。オーストラリアのように準備できなかった」

試合

ジョン・イールズ(オーストラリア)
「(35—12)という最終的な結果を見ると、一方的な展開の試合に思われるが、ピッチ上では全くそんな感じはしなかった。『勝つのは当たり前』とは絶対思ってはいけない」

スティーブン・ラーカム(オーストラリア)
「試合の大半がパワーのぶつかり合いだった。ボールのあるないにかかわらず、小競り合いがあって、全員にとってフィジカルな試合だった。しかし、私たちは最後にフランスを疲れさせて、終盤にいいトライを何本か決めることができた」

ロッド・マックイーン監督(オーストラリア)
「ハーフタイムの時、両チームのコーチ陣は控室に戻ろうとエレベーターを待っていた。準々決勝では各チームが別のエレベーターに乗れたが、決勝では1台しか来なかった。同じエレベーターに乗るしかなく、中でお互いを無視するのに苦心した」

ジョン・イールズ(オーストラリア)
「最後の3、4分で勝ったと思った。まだ走り回りながら自分の役目をこなしていたが、W杯決勝の最後の瞬間を楽しむこともできた。それまでとは全く違う気持ちを味わった」

試合後

ラファエル・イバネズ(フランス)
「振り返ってみると、オーストラリアが優勝にふさわしいチームということに疑いの余地はない。激しくレベルの高い試合でプレーするのは腕相撲みたいなものだと思う。私たちはそれに負けた。精神的にも身体的にも負けた。威圧されるような舞台でエネルギーを使い切ってしまった。あの日、オーストラリアを倒すのに十分な強さやスタミナはなかった」

ティム・ホーラン(オーストラリア)
「優勝経験のない95パーセントの選手の表情を見たことは素晴らしい経験だった。私やダン・クローリー、ジェーソン・リトル、ジョン・イールズはW杯で優勝した経験があった。しかし、初めて優勝したチームメートの表情を見て、それまでの3年間の犠牲や努力を思い出した上、優勝がどれだけの意味を持つのか実感できた」

ジョン・イールズ(オーストラリア)
「エリザベス女王が優勝杯とメダルを手渡してくれた。裏庭でワラビーズの選手になったつもりでボールを蹴っていた子供にとって、本物の優勝杯を受け取ることは大きな夢だった。特別な瞬間であり、気持ちを言葉で表すのは難かった。高揚と同時に安どの瞬間でもあった」

提供:RNS sw/mn/fs